ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

共同通信社の情報操作 - 19 ( 加藤紘一氏と青木理氏 )

2022-10-22 08:10:31 | 徒然の記

 「福田氏の大ウソ記事」の紹介を続けます。長い記事のため必要な箇所だけを取り上げますので、正確に知りたい方は9月18日の千葉日報新聞を確認されることをお勧めします。

 「当時の安倍氏を巡っては、5人の〈一時帰国〉に固執する融和派の福田氏と対立し、最終的に〈永住〉へ舵を切らせたとする受けとめがあった。」

 つまり事実があったと言うことになりますが、福田氏が否定します。

 「一時帰国の是非で、政権内の意見が割れたと報じられたが、5人を北朝鮮に返すなと私に訴えた官邸幹部は、安倍氏を含め誰もいなかった、と述べた。」

 〈一時帰国〉というのは田中均氏が北朝鮮とした約束であり、反古にできない外交の言葉ですから、大いに揉めたはずなのに福田氏が否定します。氏の記憶が正しいとするのなら、今後色々問題が生じる意見です。

 「福田氏は、五人を日本に止めるべきだとする一部の世論に、違和感を覚えたと指摘。家族を北朝鮮に残した5人の意向を考えず、一時的な思いに任せて日本に縛りつけるなど、人道的にありえないと語った。」

 「5人の意思確認は、福田氏が安倍氏に指示したと言う。」

 話が逆になっていますが、氏の話を正しいと証言する外務省の幹部がいました。

 「外務省アジア大洋州局参事官だった・斉木昭隆元外務事務次官も、17日までのインタビューで、当時の中山恭子内閣官房参与に5人の永住意思を伝えた、蓮池さんの電話が決め手になったと証言。政治家でも官僚でもなく、蓮池さんたちの決断だったと明かしている。」

 福田氏の話も斉木の証言も記事を読む限りでは、辻褄が合っています。しかしこれでは私が10月13日にシリーズの4回目で紹介した、田中均氏の言葉と整合性が取れません。

 「北朝鮮が日朝正常化交渉で失敗したのは、政治家に頼んだからである。日本では官僚が力を持っている。私のような力のある官僚に頼まないと日朝正常化の問題は解決しない。小泉首相も私が動かしている。」

 北朝鮮との融和策を基本とし自信満々だった氏は、安倍氏の強硬な反対で描いていたシナリオを崩され、激しい怒りを抱いていました。いわば外務省全体が、安倍氏の強い意思表示でコケにされたことになります。「国益無くして省益あり」とも言われる官僚の世界ですから、安倍氏が存命しない今となり、斉木氏が福田氏に話を合わせても不思議はありません。昔からの言い古された言葉でいえば、「江戸の仇は長崎で」・・です。

 私はここで息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に、福田氏の話の反証となる二人の人物を紹介します。一人目は、加藤紘一氏です。誰もが知る自民党の有力者ですが、念の為略歴を紹介します。

 「〈宏池会のプリンス〉と呼ばれ、山崎拓、小泉純一郎と結成したYKKの代表格。衆議院議員13期、防衛庁長官、内閣官房長官、自民党政務会長、幹事長を歴任。」 

 「〈総理に一番近い男〉とも呼ばれたが、〈加藤の乱〉や〈秘書の脱税疑惑〉で総理候補から脱落した。」

 氏は政治家になる前、外務省の官僚でしたから、終始安倍氏に批判的でした。北朝鮮が一時帰国させた5人の拉致被害者を、当時の安倍氏が、北との約束を破り帰国させなかったと、激しく非難した人物です。

 平成20年7月7日の「日本BS放送」で、氏が語っていた言葉を今でも忘れていません。面白い偶然があるものですが、この放送の内容を伝えているネットの情報が見つかりました。10月21日、つまり本日発信のJCASTニュースが、当時の内容を伝えています。

 被害者を戻した方がよかったのかと聞かれた氏が、次のように答えていました。

 「当然です。国家と国家の約束ですから」

 「あんな北朝鮮みたいな国に、日本は政府と政府の約束さえ守らない国だと言われるのは、片腹痛い。」「安倍晋三官房副長官が〈 戻すべきでない 〉と主張したのが通り、北朝鮮との約束を全部忘れてしまった。」

 「私は、そのへんがね、実は今、日朝の間で打開できない理由だと思います。」

   「そのときに、1回帰しますから、じゃあ、また来て下さい、と言ったら、何度も何度も交流したと思いますよ。あのね、一回帰すと平壌は殺しちゃうんじゃないかとか考えた、そこが外交感覚の差ですね。そんなことできるわけがない。」

 「福田康夫首相は、安倍前首相とは違ってこうした点を理解し、拉致と核問題の話し合いを同時に進めている。」

 話している場所が日本だったのか、北朝鮮だったのか忘れましたが、どこかの庭園での対話でした。もう一人の証人は、元共同通信社記者青木氏です。

 「だいたい、小泉さんが訪朝した最初の頃、安倍さんは外されていたんです。交渉のラインは、小泉 ー 福田 ー 田中均で、安倍さんは蚊帳の外でした。」

 「私は外務省の田中均さんと、個人的には親しくしていませんが、何度かお話ししたことはあります。安倍さんみたいな強硬論でなく、現実的に、拉致問題の解決に取り組んでいた方です。」

 「結局田中さんは、安倍さんに反対され、交渉担当を外され、自宅を右翼に放火されましたね。石原慎太郎さんが、国賊だからやられて当然みたいなことを言ってましたが、酷い話です。」

 田中氏から安倍氏批判を聞かされていたので、青木氏はこんな話ができます。北朝鮮との折衝責任者である田中氏が外されても、「政府内での対立はなかった」と福田氏は言うのでしょうか。

 どうやら福田氏も共同通信社も、時代認識を間違っているようです。マスコミが報道すればなんでも国民が信じた時代は、とっくに終わっています。多くの国民はネットという文明の利器を使い、自分の意見を発信するだけでなく、マスコミや政府や政治家や学者たちの意見が信頼できるのか、検証することもできます。マスコミが何も知らない国民を、情報操作でごまかせた時代は過去となっています。

 あと2件残っていますが、同社も重要視していない小さな記事ですから、訪問いただいた方々に感謝しつつ、本日をもって、安倍元総理へ贈る「鎮魂歌」3つの完成といたします。辛抱強いおつき合いに、感謝します。

 しかし「憲法改正」と「皇室護持」について、反日左翼勢力との戦いは終わりません。安倍総理の意思を継ぎ、これからも頑張りたいと思います。

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