ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

驕るNHK - 30 ( 自民党綱領 と良識派議員 ? )

2019-09-03 18:15:38 | 徒然の記
 第5章 (1)の、2項目めです。
 
  ◦  自分が司令官になる認識も
  ◦  戦前の軍隊否定も再軍備止むを得ず
  ◦  長官繰り返しいさめる
  ◦  侵略者が人間社会にある以上
  ◦  国民向けメッセージも
 
 【  戦前の軍隊否定も再軍備止むを得ず  】( NHKの説明文  )
 
 「この頃、独立後の安全保障をめぐり、」「再軍備や、それに伴う憲法改正の問題で、」「日本の国論は割れていました。」「『 拝謁記 』には、東西冷戦が激しさを増し、」「朝鮮戦争が勃発する中で、」「ソ連の侵略を現実的な脅威と認識し、危機感を募らせていた昭和天皇が、」「戦前のような軍隊を否定しつつも、」「再軍備はやむを得ず、そのためには、」「憲法改正も必要ではないか、という考えを示していた、と記されています。」
 
 陛下と田島氏の対話となる前に、註書きが添えられています。
 
「再軍備をめぐる問題について、吉田総理大臣にたびたび意見を伝えようとする昭和天皇」
 
 (昭和26年12月24日拝謁時のお言葉) 
 田島氏
 「そういう事は、政治向きのことゆえ、」「陛下が、御意見を御出しになりませぬ方が、」「よろしいと存じます。」「たとえ吉田首相にでも、お触れにならぬ方が、よろしいと存じます」
 
 (昭和27年2月11日拝謁時のお言葉)・・・ サンフランシスコ平和条約調印後、半年が経過
 陛下
 「私は、憲法改正に便乗して、」「他のいろいろのことが、出ると思って、否定的に考えていたが、」「今となっては、他の改正には一切触れずに、」「軍備の点だけ、公明正大に、堂々と改正した方が、」「いいように思う。」
 
 (昭和27年2月16日拝謁時のお言葉)
 陛下
 「再軍備に関して、憲法改正の方が良いと、」「吉田に言っても良いか。」
     ( 田島氏が尋ねられ、それを止めたと記されています。)
 
   (昭和27年2月18日拝謁時のお言葉)
 陛下
 「吉田には、再軍備の事は、 憲法を改正するべきだという事を、」「質問するようにでも 、言わぬ方がいヽだらうね。」
 
 田島氏
 「呼び出すのは、よろしくありませぬが、吉田が皇居に来た際なら、」「だいぶ国会で、再軍備問題で、議論があるやうだが、」「一体どうかという程度の、陛下の御考を仰せになりませぬ形で、」「御質問になる程度は、およろしいかと存じます。」
 
 (昭和27年2月26日拝謁時のお言葉)
 陛下
 「軍備といっても、国として独立する以上は、必要である。」「かっての、軍閥が悪いのだ。」「それをアメリカは、何でも軍は、全部軍閥だという様な考えで 、」「アヽいう憲法を、作らせるようにするし・・・」
 ( 注 :  戦前のような軍隊を否定しつつも、独立時の再軍備は必要だという認識を、重ねて示すとともに、戦力の保持を禁じた 憲法9条の制定過程に、不満をにじませる様子がうかがえます。)
 
 陛下のお言葉への註書きといい、田島氏の返答の仕方といい、陛下の我慢が見えてきます。憲法改正と、再軍備に関するお言葉の頻度が、氏のメモで明らかになりました。こんなにも度々、陛下をお諌めしたと、自慢の証拠にしたいのでしょうが、果たしてそうなるのでしょうか。
 
 陛下が吉田総理に言われなくても、日本の政治家なら、憲法改正と再軍備は現実論です。警察予備隊を検討する官僚たちに、吉田氏が行った訓話が証明しています。
 
 昭和30年保守合同が行われ、現在の自民党が誕生し、党綱領の最後の6番目に、憲法改正と再軍備が書き込まれています。
 
 〈 自由民主党綱領  〉
 
 1.   国民道義の確立と教育の改革 - 正しい民主主義と祖国愛の高揚、国民情操の純化向上
 2.   政官界の刷新 - 選挙制度や公務員制度の改正、中央と地方の責任行政体制、行財政の効率化
 3.   経済自立の達成 - 年次計画による経済政策、農林漁業の安定、中小企業の振興、労使協力体制の確立、原子力の平和利用
 4.   福祉社会の建設 - 社会保障施策の整備、生活環境の改善、社会正義に立脚した福祉社会
 5.   平和外交の積極的展開 - 自由民主主義諸国との協力、国際連合への加入、原水爆の禁止
 6.   独立体制の整備 - 現行憲法の自主的改正、自衛軍
 
 島田氏が邪魔をせず、総理にお言葉が伝わっていれば、吉田氏は6番目を綱領の1番目に上げ、憲法改正に重点を置いたのかもしれません。
 
 しかし設立時の党綱領の最後には、次の文言が書かれていました。
 
 「党綱領には、憲法改正と、再軍備が最後にありますが、」「現在の自民党で、憲法改正や、軍備を口にする議員は、それほどいません。」自民党にも、良識派の議員がたくさんいるということです。」
 
 党綱領の最後に、このような言葉が書かれていたと言う事実は、戦後が終わっていないことを教えてくれます。NHKは、自民党内の良識派議員たちに向かって、この違法番組を作ったのでしょうか。
 
 自民党の議員諸氏は、そろそろ目を覚さなくてどうするのでしょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

驕るNHK - 29 ( 陛下を貶めた、NHKの間違い )

2019-09-03 05:18:39 | 徒然の記
 今日から、「 第5章 」の (1)にかかります。
 
   (1)  再軍備・改憲 やりとり詳細
 
         (2)  ソ連の侵略 現実的な脅威を認識
 
         (3)  旧軍と軍閥 頑なに否定
 
   (4)  基地反対闘争に批判的な見解も
 
   (5)   再軍備・改憲 専門家の見方
 
  (1 )の 内容は下記5つで、上から順番に紹介します。
 
   ◦  自分が司令官になる認識も
   ◦  戦前の軍隊否定も再軍備止むを得ず
   ◦  長官繰り返しいさめる
   ◦  侵略者が人間社会にある以上
   ◦  国民向けメッセージも
 
 【  自分が司令官になる認識も  】 ・・・ ダレス特使来日、講和をめぐる日米交渉 、 警察予備隊
 
 〈  昭和26年2月15日の拝謁時のお言葉  〉
 田島氏
 ・再軍備の声がありますれば、警察でも軍でも、ああいう性質のものは中心の人を欲しますが、米国は大統領が元首で、首相でもありますから司令官ですが、日本では如何なりましょうか。
 
 陛下
 ・それは元首、象徴だらうね。
 
 田島氏
 ・政治に天皇は関与されぬ御立場上、いかがでございましょうか。
 
 陛下
 ・あれは政治ではないだろう。治安という事は、政治とは言えぬだろうう。
 
 田島氏
 ・それは、明了でございませぬ。政治と関係あると、言い得ると思ひます。
 
   ( メモの註書きに、「その場合は自分が司令官になるのではないか、という認識を示した、」と記されています。)
 
 陛下の言葉を引き出すため質問し、メモを取ったのかと疑いたくなる記録です。憲法改正と再軍備を言われる陛下を、お諌めした苦労話として脚色されているため、何度読みましても、不快感を覚えます。
 
 NHKは、陛下の心得違いを国民に伝えようと番組を編集していますが、おそらく国民は、NHKとは違った受け止め方をするのではないかと思います。
 
 現実論を述べられる陛下を、田島氏が邪魔をしているが見えますし、『拝謁記』は、陛下の心得違いを明らかにする報道でなく、田島氏が抵抗し続けている番組になります。
 
 『拝謁記』は、ウイロビー准将と芦田総理の威を武器に、陛下に逆らう田島氏の姿を伝えます。保守の顔をした「獅子身中の虫」が、陛下のお側でどの様な動きをしていたのか、国民は知りました。そういう意味では、国内第1級の歴史資料で、門外不出の機密文書になります。
 
 NHKと協力する学者たちは、安倍内閣の発足以来盛り上がる「憲法改正」の動きを止めようとして、番組を作ったのでしょうか。日大の古川氏は、誰かに言わされているのか、自分の意思で喋っているのか、憲法改正を語られる陛下を礼儀を忘れ、「時代遅れの人物」と、失礼な酷評をしています。
 
 番組を報道すれば、国民の間に生まれている改憲のうねりが止められると、NHKは考えたのでしょうか。
 
 そうだとすれば、NHKと古川氏らは間違いをしました。国民の多くは、昭和天皇が現実論を述べられていたと知り、「憲法改正」への思いを新たにするに違いありませんから。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする