~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

ルプーだってあついじゃないか

2006年05月09日 22時46分08秒 | ピアノ
ビデオの棚を掘っていたら、1994年のN響のBモードライブの録画が出てきました。

ヴォルフガング・サバリッシュ指揮、ラド・ルプーのピアノによるブラームスのピアノ協奏曲第1番。
ルプーはCDを2枚持っていますが、「ハマってしまった」という経験はありませんでした。
ビデオの再生スタート。
例のどことなく聖職者を思わせるような独特な風貌で登場。
椅子はオーケストラと同じパイプ椅子風のもので、それに深く深く腰掛け、
どうみても背もたれに背中ついてるよなあ・・というゆったりとした姿勢。
「1000人に1人のリリシスト」を期待し、私もスタンバイ。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
わ、わたしが不勉強でした~~~~
それはピアニッシモは大変に美しく、それが魅力であるのは間違いないのですが、
低音は地鳴りのごとく、和音は勢い余った粗さもまたこの曲のこころとばかり、
もうそれはそれは、私好み。
ダイナミック、シンフォニック、みごとな構成力・・・こんなピアニストだったんですね、ルプーって。
当たり前ですが、やっぱりライブを(できればホールで)聴いてみないとわからないものです。

あまりの驚きに「ピアノとピアニスト2003」を繰ってみたところ、
次のように書いてありました。
「ピアニッシモも美しさは無類だが、彼のもうひとつの特質は作品の構成を見事に活かせるところにある。
彫りの深い構築力、大胆なアゴーギク、シンフォニックな力感もそなえており、
<リリシスト>といった側面だけではとうてい捉えることができないピアニストであった。そういえば、ベートーヴェンの協奏曲をものすごい集中力で一心不乱に弾ききったこともある」

<ルプーの一心不乱べートーヴェン>、体験してみたいものです。