雨風の日は姿を見せませんが、このところ毎日朝の10時か11時頃になると、野良猫が一匹顔を出すようになりました。庭の昇降口に置いた踏み台の上で、きちんと両足を揃えています。
茶と白と黒の混じった三毛猫のメスで、お目当ては、キャットフードです。正確な記憶がありませんが、三ヶ月くらい前から訪ねて来るようになりました。以前から、時々庭を横切りる猫が何匹かいましたが、その内の一匹です。
亡くなった飼い猫の餌が残っていましたので、スーパーの空き容器に入れてやったら、警戒しながら食べ、それがいつの間にか習慣になってしまいました。けれども猫は決して私たちになつかず、近づくと逃げてしまいます。手渡しで餌をやろうとして、私も家内も、鋭い爪で引っ掻かれてしまいました。
飼い猫と野良猫の違いは、決して体を人に触らせないところです。無理に近づくと激しく怒り、敵意を露わにします。常に周囲を警戒し、近づくものには敵意を燃やし、こうして野生の猫は生きながらえているのだと知りました。
それでも毎朝来るようになりますと、どうしても可愛くなってきます。亡くなった猫の身の回りの品が、まだ倉庫に残してあります。今では餌入れも水飲みの容器も、この野良猫が使っています。
「ねこ、ねこ。」とか、「みけ、三毛」とか呼びかけていましたが、こうなってくると、名前のないのがもどかしくてなりません。「たびー、たびー。」ある日家内が、そう呼びかけていました。何となく洒落た名前なので、理由を聞いてみますと、あっけない話でした。「揃えている前足が、まるで白いタビでも履いているように見える。」
どこかの国の言葉で、野良猫をタビーと呼ぶのかと考えたのに、それだけの話でした。しかしこれも不思議なことで、毎日呼んでいると互いに馴染んでしまい、なんと野良猫までが反応し、かすかな鳴き声で応えるようになりました。近づくと離れていくのは今も同じですが、離れていく距離が短くなりつつあります。
決して目を合わせず、話しかけても他所を向いているのは、今でもそうですが、少し違ってきましたのは、食事の後の行動です。餌を食べ水を飲み終えたら、どんなに呼びかけても無視して立ち去っていましたのに、この頃は昇降台の陽だまりで、時間つぶしをするようになりました。毛づくろいをしたり、爪研ぎをしたり、背を丸めて目を閉じたりします。寛いだ様子を見せはじめたということは、警戒心を少し解いたのかもしれません。
気にかかっていますのは、尻尾のあたりの背中の毛が、縦方向に十センチばかり抜け落ちいてることです。皮膚病らしいので、病院に連れて行きたいのですが、捕まえるのは至難の技です。病院で治療をしたら、家に入れても良いと思っていますが、それもできません。病気の猫では、遊びに来る孫にも良くありません。
そんなことを日々考えつつ、それでもタビーの愛らしさが日々強まり、毎朝やってくるのを楽しみにしています。亡くなった飼い猫が、元気だった頃から見かけていたので、人間の年で言えば、タビーはおそらく13か14才だと想います。元気そうに見えても、若い猫ではありません。もしかすると、野良猫なので、私たちより早く亡くなるのかもしれません。
どうやらタビーは、歯が悪いらしく、ドライフードに難渋していました。近所のスーパーで缶詰を買ってきましたら、あっという間に、平らげました。
「タビーが亡くなるときは、私たちが面倒を見てあげようね。」
これが妻と私の、約束です。亡くなった飼い猫については、忘れられないことばかりですが、タビーのお陰で、少し慰められます。きっと天の神様の贈りものなのでしょうが、その神様はキリストか、アラーなのかと、そんなややこしいことは考えません。八百万の神様のどなたかが、タビーを、ねこ庭に招いてくれたのだと、感謝だけしています。
人生には、時々楽しいことがあります。
ニャンのことは、辛い話ですね。
慣れてきましたら、アロエを塗ってやればいいのかも知れませんね。さらに慣れてきたら、病院に連れて行きましょう。
今のところタビは、どこに住んでいるのか、わたしたちは知りません。自分たちでやれるだけはしてやろうと、思っています。
野良猫タビを拝読して悲しい猫との別れを振り返っていました、その名は野良猫ニャン、交流は数年に渡りました、
もちろん私が名前を付けましたが、利口な猫で、すぐ自分の名前だと理解して私になついてくれました。
ある工場の小さな倉庫の西隣の緑化センター樹園地が私が愛したニャンの産まれた土地でした。
動物愛護の奥さん曰く、お母さんとしばらく一緒に住んでいたのですが母が亡くなったことで孤独な生活になりました。
初めはニャンを見かけた私が餌をやったことがきっかけでした、のそっと出てきて「ニャン!」と泣く、
見かけは強そうな顔をしているのに、他の猫に差しくられる知能の遅れが見て取れました、損だねニャン !
多分、オスだったと思いますが途中から大きな洋猫が住み着いた事でニャンの悲しい日々が始まりました、
両耳の上 ( 甲の部分 ) が真っ赤にかきむしられる日々が始まったのです、それは痛々しいものでした、
見かねた私は二度に渡り洋猫を数キロ数十キロ離れた土地に放逐しましたが利口な猫ですぐ元に帰ってきました。
最後は、帰れないだろうと確信した場所へその猫を連れて行き公園のそばに降ろしてやりました、
後から悔やまれるのは遅過ぎたという事でした、ニャンの運命の糸はそれから数日の命だったのです。
多分食事中に野良犬に襲われたのでしょう、ペットフードと缶詰を食べさせてやれた事がせめてもの慰めでした。
私がニャンと呼ぶと身体をすり寄せて来る、真っ赤な耳にはアロエを塗ってやりました、
私から離れようとはしません、苛められっ子のニャンは私に助けを求めたんでしょうね、辛い思い出です。
私の弱者に注ぐ目は、このような思い出が内泡されているのです、待ってろよ! 助けてやるからな !?
onecat01さん、奥様、どうか野良猫タビを大事にしてやって下さい、あなたの記事で別れたニャンを偲びます。
三毛猫のオスなら、どうして野良猫などになりましょう。マニアたちが、世界から集まります。
というところで、笑いました。私も最近は、いろいろ間違いをし、あちこちをびっくりさせていますから、お互い様です。
何でありましても、今は嬉しい私の「ねこ庭」です。コメントを有難うございました。
メスがオスに見えてしまいました。
幾つになってもオスが好きなんです!
あ!読んでonecat01さん、笑ったでしょ?!
ドジなコスモス、名前を変えたくなりましたよ。
「ねこ庭」には、やはりねこが居てくれた方がいいですね。しかも「三毛猫」のオスですか!
絶対と言って良い程、三毛のオスはいないとされているのに。
これまでのお庭の書き方と違って、淡々と書いて居られるのが、とても印象的です。
命を削っておられるような書き方から、ねこちゃん登場で、癒されております。