「じゃがいもとひじきの煮物」
主な伝承地域 富士吉田市、富士河口湖町
主な使用食材 じゃがいも、乾燥芽ひじき、砂糖、醤油、みりん
歴史・由来・関連行事
富士山信仰で訪れる信者に対して、宿を提供し、もてなす役目の御師が、富士山山開きの7月1日に振る舞ったのが「じゃがいもとひじきの煮物」だという。また、富士登山の安全と無事、暑い夏を健康に過ごせるよう祈願するものとして、富士山や神棚に供えたと伝えられている。「海のものと山のものを用い、開山をお祝いする」というのがもともとの意義であり、100年以上前から食べられているこの「じゃがいもとひじきの煮物」は現在でも習慣として山開きの日には食べられるという。
食習の機会や時季
山開きの7日1日に食べられるが、庶民の味として普段でも食卓にあがる。特に皮が薄い新じゃがが出回る5月から10月までの間はよくつくられる。じゃがいもの芋類、人参の緑黄色野菜、干ししいたけのきのこ類、ひじきの海藻類と栄養バランスに富み、夏の猛暑に負けないとされている。
飲食方法
ひじきはよく洗ってから水に20分程度浸してもどし、ざるに上げて水気を切る。じゃがいもは皮を剥き(新じゃがいもの場合は好みにより剥かなくても良い)半分に切る。鍋に入れた油が熱くなったらひじきを加えて全体に油が回るまで炒め、じゃがいもを加え、ひたひたの湯を加えて煮る。じゃがいもに火が通ったら砂糖、醤油を加え弱火で煮る。(15~20分程度)
仕上がる直前にみりんを加え、全体に照りがでるまで煮る。彩りや栄養面から、人参、干ししいたけ、さやいんげん、油揚げを入れたりする。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
山梨県が次世代への継承に取り組んでいく郷土食176品目「やまなしの食」のうち、さらに代表的な47品目としてしぼられた「特選やまなしの食」に選定されている。富士山山開きの日には各家庭でつくられるほか、小中学校・集団調理施設の給食でも提供され、素朴な味わいが”ふるさとの味”となって伝承されている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/jagaimo_to_hijiki_no_nimono_yama_nashi.html より
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