
監督は、ジャコ・ヴァン・ドルマル(トト・ザ・ヒーロー)
主演はジャレッド・レトー、女優陣がなかなか豪華で、サラ・ポーリー、ダイアン・クルーガー他。
まだ4/30公開直後だが、評判を聞きつけ、直ちに駆けつけた。
SFの形を取っているけど、テーマは『選択』そしてその先に待つもの。
2092年、120才の老人ニモがインタビューに答える。
不老不死が実現した世界で、最後に「死ぬ男」として。
その老人が話しだす人生は、まず幼児期に大きな岐路を迎える。
親が離婚し、どちらに着いて行くかの選択を迫られる。
ここから物語が一筋縄でなくなってくる。
選択の岐路が、多層的に展開されはじめる「パラレルワールド」展開。
主人公ニモはそれぞれの環境の中で人生の伴侶をみつけ、多層さを極めていく。。。
こんな異様な内容を、ナレーションも使わずどうやってすっきりと演出しているか、実に不思議。
観ていてだんだんと、「2001年宇宙の旅」のラスト終焉部分で省略した主人公の人生を追った映画のように思えてきた。
そういう例えをしたくなるくらい、この映画、魅力的。
それはなぜかというと、こういう構造の映画には珍しく(笑)人生にポジティブな響きを残すところ。
そしてその響きを表現する、各々のシーンの演出・カメラの使い方のユニークさ(横倒しショットとか)・効果的な音楽の使い方、にも才能がぷんぷんと。
なのでこの映画を「洪水のようなイマジネーション」という言葉で讃えたい。
これを再確認するために、また観に行ってしまいそうな自分がいる(笑)
というのは、今年のベスト10に間違いなく入るくらい、自分的にはハマったからだ!