アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

瓜に爪あり爪に爪なし

2009年04月07日 | Weblog
  生爪はがしは拷問

体の部分が、ことわざや慣用句になっているものは多いです。中でも、「爪(つめ)」にまつわるものは、実に多いです。それだけ、重要なものということでしょう。私は、両親が大正生まれで…毎日のように「ことわざ、慣用句」を聞いて育ちました。還暦過ぎの人は同じだと思います。しかし、還暦未満の人にとっては馴染みがないかなあ…

「爪で拾って箕(み)で零(こぼ)す」…苦労して積み重ねたものをむざむざと浪費する
「苦髪楽爪(くがみらくづめ)」… 苦労すると髪が、楽をすると爪が早く伸びる
「爪を研ぐ」…準備をする
「鹿爪(しかつめ)らしい」…もっともらしい
「爪の垢ほど」…僅少のたとえ
「能ある鷹は、爪を隠す」…才能をひけらかさない
「爪に火を灯す」…極貧の中、さらに倹約する  
「爪の垢を煎じて飲む」…模範になる人、優れた人にあやかる

 親によく言われたのは…
1 「夜に爪を切るな」・・・夜に爪を切ると、「親の死に目に会えなくなる」「早死にする」という迷信から。
2 「 朝に爪を切るな」・・・戦争へ行く兵士が、出征の朝、爪を切って遺品として置いていく習慣があったことから。「死にに行く」という迷信。
 「昼に爪を切るな」とは、言われませんでした。

 私は、半年前に右足小指の爪をはがしてしまいました。痛いのなんのって10分くらい悶絶状態。新しい爪が生えてくるというか、はがれた爪の下の皮膚が硬くなったというか…元通りになるまで、半年かかりました…。生爪をはがされるというのは、痛いものです。そのため、拷問として、「ペンチで生爪を抜く」のがあります。アイルランド舞台の映画でも、IRAが捕らえた農夫の口を割らせようと、生爪を抜くシーンがありました。
 櫻井よし子さんのブログに…「…中国がチベット人に行なってきた弾圧のすさまじさは筆舌に尽くしがたい。生爪をはがしたり、逆さ吊りにして鞭打つなど…」という記述もある。ペンチ一個でお手軽に出来る拷問ということで、行われているようです。

 北九州市八幡東区の北九州八幡東病院で、入院中の認知症患者2人の爪計3枚をはがすなどし、それぞれ10日間のケガを負わせた事件がありました。この10日間のケガってどこから引っ張り出したか分かりません。私は、全治半年はかかると思いますよ!経験上。
 この事件、容疑者は、42歳の女性看護師。裁判での言い分は、「爪切りは看護師が行うべきケアであり、正当業務行為」…爪切りと生爪はがしは、別のものでしょ!懲役6月、執行猶予3年…量刑はともかく、「認知症の人の生爪をはがす行為」その行為の、どこがケアの一環なのでしょうか?正当業務だって!?そういう人たちには、何を言っても通じません。カギ付の厚い皮手袋で爪を守らなければ。

 「つめ」という漢字は「爪」、キュウリ、ニガウリなどの「うり」を漢字で書くと「瓜」。よく似ています。そのため、区別して漢字を覚える慣用句が、「瓜に爪あり爪に爪なし(うりにつめありつめにつめなし)」です。上手いですー。明治、大正生まれの人って、勤勉で、気概が感じられます。認知症患者の生爪をはぐような卑怯はしません。