まだ23ぺージです。予定変更が重なり、なかなか書評が進みません。本日は下村先生に教わった、興味深い言葉を紹介します。
万延元年、西暦で言えば1860年に、ロシアはイギリス、フランスと清国の軍事衝突を仲裁し、その報酬として、ウスリー江の一帯を獲得します。そしてここに、ウラジオストック港を開きます。名前だけは、大抵の日本人が知っていますが、その意味は知りません。
「ウラジオストックとは、ロシア語で〈東方を支配せよ〉の意味。」だそうです。
つまり、ロシアの国是である「極東進出」の拠点となる港です。「極東進出」という言葉も、言葉だけなら大抵の人が知っています。これを今の言葉で言いますと、大国と自称する中国が、盛んに使う「核心的利益」と、同じ意味です。ネットの助けを借りて、息子たちに説明しますと、恐ろしい言葉だと分ります。
〈 核心的利益 〉
・どんな代償を払っても、守らなければならない決心を示すときに使われる、中国の外交用語。
・絶対に妥協することはできない、武力行使も躊躇(ちゅうちょ)しない意味がこめられている。
昔から使っていた言葉でなく、平成21 ( 2009 ) 年の胡錦濤国家主席、温家宝首相の時からの外交用語です。中国経済が、政府主導の強力な需要拡大策により、いち早く金融危機を乗り越え、2010年にはGDPが、日本を抜いて世界第2位になることが確実になった時です。
1. 国家主権と領土保全(国家主権和領土完整)
・台湾問題
・「一つの中国」の原則
・チベット独立運動問題
・東トルキスタン独立運動問題
・南シナ海問題 ( 九段線・南海諸島 )
・尖閣諸島問題
どうでしょう。平成21年の段階から、中国共産党政府が公言しているのに、自民党をはじめ野党も、国民への説明を怠っています。尖閣への領海侵犯も、早くから分かっていたのに、いまだに無策で、なされるがままです。中国政府は、武力を使ってでも「核心的利益」に対処すると言っているのですから、亡国の「日本国憲法」をなぜ変えようとしないのでしょう。
今回の総裁選においても、国防や安全保障を語ったのは、高市氏だけで、後の三人は知らぬ顔です。私がここで、わざわざ「中国の核心的利益」の説明をした理由は、二つです。
1. ロシアの国是である「極東進出」の意味を、息子たちに理解してもらいたい。
2. 国難の日本を語らない総裁候補に、総理の椅子を与えてはならない。
そしてまた、下村教授の著作を読んでいますと、悪法「日本国憲法」の間違いを糺さずにおれなくなります。「日本だけが、間違った戦争をした。」「軍国主義の日本が、アジアを侵略した。」・・こんな事実はなく、むしろ日本は「大国の清とロシア」に挑発され、蔑視され、戦争へと追い詰められていったことが分かります。
現在は190ページを読んでいますが、大国ロシアへの恐怖のため、懸命に外交努力をしている政府を知るだけです。侵略国はむしろ、清国であり、ロシアであり、イギリス、フランスです。
「われらは、即座に40万の軍隊を日本との国境へ集めることができる。」「これは日本を破るに足る兵力の、3倍の数である。」
「日本との戦争は、単なる軍事的散歩に過ぎず、」「わが軍は、ドイツやオーストリア国境から、兵力を動かす必要はまるでない。」
ロシア軍の「極東進出」の総指揮官である、クロポトキンが述べた言葉を、下村氏が紹介し、説明を加えています。
「クロポトキンはもともと、日本の戦力をほとんど眼中に入れていなかったのである。」
日清戦争前の李鴻章がそうであったように、クロポトキンも日本を軽視し、蔑視していました。いったいこの日本のどこが、侵略国家なのでしょう。私が、憲法学者の宮沢俊義氏や芦部信喜氏を批判する理由がここにあります。
「日清戦争も、日露戦争も、太平洋戦争も、みんな日本の侵略戦争だった。」
彼らは大学で教え、マスコミで発信し、悪法「日本国憲法」を正当化しました。だから私は、彼らを許しません。
とうとう、今回の書評も横道にそれましたが、それでも、40ページまでは進みました。懲りずに次回も、「ねこ庭」へ足をお運びください。