アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

通学路は水くみの道

2016年12月16日 | Weblog
「世界の果ての通学路」という映画がありまして…。ケニアの子が学校へ行く。朝一番に「水場」から、水を掬って水筒へ入れる。それを持って片道15キロメートルの通学路を象の群れを避けながら学校へ。この話、人権教室でよく話しています。
日本の子どもたちには、「水がにじみ出ている砂場のような所から水を汲む…じゃなくて掬う」そのことが理解できない。水道の蛇口をひねると飲み水が出てくる…。それが普通だから、ありがたみなど感じない。

ケニアでは国民の3分の2が家の近くで水の供給を受けられない…。そうだろうなあ!
 毎朝、何キロメートルも歩いて水を買いに行くのは子どもの役目…水を買う?そりゃあ、ケニアといえども都市部では水を売っているでしょうねえ。水を買うことで疲れてしまって、学校を休むことも多い…?こ、これは!私の人権教室とは違う展開。私の展開は、「なぜ片道15キロメートルもの通学路を毎日通うのか?」と問いかけ、マララさんの力も借りて、「学校へ行くことができる幸せ」を感じてもらう…なんですがね。水を買うことで疲れてしまって、学校を休むことも多いってのは…。

 ESDなる教育があります。「持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)の略。今、世界には環境、貧困、人権、平和、開発といった様々な問題があります。ESDは、これらの現代社会の課題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組む(think globally, act locally)。そのことにより、それらの課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出す。それによって持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動。私が25年前から取り組んでいるものです。現職時代の名刺には、「think globally, act locally」と、しっかり印刷してました。
 ESDアワードの平成28年度のグローバル賞に、国際トランスフォーメーション財団(本部・ケニア)が選ばれました。
 ケニアの子どもと水の関係で、国際トランスフォーメーション財団が始めたのは、「学校に水の売店を設置する事業」。
 財団が資金を貸し付けて学校が給水所を設ける→子どもたちは学校で学び、ついでに水を買って帰る。(水を買うことで疲れてしまって、学校を休むことも多いということはなくなる!)なるほどなるほど、けだし名案。
 ハンドトラックも用意されており、水の運搬も楽になった。水の販売収入で学校は約2年で借金を返した!アレレ、いいことずくめ!さらにさらに、そのお金で次の学校に売店が設けられる(これまでに9校に設置)。おもしろいですねえ!これまでに、4千人以上の子どもが水くみから解放されたという。

 いいことずくめなのですが…私の、「人権教室」は、どうなってしまうのか!内容の一部変更を余儀なくされてしまいましたね。世界の果ての通学路の、ケニアの子たち…学校帰りに水を買って、(家が遠い子は)15キロメートル歩いて帰るんですよね。学校へ通えるのが苦痛にならなければいいのですが…。