小原信氏著『世紀末の幸福論』( 平成7年刊 PHP研究所 ) を半分ほど読んで、机の片隅に置いたままです。平成7年は西暦で言いますと1995年なので20世紀末ということになり、本の題名はここから来ています。
『「 6つの談話 」 検証 』、『渡辺恒雄氏と読売新聞』 、『共同通信社の情報操作』と、安倍総理への「鎮魂歌」が途中で3つ入ったため、中断していました。今日から続けようと思いますが、中身をすっかり忘れているので、もう一度最初から読みます。
題名に惹かれて手にしたのでなく、市の図書館の廃棄処分本の一冊です。免許を返上し車が無くなったので、今後は貰いに行けなくなりました。本棚に30冊ほど残りがありますので、当分は大丈夫です。自分の本は、200冊あります。断捨離をしていますから、読んだ本は都度小学校の有価物回収の日に出しています。
話がそれましたので、『世紀末の幸福論』に戻ります。今の私は「〇〇幸福論」という名前の本に、あまり関心がありません。昔『アランの幸福論』という本を読みましが、何も覚えていません。そもそも幸福論という本に、私は惹かされません。幸福に影響をもたらすのは、自分の心の持ち方と社会のあり方の2つがありますが、大抵の本はいずれか一方を説いています。
小原氏の略歴が巻末にありますので、紹介します。
「1936 ( 昭和11 ) 年、神戸生まれ。国際基督教大学、東京大学大学院を経て、エール大学留学。」「現在青山学院大学文学部教授、専攻 : 倫理学、現代思想」
学歴から見ますとキリスト教系の、立派な学者です。半分まで本を読んでいるのにほとんど内容を忘れているということは、立派な先生の話に自分が何も共鳴していなかったことになります。「温故知新」の読書を続けたせいで、たくさん得た雑学が邪魔をするのか、最近はあまり心を打たれる本に出会わなくなりました。
ことに宗教家と言われる人の著書には、心を打たれるより首を傾げる方が多く、もしかするとその分幸福から遠のいているのかもしれません。と言いましても、私は格別不幸でなく幸福でもなく、普段通りの自分です。
氏はキリスト教にのっとって意見を述べていますが、一口にキリスト教と言っても沢山の宗派があり、それぞれの宗派ごとに違った幸福論があります。キリスト教の宗派を大別すると、カトリック、プロテスタント、正教会と3つに分かれますが、内部ではさらに枝分かれし、最後は100以上の宗派になります。そんな宗派の一つを信じる先生の話ですから、100分の1の幸福論です。まずもって本気になれません。
偏らないために言いますと、他の宗教の幸福論についても同じです。多くの宗派がありますので、どの本にも本気になれせん。
イスラム教はスンニ派とシーア派に大別されますが、内部でまた分かれています。仏教は「十三宗五十六派」という言葉がある通り、これも複雑です。代表的な「十三宗」の中の6つを上げますと、次のようになります。
奈良仏教系 密教系 密教系+法華系
法華系 浄土系 禅宗
系という文字が書かれているのは、内部でさらに枝分かれしていることを示しています。それぞれの宗教を信じる学者や宗教人が著書を出していますが、わざわざ買って読む気になりません。図書館の廃棄本だから本棚に並べているだけで、未読書の中にイスラム教と仏教に関する本もあります。私が元気であれば、いずれ「ねこ庭」で紹介する日が来ると思います。
聞くところによりますと、今話題の「統一教会」も枝分かれしたキリスト教系の一つなのだそうです。雑学に邪魔されている私なら、「統一教会」の教えに騙されることがなかったかもしれません。そもそも、何千万円も寄付をするお金からしてありません。
世界の主な宗教として、キリスト教、イスラム教、仏教、ヒンズー教が挙げられていますが、私はこれにあと二つを加えています。もしかするとその一つは戦後日本に限られるのかしれませんが、「マルクス教」と「日本国憲法平和教」です。現在「世界統一教会」と並ぶ、歪んだ教えとして世間に流布しています。
日本の神道は経典もなく、開祖もなく、土着の神々を祭る宗教です。日本のことになると何でも貶さずにおれない反日左系の学者は、「未開のアニミズム信仰」などと説明しています。
田中英道教授によりますと、由緒正しい神道の要素は3つになります。
1. 自然信仰
山や木や岩など、自然そのものの中に神を見、人間もその一部であると考える。
2. 御霊(みたま)信仰
優れた人や地域に貢献した人など、個人の魂を信仰の対象とする。
3. 祖霊(それい)信仰
自分の祖先を神として大切にし、これが国の祖先である天皇と、無意識のうちにつながる。
他の神々を排斥せず、何もかも包み込んでしまう大らかな宗教です。自分以外は何もかも排斥する、日本に特有の「マルクス教」と「日本国憲法平和教」に関し、私は寛容になれませんが、自分では神道を信じています。今回は『世紀末の幸福論』の書評になりませんでしたが、次回から述べたいと思います。
ここまで説明すれば、おおよその検討がつくと思いますので、興味のない方は訪問されないで頂ければ幸いです。たった82人の方を相手に綴っているマイナーなブログですから、邪魔をせず、無視していただければ有難いと思います。