
デヴィッド・フィンチャー新作。
で まず一言。
内容は、かなりハードル高く トリッキー…
名作「市民ケーン」完成までの舞台裏を描く。
脚本を書いた ハーマン・J・マンキーウィッツ が主人公(ゲイリー・オールドマンが熱演)
つまり、タイトルは彼の名前。
まず当ブログ的にいうと…
「市民ケーン」は名作だと認識しているものの、もはやラストシーンしか覚えていない(笑)
世界映画史上のベストワンとして高く評価されているにもかかわらず…
そんなレベルの認識に対し、今作はマニアックにぐいぐい迫ってくる…
主人公と、監督デビュー作となる天才 オーソン・ウェルズ との関係性が非常に複雑。
オーソン・ウェルズは、脚本のクレジットも自分のものにする契約を主人公と結んでいた。
(つまりゴーストライター的なカンケイ)
ここがトラブルの元になっていく…
そしてわかりにくいのが、主人公を取り巻く政治。
彼のボスが推す共和党候補、対抗する民主党候補として出馬の小説家 の勢力争い。
共和党候補推しのメンツはなんと、MGM ルイス・B・メイヤー!
さらにロサンゼルス・タイムズのハリー・チャンドラー!
そして、アメリカの新聞王と呼ばれたウィリアム・ランドルフ・ハースト!
彼らが選挙に勝つための手法として編み出したのが、ニュース映画の捏造(汗)
街頭インタビューにサクラの俳優を潜り込ませ、世論を操ろうとする。
この捏造に主人公は直接関与しないものの、この事実を知り民主党候補への肩入れを強化する。
ハリウッドを襲った「赤狩り」の時代でもあり、極めてドロドロしているのだ!
これらの背景を理解するのに時間がかかる…
しかもプロダクションも超マニアック。
時代のオマージュとして「全編モノクロ」は勿論、フィルム差し替え用のキューマークまで画面の右上に再現(笑)
画像だけじゃなく、音楽も凄まじい。
参加しているのはフィンチャーの同志トレント・レズナーとアッティカス・ロス(ソーシャルネットワーク他)
普段のインダストリアル・サウンドとは逆方向の、ジャズ・オーケストラサウンドに挑戦。
その時代の楽器だけを使って制作、とマニアックの限りを尽くしたサウンド!
結論:マニアックさを追求し尽くした フィンチャー新作は、Netflixならでは(汗)