このたびの冬は、結構、冷え込んだ朝がありました。12月29日に畑沢へ行った朝、荒町から松母(まつぼ)の林を抜けると、畑沢は霧の中でした。放射冷却現象で冷え切った空気が雪面近くに垂れ込めたままだったようです。車を止めて、畑沢側の風景写真を撮ろうとしましたが、ふと不振り向くと、真っ青な空、切り立った山肌、低く山裾を覆う霧、真っ白い雪原です。おっ、これは傑作が撮れる。先天的な下手でも、こればかりは上手に撮れる気がしました。果たして、閲覧者の厳しい目では、いかかでしょうか。
この山は、畑沢の山と言うよりも荒町の山です。しかし、畑沢から毎日この山を見ながら学校へ通った畑沢の人にとって、思い出多い山です。畑沢からの出口、畑沢へ帰ってくる入口の横に建てられた屏風です。急な斜面では、雪がいくら降っても、たちまちに雪崩となり降り積もることが許されません。斜面には、常に岩がむき出しになっています。
ところで、この山の形については、前から不思議に思っていました。畑沢の山は、ほとんど緩やかな曲線です。直線的に切り立った山はありません。最近、それを説明している文献がありました。「尾花沢市史」です。それによりますと「ケスタ地形」と言うそうで、「硬質岩石と軟質岩石が互層し…」たのが緩やか傾斜して、上の方が浸食された形だそうです。分かりましたでしょうか。私には分かりません。