ガキの時にリバイバルで観て、人生ベスト級のひとつ的に感動。
にもかかわらず、少し前のリバイバル公開では、なぜか遠慮してしまった…
ところがWOWOW で放送があると聞きつけ、焦って視聴!(汗)
物語構造は単純。
お金待ちの屋敷で晩餐会が開かれる。
が明確な理由もないまま、使用人たちが次々と屋敷を去っていく…
WHY?
ここで使われる登場する手法が「反復」技。
同じ「お客たちの入場シーン」「主人の乾杯」のシーンが2度繰り返される(汗)
「マリエンバード」の悪夢(笑)を思い出させるような「反復」技 を連発!
でなぜか誰も客間から出られなくなる。
物理的障壁は全くないのに、何故か誰も客間から出られないのだ!
コンフォートゾーンから出られないという点で、容易にブルジョワジーを揶揄していることが類推される。
そして高くとまっていたはずのブルジョワジーたちが時間の経緯とともに崩壊し始める…
不倫、友や仲間への不審から派生する揉め事、絶望、自殺、薬物依存 etc… が表出。
このへんの描写はここまで執念がこもってる!と言えるくらいなねちっこさ(汗)
そして当然のように、ここでは「神頼み」が全く通用しない。
この点で、ブニュエルが終生貫いた「宗教批判」が冴えまくる!!!
だけでなく、ちゃんと彼のシュールレアリストとしての基本を抑える。
・手首だけが、己(女性)を襲ってくる幻想
・各人の「夢」が表層化するシーン…
こんな感じでラストに向かいぐいぐいドライブがかかり、緊張感が高まる。
ここがブニュエルの他作にはない大きな特徴であり、傑作とされる所以だと考える。
結論:異才 ルイス・ブニュエルの才能が炸裂する本作はやはり必見!
でも、これは面白かったです。
集団心理的なものもありそう。
ブニュエルの後期の作品は難しいというより
ギャグっぽいシュールレアリズムなので、
そのへんはお奨めです!