~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

耳穿つプレリュード

2006年05月22日 13時33分24秒 | ピアノ
またまた明日から雨だそうで、
洗濯機を何回回したか記憶にないくらい、洗いものをした。

ピアノの方はおととい「悲愴」を弾いて、とりあえずまたベートーベンはお休み。
シューマンとグリーグは7月に本番があるので継続しているけれども、
そればかりでは技術が偏るので、弾いたことがあり、かつ短い曲・・・と思って、
ショパンのプレリュードをまたぼちぼち見直すことにした。

プレリュードは「単品でもいけるのだけど、コースの方がより味わえる」という曲で、
24曲通し、または数曲ずつまとめて弾くとより面白いといわれる。
なにしろ最初の方は曲も短いし、極度に難しいわけでもないので、どんどん進んでうれしいのだが、
16番あたりからエチュード並みのものも混ざり、全曲やるのは少し根性がいる。
私は、エチュードは「見ただけで挫折」組なので、たった4曲しか弾いたことがなく、
それすらもまともに弾けないし、これからも弾くかどうかはあやしい。
でも、プレリュードは好きなので、2巡目を始めることにした。

久しぶりにプレリュードのCDも聴いてみた。
アルゲリチとポゴレリチ。アルゲリチは好きなピアニストではあるのだが、
加速したときの制御不能な感じが好ましい曲とそうでない曲があって、
プレリュードに関しては、私としてはもう少し落ち着いた部分も欲しいように思っている。
ポゴレリチのCDは初めて聴いたときは、あまりの濃さに24曲続けて聴くことができず、半分くらいでやめた記憶がある。
今日はどうかな・・と思ってかけてみたら、洗濯し<ながら>だったおかげか
2巡は軽く聴くことができた。
もしかしたら、ここ1年のあいだに、自分自身の「濃さ」が上がってきたせいかもしれないが・・・・(笑)。

ポゴレリチは稀代の超絶技巧の持ち主であり、
速い曲に関してはもちろんただただ驚くばかりなのだが、
耳を奪われてしまうのは遅い曲だ。
「雨だれ」・・・・・
・・・こんなゆっくりした濃い雨だれが落ちてきたら屋根に穴があく。
このテンポをおしまいまで保つのも至難。アルゲリチが4分51秒で弾いているのに対し、7分22秒。
聴いているほうも胸を締め付けられる思いがするが、
まさにこれは「雨だれ」というよりは「胸の鼓動」のようであり、
それがあまりにゆっくりなので聴いているほうは息苦しくなるのではないか。
心臓が一回収縮し、体のすみずみにまで血液を送りこむ・・・その映像をスローモーションで再現されているかのようにも感じる。
これはおそらく演奏者の意図した遅さなのであり、近年ポゴレリチはこの傾向が一層強まっているとも聞く。

洗濯機を回し終わり、干しながら聴いていたところ、
18曲目で洗濯機のホースが残り水を「ゴゴ・・」と吐き出した。
・・・・・いやそうではなく、その音はCDから聴こえていた。
ノイズか・・・・耳をつけて聴いてみたが、どうもそれはポゴレリチの鼻息?!
これ、はんぱじゃない音です。
子供のころ「レコードに幽霊の声が入ってるよ」とみんなで耳をそばだてたものだが、
そばだてる必要なし。

鼻孔ならぬ耳孔を突かれました。


友人の家移り 続

2006年05月22日 01時00分54秒 | 家族・友人等
以前、友人が家を探している話を書いた。

その後なんの音沙汰もなかったので、心配していたのだが、
電話してみたところ、とっくに引越していた(笑)。
焼鳥屋上の汚いマンションでも、共同物干し場のあるマンションでもなく、
以前の家より4軒だけ先の普通のマンションにおさまっていた。

借りるにあたっては保証人として「現在収入のある人」が必要で(これはまあ普通)、
しかもその人物の「所得証明」を添付しなければならなかったそうで、ちょっと面倒だったようだ。

そうかそうか、結局は無難なセンに落ち着いたのね・・とホッとしたところ、
友人「仕事ももう少しだし」
私 「えッ?」
友人「7月までだから」
私 「どういうこと?」
友人「辞めるっていってなかったっけ?」
私 「きいてないよ、ぜんぜん。いつ決めたの?」
友人「家借りる前」
私 「辞めたら借りられないからねえ」
友人「そうなんだってね。良かった、先に借りといて」
私 「おいっ!も、もしかしてそういうことも考えずに・・・」
友人「考えてなかった・・
私 「まあいいや。それで、やめてどうすんの」
友人「やめる前に来月ボルネオに行く」

やっぱり、ぜんぜん無難じゃなかったのだった。