ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

驕るNHK - 36 ( 反日教授と、庶民の常識 )

2019-09-06 13:14:38 | 徒然の記
 本日は、第5章の(5)の最後になります。
 
 「NHKの説明」は、次の通りです。
 
 「  昭和天皇が、再軍備や憲法改正の必要性に言及していたことに対する 、『拝謁記 』の分析に当たった専門家の見方です。」
 
  (5)の内容は、下記5項目です。
 
  ◦   驚きだが、気をつけて見るべき
 
  ◦   国際政治の冷厳な現実を重視
 
  ◦   主権国家なら、当然と言うこだわり
 
  ◦   リアリスト昭和天皇の、安全保障論 
 
  ◦   大局的に考えている 
 
  【  驚きだが、気をつけて見るべき   】・・・  ( 日本大学・古川隆久教授の話 )
 
   ・昭和天皇が、戦前の軍隊に否定的な考え方だったということは、これまでの資料からある程度わかっていたが、改憲や再軍備に言及していたことは、今回の『拝謁記』で、初めてわかったことだ。
 
   ・これは一般の人だけでなく、研究者もかなり驚くと思うが、どういう文脈で、具体的にどういう内容を言っているかを、気をつけて見ていく必要がある。
 
 相変わらず、氏は敬語を使いません。こういう言い方を嫌悪される方もおられると思いますが、「たかだか私大の一教授が、陛下をここまで上から目線で語れるのか。」と、これが「ねこ庭」の正直な印象です。
 
    ・改憲と言っても、自衛隊的なものを作ることを憲法上認めるということで、国民主権や、象徴天皇の枠組みを変えるところまでは言っていない。
 
   ・再軍備といっても、戦前の日本軍のようなものを再現しようと言っているわけではないし、外国に侵略できるような、あるいは日本の国政を左右するような、軍隊ではない。
 
   ・昭和天皇は、旧軍に関してはものすごく批判的で、同じような軍隊を再現する気が全くないということは、ちゃんと押さえておかなければならない。
 
 氏は、NHKに協力した四人の学者のリーダー役をしています。いわば、このヘドロ番組を作った悪臭の発生源です。敬語も使わない学者の話を黙認していると、国民の役目が果たせていない気がしてきます。
 
 氏の意見のポイントを、つぎの4点に絞りました。
 
  1.  陛下は、自衛隊的軍隊を考えておられる。
 
  2.  陛下は、旧軍に対してものすごく批判的で、戦前の様な軍隊の再建は考えておられない。
 
  3.  陛下は、外国に侵略できる様な軍隊を、考えておられない。
 
  4.  陛下は、国政を左右する様な軍隊は、考えておられない。
 
 市場の魚屋の親父さんたちが、いっぱい飲みながら政談をしているのなら聞き流せますが、公共放送の電波を使い、教授の肩書きで放談をするのは見過ごせません。
 
 1番目の「自衛隊的軍隊」とは、どういう意味でしょう。専守防衛、シビリアン・コントロールという、二つの原則に縛られた自衛隊は、国際社会で言われる軍隊ではありません。
 
 専守防衛とは読んで字の如し、攻撃されるまで反撃できないという意味です。中国と北朝鮮のミサイルが合計300発、日本に照準を合わせています。核を搭載したミサイルが、一発でも日本を攻撃したら、広島、長崎どころの被害でありません。自衛隊の基地に着弾したら、自衛隊が一瞬で壊滅します。
 
 専守防衛では領土も国民も守れないだけでなく、肝心の自衛隊を失います。世界広しといえども、こんな軍があるのは日本だけです。攻撃される前に敵を叩いたら、戦闘行為でなく、刑法の殺人罪として裁かれるのが日本です。
 
 誰が、何時命令したのか、その命令は妥当か否かなど、自衛隊にはたくさんの制約があり、容易に動けません。世界の国々では、軍人の行為は軍事法廷で裁かれ刑法の殺人犯でなく、国のため戦った兵士として軍の裁判を受けます。
 
 自衛隊員が戦闘に参加した時、現在の日本では刑法の殺人罪が適用され、軍人の扱いを受けません。
 
 世界の非常識が、敗戦後の日本では「常識」とされています。
 
 国民の命も、領土も守れない自衛隊的軍隊を、陛下が考えておられると、氏はどこからこの意見を引き出したのでしょうか。
 
 2番目の主張も、お言葉からは導かれません。陛下は、「暴走する軍閥」を否定されていますが、「国を守る軍」は否定されていません。それだけでなく、国の独立には軍が必要であると言われています。旧軍全体の否定でなく、戦前の軍の中の「軍閥」を否定されているだけです。
 
 3番目の主張は、拡大解釈です。中国と北朝鮮のミサイルが、日本に照準を合わせているのなら、発射される前に叩かなくてなりません。相手が日本を破壊する兵器なら、領海を超えて基地を攻撃しなくて国は滅びます。
 
 陛下がご存命の頃は、中国・北朝鮮のミサイル配備が知られていなかったため、言及されていないだけです。敵基地攻撃のため領海を出ることが、なぜ「侵略」という言葉に置き換えられるのか。氏の意見は時代遅れの古雑巾みたいなもので、あちこちが擦り切れ役に立ちません。
 
 4番目も、拡大解釈です。陛下は、暴走する軍閥が、国政を左右した過去を否定されています。世界のどこの国でも、軍の行動は国政を左右します。動き出せば、軍は必ず国政を左右しますから、いかにコントロールするかが各国の工夫です。
 
 節度のある軍にするために、「愛国心」「ご先祖への感謝」「皇室護持」など、日本人の歴史と伝統が、国民と共有されることが基本になります。
 
 これを語らない学者の意見は、「ねこ庭」から言わせてもらえば空論です。
 
 「世の中の事は、全部正しいとか、全部正しくないという事はまづないので、一部は真理をいうが、一部の不完全は免れぬと言うのが物の常。」
 
  一部の理屈で全体を否定してはならないと、陛下が語られています。お言葉の一部を取り出し、都合良く解釈し、国民の電波で発信する行為は立派な犯罪です。まして、お言葉を勝手に作り変える行為は、国への反逆と呼べるのではないでしょうか。
 
  NHKに協力する反日教授と、庶民の常識の間には埋められない断層のあることが分かりました。
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驕るNHK - 35 ( 陛下と庶民の常識 )

2019-09-06 05:48:11 | 徒然の記
 本日は、第5章の(4)の、3項目の続きで、上から2番目になります。

  ◦ 現実を忘れた理想論は困る
 
  ◦ 米軍基地「止むを得ぬ現状
 
  ◦ 誰かが犠牲になり、全体が賠償するべき
 
 【 米軍基地「止むを得ぬ現状」 】 ・・・ 石川県内灘の米軍基地反対闘争
 
   ( 昭和28年6月17日の拝謁時のお言葉 ) 
 陛下
   「日本の軍備がなければ、米国が進駐して、」「守ってくれるより、仕方はないのだ。」「内灘の問題なども、その事を思えば、」「已むを得ぬ、現状である。」
 
 「よく外交が弱いというが、国際間の関係は、」「まだ道理というより、利害に動かされる故、」「正当の事の主張とて、通るとは限らぬ。」「外交上正しく主張するのに、軍備がものをいう訳故、」「日本の軍備をやめた今は、現実の状況としては、米軍に依る外ない。」
 
 「米軍中、不都合を働くものは、不都合故 、これは罰すればよい。」「そういう難点は、難点で考えてもよろしいが、」「その事の為に、根本的に反米とか、」「米軍が、日本の準備なき内に、退去するよう仕向ける事は、」「いかんと思う。」
 
 「私はむしろ、自国の防衛でない事に当る米軍には、」「矢張り感謝し、酬ゆる処がなければならぬ、くらいに思う。」
 
 陛下に敬意を払った元帥に、陛下も信頼を寄せられていたのでしょうか。アメリカ軍の駐留に、ソ連ほどの警戒心を抱かれていません。ルーズベルトとスターリンの密約を知られたら、それほどアメリカに感謝されることもなかったと思いますが、それは今だから言えることです。
 
 【  誰かが犠牲になり 全体が賠償するべき  】・・・ 両陛下が千葉県下ご視察
 
   ( 昭和28年11月24日の拝謁時のお言葉 )
 陛下
   「世の中の事は、全部正しいとか、全部正しくないという事は、まづないので、」「一部は真理をいうが、一部の不完全は免れぬ、と言うのが物の常。」「基地の問題でも、それぞれの立場上より論ずれば、」「一応、もっともと思ふ理由もあらうが、」「全体の為に、これがいゝと分れば、一部の犠牲は、已(や)むを得ぬと考える事、」
 
 「その代り、一部の犠牲となる人には、全体から補償するという事にしなければ、」「国として存立して行く以上、やりようのない話であるのを、」「憲法の美しい文句に捕われて、何もせずに、全体が駄目になれば、」「一部も駄目になってしまうという事を、考えなければと、私は思う。」
 
 「一部一部が、自分の利害の上から考へて、」「自分の利益権利という方に重きをおいて、全体の為にする義務という考えがないから、困ると思う。」「日本の国防という事を、現状に即して考えて、」「日本としてなすべき事が、分かれば、」「誰かが、どこかで不利を忍び、犠牲を払わねばならぬ。」「その犠牲には、全体が親切に賠償するというより、」「仕方ないと、私は思う。」
 
 心を鬼にし、多数のため少数の犠牲を決断する。犠牲に対しては、必ず格別の配慮を忘れない。人道主義者たちから、「非情」「酷薄」と非難されても決断するのが、政治家です。
 
 陛下の現実論に、氏がどのように答えていたのか知りたいのですが、ここにはメモがありません。後日、やっかいになりそうな問題には、メモを残さない氏の姿勢が、どうも評価できません。
 
 書かれているお言葉は、現実論というより、私たち庶民と共通する「常識」でないかと思えます。陛下を軽薄に見せるため、NHKと反日学者たちは、お言葉の最後を、実際は次のように書いています。
 
 「仕方ないと、私は思うがネー。」「考えなければと、私は思うネー。」「米軍にたよる外ないネー。」と、お言葉の最後にわざわざ「ネー」を入れています。
 
 こういう文章にすると、説明を読んだ視聴者は、「陛下は、他人事のように、気楽そうに言われる。」と思います。だから私は、自分の判断で「ネー」を削除しました。
 
 こう言う部分が、NHKの印象操作なのか、氏の小細工なのか、息子たちに知って欲しいところです。
 
 これで、第5章の(4)が終わり、(5) を残すだけとなりました。タイトルだけを見てましも、ロクでもない専門家が、ロクでもない意見を述べているのだろうと、容易に想像がつきます。
 
 飛ばしてしまいたいところですが、陛下のご辛抱を知れば、「何のこれしき」・・です。息子たちも、「ねこ庭」を訪問される方々も、同じ思いでいてくだされば幸いです。
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