オリンピックのマラソンは開催都市のメインイベントとして行われるからこそ価値があるもので、だからこそ競技者もそこを目指すのではないか。
条件の良い所、健康に心配の無い所なら他にどこでも選択肢はあることになってしまう。
札幌と東京と、どちらが良いかを判断する事は間違いなのだ。
東京は競技が出来ないほど危険なのか、それとも競技が出来るレベルなのか、を検討する事が大切な事なのだ。
ドーハの世界陸上で半分近くが棄権したが、、、
谷口浩美に言わせれば、
「残念ながら、準備が出来ていない人が棄権したという事です。マラソンとはそういうものです。」と、いう事だ。
谷口さんの世界陸上は真昼のレース。 今回は早朝のレース。 それ程環境が違うとは思えない。
アテネで優勝した野口みずきは、ゴール後激しく戻していた。それでもその時は議論もされなかった。野口も他の選手もその環境で当たり前のように勝負した。
暑いレースが予想されれば、何年もかけて準備をし、当日の気候と、自分の実力を考慮しレースを組み立てる。 それがマラソンなのではないか?
アテネの野口も、一歩間違えて体力を使い切っていたらゴールまで持たなかったかも知れない。 ギリギリゴールできる自分の限界をきちんと見極めてレースを組み立てたから勝てたのだ。
MGCの設楽は、逆に読み違えて失速したのだ。もしも、後半気温が上がらなかったら結果は違っていたかも知れない。
マラソンは、マネジメントの競技で、事前の準備も大切だし、当日の天気や気温の変化を読んでレースを組み立てて勝負する競技なのだ。 只、早いだけの人間が勝つ訳ではないのがオリンピックのマラソンなのだ、だから面白いのだ。
しかし、、、、IOCはそれを全く解っていないのだと思う。
バッハはフエンシング、 コーツはボートの選手だからマラソンの意味も意義もわかるはずがないのだ。
マラソンはそんなちまちましたものではないのだ。 その42キロをどうやったら早く走れるかを必死に考えて日々過し、人生を掛けて競技しているのだ。
だから、速いだけでは勝てないのだ。
せっかく、大都会「東京」の沿道に何十万、何百万の観客を集めて盛大なお祭りをしようとみんなで盛り上げて来たのに、、、
選手一人一人がその世界が注目する場で主役の座を奪おうと、盛り上げてやろうと、思ってそれを楽しみに準備していたのに、
多くの観客の歓声の中、新国立競技場のトラックでゴールする事を楽しみにしているのに
、、、、、、、、全て台無しになった。
選手は暑さ対策など当たり前のようにやる、、、
海外選手からも、
ドーハのマラソンは東京の暑さ対策で出たのに残念だ、とか
新国立競技場のゴールを楽しみにしていたのに、残念だ、という声が上がっている。
札幌移転を選手が一番望んでいないのではないかい?
彼らにしてみれば、、、、
脱落者は富士山に軽装で登って迷惑を掛ける登山者みたいなものなのだ。位の話なのでは。
これで、石原都知事時代から長年育てて来た東京マラソンはオリンピックに繋がらなくなってしまった。