下村冨士男氏著『日露戦争』( 昭和41年刊 人物往来社 ) を読み始めました。ネットで調べた氏の略歴は、次の通りです。
「反共主義者として知られていたため、東大国史学科赴任には反対の声があったという。」
このため氏は、ミシガン大学へ行ったのかもしれませんが、今も日本の学界では、反共主義者 (保守) のレッテルを貼られると、大学関係、政府関係、マスコミ関係で活躍の場が減ります。
現在110ページを読んでいますが、中庸の叙述で過激な言葉はありません。内容は、「極東の日露対立」「日露開戦」「終戦交渉と列国の動き」の三部分からなっています
これまでの読書で得た知識を、整理しますと次のようになります。
1. 明治27年 日清戦争 伊藤博文首相 陸奥宗光外相 明治天皇
2. 明治37年 日露戦争 桂太郎首相 小村寿太郎外相 明治天皇
3. 明治43年 日韓併合 桂太郎首相 小村寿太郎外相 明治天皇
いわば日清戦争も、日露戦争も、発端は朝鮮の支配権の奪い合いです。列強が植民地を広げていた時代だったとはいえ、朝鮮の立場に立てば屈辱的な出来事です。当事者を除け者にし、自国の支配権が争われるのですから、韓国・北朝鮮人々が怒りに燃える気持ちも、分からないではありません。
分からないのは、どうして、同じことをした清国やロシアを憎悪せず、日本にだけ敵意と憎しみを抱き続けるかという点です。小国だった日本は、国運を賭して戦わなければ、植民地化されていました。松下、下村両氏の著作を読み、日清・日露戦争の中身を知るほどに、現在の日韓関係の異常さを感じます。
ここにネットで検索した、日本共産党の「赤旗電子版」の記事がありますので、紹介します。令和元年8月15日に行われた、韓国「光復節」の記念式典における、文在寅大統領の演説を伝えています。
記事の見出しからして、反日・左翼の共産党らしい偏った扇動です。
「いま振りかえる 植民地支配 歴史と実態」「脅迫と強圧で実現した 韓国併合」
共産党が、いつまで経っても国民政党になれないのは、こういう反日の記事を世界に発信し、事実を針小棒大に歪めるからです。歴史の事実を調べれば、「脅迫と強圧」で植民地支配を広げたのは、むしろ西欧列強とロシアなのに、そこは触れません。共産党は、文大統領の演説を紹介し、彼らの憎しみを助長しています。
「清日戦争、露日戦争、満州事変と中日戦争、太平洋戦争にいたるまで、60年以上にわたる長い戦争が終わった日。」「韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、日本の植民地支配から解放されたことを記念する、」「光復節(8月15日)の演説でこう述べました。 」
これが記事の書き出しで、次に大統領の演説が続きます。
「戦前の日本帝国主義による侵略と、36年間の植民地支配は、」「韓国の人々から国を奪い、人間の尊厳を奪い、」「言葉や名前すら、奪いました。」「韓国国民の中に、その傷痕と怒りは今も消えていません。」
「日韓関係を改善するうえで、加害者である日本が、過去の植民地支配にどう向き合うかは決定的です。」「日本の植民地支配は、どのように進められたのか、改めて考えます。」
文氏は大統領として、本当に国を思うのなら、自国の歴史の中に不甲斐ない指導者たちがいて、いかに国の弱体化を招いたのかを、国民に伝えなくてなりません。自国のご先祖さまの自己保身と、愛国心の無さが、列強の支配を許したのだと教える必要があります。いつまでも自分にたちには責任がなく、他人が悪いという「他責思考」では、独立国になれません。
毎年繰り返される光復節での大統領の挨拶を読み、日本共産党や野党の同調意見を知るとき、韓国への哀れみと、日本の反日野党への怒りを新たにする私です。
偶然、「赤旗電子版」の記事を見つけたため、話がそれてしまいました。息子たちに、日本共産党のおかしな記事を紹介できたので、良かったのかもしれません。こういう反日・左翼政党に、間違っても政権を担わせてはならないと、生きた勉強になります。彼らは、日本国民をダメにするだけでなく、韓国の指導者たちと一緒になり、韓国の人々もダメにしています。
次回から、氏の本へ戻ります。