323ページ、この本もそろそろ終わりです。本は終わりですが、書かれている国際情勢は、現在の日本に繋がっています。亡国の憲法を有り難がり、日本だけが悪い国だったと信じる、自称平和主義者たちは、松下氏の著書を読んでみたらどうなのでしょう。
「下関条約調印から7日後の4月23日、在東京の露、独、仏三国の公使が、」「外務次官林薫 ( ただす ) を訪ね、」「日本が遼東半島を所有することは、東洋の永久平和に害があるから、」「速やかにこれを放棄すべしと、勧告した。」
なんと、たった1週間後に、ロシア、ドイツ、フランスが干渉してきました。交戦国同士が調印した条約に対し、他国が、白昼堂々と嘴を入れてきたのです。
「日本国憲法」が言う、「平和を愛する諸国民の公正と信義」が、どこにあるのでしょう。ロシア、ドイツ、フランスがやっていることのどこが、「公正と信義と平和を愛する国」なのでしょう。国際社会の不安定さと、危険さを忘れた日本人に対し、何度でも言いたくなります。昔の話で終わっているのでなく、今でも世界の国は自国の利益のため、せめぎあいをしているのです。
各国の思惑と変身について、著者が分かりやすく説明していますから、要点を抜粋します。これで理解できない、人道主義者と平和主義者は「お花畑の馬鹿者」としか言いようがありません。
1.ロシア 2.ドイツ 3.フランス 4.イギリスの、4つの強国の説明です。
〈 1. ロシア 〉
・東侵政策をとっているため、日清問題には兼ねてから強い関心を持っている。
・積極策に出るには準備不足のため、現状維持を策し、局面を注視していた。
・たとえ戦火が広がっても、清国が勝利し、現状維持にとどまると見ていた。
・ロシアの現状維持策は、たまたまイギリスの政策とも一致していた。
・戦争が意外にも発展し、意外にも日本が大勝したため驚いた。
・遼東半島が日本のものになると、現状維持策が破綻するので、積極策に出た。
・大蔵大臣ウィッテの大演説が、ロシアの国論を決めた。
「台湾の割譲を許すとしても、旅順・大連を含む遼東半島の割譲は、」「どうしても、防止しなければならない。」「ロシアは武力をもってしても、日本兵を遼東半島から駆逐しなければならない。
〈 2. ドイツ 〉
・開戦当初から必ずしも日本に敵意を見せていなかったが、行動には曖昧な点があった。
・日本に対し同情・友誼をかわすと言いながら、密かに清国に戦時禁制品を輸出していた。
・自国の退職士官を、公然と清国へ関与させ、自国の利益を図っていた。
・もともと東洋にさほど利害関係がなく、進んで干渉する必要もなかった。
・露仏同盟を警戒していたため、急遽間に割り込んだ形であった。
〈 3. フランス 〉
・当時の外交関係から見て、自国の生存上、ロシアと離れられない関係にあった。
・開戦当初は日本に敵意がなく、むしろ相当の好意すら持っていた。
・にもかかわらず、ロシアが干渉を決意し、ドイツがこれに応じる態度を見せ始めると、従わざるを得なくなった。
〈 4. イギリス 〉
・当初、ヨーロッパ諸国で連合し、日本へ干渉しようと提議したが、ドイツに拒絶されて諦めていた。
・東洋に最も多く利害関係を持っていたため、露・独・仏の干渉を扇動したことは、史実に歴然としている。
初めは積極的に干渉をするそぶりを見せなかった、ドイツとフランスが豹変したことについて、氏が興味深い意見を述べています。
「これは全く、ヨーロッパの外交関係から生まれたものに、ほかならなかった。」「露仏同盟に危険を感じていたドイツが、この機会に、露仏二カ国の仲間入りをしたと言うことである。」
「一国の利害関係が、〈昨親今敵〉の態度を平然と取らせることは、」「今も昔も変わらない、国際関係の複雑さである。」
これとともに、次の叙述が「三国干渉」についての氏の結論です。
「以上のことから、三国干渉の張本人がロシアであることは、明らかであるが、」「ロシアがその決心を固めたのは、ドイツの豹変に起因していることも分かる。」
ちょうど書評が終わりましたので、私も結論を述べたいと思います。
1. 1日も早く、亡国の「日本国憲法」を改正しなくてはなりません。
2. 総裁候補では、日本の安全保障を第一とする、高市氏を応援するべきと思います。
3. 間違っても、「女性宮家」に賛成する反日・亡国の河野氏を支援してはなりません。
賛成の方も反対の方もいると思いますが、これが私の結論です。