ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

驕るNHK - 32 ( NHKと、古川氏の合作番組 )

2019-09-04 18:48:16 | 徒然の記
 今日から、「第5章.  再軍備・改憲」の(2) にかかります。
 
   (1)  再軍備・改憲 やりとり詳細
 
         (2)  ソ連の侵略 現実的な脅威を認識
 
         (3)  旧軍と軍閥 頑なに否定
 
   (4)  基地反対闘争に批判的な見解も
 
   (5)   再軍備・改憲 専門家の見方
 
 上記(2)の 内容は次の2項目で、上から順番に行きます。
   ◦  募るソ連への危機感
   ◦  吉田はどうも楽観に過ぎる
 
 「『拝謁記 』の記述からは、東西冷戦が激しさを増し、朝鮮戦争が勃発する中で、昭和天皇がソ連の侵略を現実的な脅威と認識し、危機感を募らせていたことが、みてとれます。」 ・・・ 以上が、 NHKの説明文 です。
 
 【  募るソ連への危機感  】 
 
   〈 昭和27年4月9日の拝謁時のお言葉 〉
 陛下
 ・ソ連という国は、何をするかわからない 。
 
 ・中立不可侵条約があったにもかかわらず、日本が仲裁を頼んであったにもかかわらず、か宣戦して来るという国だ。
 
 ・ソ連は自国発展の為には、手段を撰ばない国柄だ。
 
   〈  昭和27年4月30日の拝謁時のお言葉  〉
 陛下
 「ソ連の、侵略的なる事は確かだ。」
 
  〈  昭和28年6月17日の拝謁時のお言葉 〉
 陛下
 ・ソ連の、平和を口にして侵略的の実行をするのは、どうも戒心を要する。
 
 ・戦前のドイツが今のソ連であり、持てる国、持たざる国という様なスローガンが、今度は、平和という違いはあるが、これは全く同じで、その表面の言葉につられて、国民がだまされては大変だ。
 
 ・日本は海一つ隔てているだけで、いつでもやって来れる。それに備へるものがなければ、共産勢力は弱いと見れば来るに決まっている。
 
 〈  昭和28年6月24日の拝謁時のお言葉 〉 ・・ ソ連共産党大会でのスターリン演説
 陛下
 ・英国は成長した国で、老巧であるが、然しこれは実力が落ちた。
 
 ・そこへ行くと、ソ連は米国より上手だ。その上手のソ連が、朝鮮が変になると出て来る。
 
 ・中共ならばまだいいが、ソ連と直接境を接するやうな関係になると、日本は余程しっかりしないといけない。
 
  〈 昭和28年6月30日の拝謁時のお言葉  〉
 陛下
 ・ソ連のやり方は、米軍が駐留すれば戦場になるぞとおどかし、又、中共貿易のような甘言を以て釣り、 日本国を共産陣営へ引き込もうとしてる事は、戦前のドイツのやり方と全然同じであり、
 
 ・ヒツトラーが、武器を沢山作ってソ連にこれを売るぞと軍人をおどかし、反英米となれば日本人は利益を得ると釣った点は、全然同じだ。
 
 ・その点を日本人は、もっとはっきり認識せねば駄目だ。
 
 【  吉田はどうも楽観に過ぎる  】 ・・ 米国に防衛強化を迫られながら、動かない総理へ
 
  〈  昭和28年8月11日の拝謁時のお言葉  〉
 陛下
 ・楽観して、呑気なことを言ってるのはどうかと思うがね。
 
 ・現に日本は、虎視眈々たるソ連が居るのに、国力がとか言って呑気なのはどうも心配だ。
 
 ここで、古川教授の言葉をもう一度紹介します。
 
 ・昭和天皇が、田島との対話の中で、自らの考えが時代後れだと気づき、説得され、自分で考えて、納得した末に考えを変え、最終的に、落ち着くべきところに落ち着いていった過程が、この資料からよくわかる。
 
 一連の会話のどこに、「時代遅れの」陛下がおられるのでしょう。
 
 田島氏とブレーンが陛下を変えていったと、古川氏は喋りますが、陛下のお言葉を聞く限り、そのような気配はありません。逆に国民の多くは、陛下がここまで考えておられたのかと、敬意の念を抱くのではないでしょうか。
 
 NHKと古川氏が合作した違法番組の悪臭に、顔を背けたくなるのは「ねこ庭」の私だけでしょうか。
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驕るNHK - 31 ( 孤軍奮闘されていた陛下 )

2019-09-04 07:54:53 | 徒然の記
 本日は、第5章 (1)の第3項目めからです。
 
   ◦  自分が司令官になる認識も
 
   ◦  戦前の軍隊否定も再軍備止むを得ず
 
   ◦  長官繰り返しいさめる
 
   ◦  侵略者が人間社会にある以上
 
   ◦  国民向けメッセージも
 
 【  長官繰り返しいさめる  】
 
  〈 昭和27年3月5日の拝謁時のお言葉   〉
 田島氏
 ・再軍備と憲法の問題、陛下より数回御話の件は、陛下が政治上の御意見を仰せになったとは、絶対に言われませぬ。
 
 ・話としては、申して置きました」
 
  ( 昭和天皇のご意見を、自らが代わって、当時の吉田総理大臣に内密に伝えたと明かしています。 )
 
 田島氏
 ・吉田は矢張り憲法と再軍備で、陛下の御心配の点で、今度はひっかゝりましたようでございます。
 
 陛下
     ・改正すれば、いいではないか。
 
 田島氏
 ・国会で多数でありましても、国民投票に十分見通しがつかぬ為では、ございませんでせうか。
 
 陛下
 ・そんなものが、いるのか。
 
 田島氏
 ・今度の憲法では、そうだと存じます。
 
 【  侵略者が人間社会にある以上  】
 
 〈 昭和27年3月11日の拝謁時のお言葉  〉
 陛下
 ・警察も、医者も、病院もない世の中が理想的だが、病気がある以上は医者は必要だし、乱暴者がある以上警察も必要だ。
 
 ・侵略者のない世の中になれば武備は入らぬが、侵略者が人間社会にある以上、軍隊はやむをえず必要だという事は、残念ながら道理がある。
 
 ・その故正直に言えば、正当な武備と文化を両平行に保つという事だが、今それが言えぬから困る。
 
 田島氏
 ・その通りでありまするが、憲法の手前、そんな事は言えませぬし、最近の戦争で、日本が侵略者と言われたばかりの事ではあり、それは禁句であります。
 
  (  陛下は再軍備と憲法改正につき、 再三吉田首相に伝えよと仰せになり、その度毎にそれはいけませんと、申続けし事と御思想は一貫す、とその時の受け止めを記しています。」 )
 
 註書きの最後の行の意味が、よく分かりませんが、「何度申し続けても、陛下のお考えが変わらない、」という、嘆きなのでしょうか。これを読みますと、東京裁判で、「日本だけが断罪された」という事実が、いかに大きな衝撃を与えていたかが伺えます。
 
 氏自身がこれを信じているため、陛下のお言葉を、吉田総理に伝えなかったのでしょうか。陛下のお言葉は現在に通じる国民の願いですから、皇居で孤軍奮闘されているお姿が浮かびました。
 
 【  国民向けメッセージも  】・・・ 平和条約発効の記念式典のためのメッセージ
 
 〈 昭和27年3月14日の拝謁時のお言葉  〉 
 陛下
 ・憲法の施行、5周年を記念する式典でもあるため、式辞の中に、憲法の事に少しも触れぬ、という訳にはいかぬと思う。
 
 ・憲法中、必しも賛成でない条項もあるのだから、憲法の総ての条項に賛成と取れぬように、書いて貰わないと困る。
 
 ・それかといって、憲法自体悪いという事ではないから。
 
〈 昭和28年6月1日の拝謁時のお言葉  〉
 陛下
 ・私は警察も検事も、刑事裁判所も無い方がいいと思う。
 
 ・又医者でも、私は、予防医はあって臨床医はない方がいゝと思う。
 
 ・しかし如何せん、盗人がいる以上警察等は必要だし、病気が絶滅せぬ限り、臨床医も必要だ。
 
 ・それを思えば、防衛の軍隊が必要な事は明瞭過ぎる位だ。
 
 第5章 (1) の紹介が終わり、次回は第5章 の(2)です。
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