日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



個人的にはベスト・ムービーのひとつである、「スウィート ヒアアフター」 The Sweet Hereafterの監督アトム・エゴヤンが製作総指揮、かつ主演だったサラ・ポーリーが、監督・脚本したこの映画は見逃すわけにはいかない。

監督そして脚本とは、サラ・ポーリーさん、かなりの才女ですなあ! しかもまだ若いし(驚きの、公開時27才)
同じく彼女が監督の『死ぬまでにしたい10のこと』が未見なので、さっそくチェックかな。


結婚して40年以上の夫婦、フィオーナとグラントは自然の中の一軒家で送る充実した日々。
しかし、フィオーナにアルツハイマーの兆候が現れ始める。
そしてここからこの2人の関係に変化が訪れる。

主人公2人の演技が素晴らしい。
まずグラント役のゴードン・ピンセント。
彼の妻を見つめる、眼差し演技。
フィオナ(ジュリー・クリスティ)も美しさを維持したままの、アルツハイマー演技。
助演のオリンピア・デュカキスも相変わらずのすっとぼけ演技(「月の輝く夜に」のころとほとんど変わってないねえ~)

観ていて、昔の映画 「ハリー&トント」を思い出した。
ハリーと飼い猫トントがひょんなことから車でアメリカ国内をのろのろドライブするロードムービー。
途中一緒になった女の子の奨めで、若い頃に結婚まで決意していたが別れざるえなかった彼女を訪問することに。
探したあげく行き着いたのは老人ホーム。
彼女の言動は正気だった瞬間があると思うと、他人の名前で(確かアレックス)呼びかけたり、既にアルツハイマーがそうとう進行していることがわかる。
彼女に誘われるままダンスを踊るハリーの姿がなんとも印象的だった。
これぞラストダンス(涙)あの音楽が胸に焼き付いて忘れられない。

ところが、2009年のこの映画はもっと残酷。
施設ルールに従って1ヶ月間面会ゼロ後に会ったフィオナは......
ここから先は語るまい。


こういう普通の人生でその不可逆性を感じさせる映画がある一方、それを逆にすることで表現しようとする「ベンジャミン・バトン」。
フィンチャーとはいえ不要な無理を感じてしまうので、どうしても劇場に観に行く気になれない(DVDなら?)
アカデミー賞の主要部門を逃した理由もそこにあるのでは?

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