アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

絵馬の思い出

2024年12月31日 | Weblog
 年の瀬からお正月の「神社や寺院」は、祈願の絵馬が気分を高揚させてくれます。今年も、なんとか生きたまま過ごせそうです。有り難いことです。

 笑い話ですが、「絵馬(エマ)」と聞くと思い出すことがあります。例のサポートで、小学校に出入りしていたときのことですがね。

 まじめで、日本語もかなり堪能なアメリカ人のALTがおりました。名前は、「エマ(Emma)」。日本人の日常会話に出てくる単語なら、100%分かります。「饂飩」と、漢字で書けます。日本人でも、書ける人が少ないのに!「証言」と「調書」をきちんと区別して説明できます。

 小学校の英語の授業の準備で、エマが世界の国旗をA4版でプリントして20枚ほど持っていました。マイナーな国の国旗がほとんど。一緒に準備していた日本人の教員が…

「アンティークマンさんなら、これらの国すべてに行ったことがあるんでしょうねえ」

 と、水を向けてきた。実際は用意された国旗の国々の半分しか行っていませんでしたけどね。
 次に、「どこから旅行費用を出すの?」という問い。ルックスが貧しいからか、旅行する余裕などなさそうに思われているらしい。

「ちょ、貯金を下ろして…」
 と、答えるのはまともすぎるので…
「深夜に、ほほかむりをして…」
 と、答えました。
 日本人教員は、すぐに意味を理解し、「ハハハッ」と、笑いましたがぁ…エマは、キョトーン?さすがのエマも、「ほほかむり(ほおかむり)」は知らなかった。もちろん、「深夜のほほかむり=泥棒」は、知らないらしかった。
 エマが知らない日本語を持ち出した私は、居合わせた数人に賞賛されました。エマって一体どんな存在なんだぁ?
 さて、エマに対し、ほほかむりをどう説明したか…。

 タオルをもってきて、
「いいかぁ!このように頬が隠れるように頭からスッポリかぶるんだよ。だから頬被りというんだよ」
 エマは目から大きなウロコを2枚落としながら、
「おお!盗人!」
 と、叫びました。さすが、日本通。「ドロボー」と、言わずに、「ヌスット」と、言うのですから!

 ところが、居合わせた教員たちは、「ほほかむり」が「頬」と、つながらなかった。一斉に、
「まったぁーっ!(また、冗談言ってぇー)」
 という、疑惑の反応。「ほほかぶり」は、「頬」とは無関係だと思っていたわけで…。私は、いつもホラを吹くおじさんと思われていたことが判明。こんな学校、二度と来てやらないぞと心に誓いましたよ。

 エマには、漢字名を「絵馬」にしなさいと進言しておりました。芳しい返事はありません。
「絵」はいいけど、「馬」が気に入らないらしい。「餌魔(エマ)ならどうだ!閻魔(エンマ)もあるよ」と、言いたいが、意味が分かるでしょうから口をきいてもらえなくなりますね。

 今年も終わりです。来年は、少しは真面目な文章を書くぞーっ!進化しなければね。
 なぬ?今のままでいいって?はーい!そうしま~す!
 皆様、良いお年をお迎え下さい。


どぶろく…幼少時の原風景

2024年12月30日 | Weblog
 年の瀬、温めた甘酒が美味しいです。 
「甘酒」は、体が温まるからぁ…冬の季語…と、思いがちですが、実際は、夏の季語です。いつから歳時記を開くようになったかって?才能が無いので上達しませんが、句歴だけは長く、かれこれ50年です。
 江戸時代には天秤棒をかついで甘酒を売り歩く甘酒屋は、夏場の風物誌でした。
 見たのかって?さすがの私も江戸時代には生まれていませんでしたから、甘酒売りを見られるわけがありませんでして。ものの本からの知識です。「甘~い甘~い あまーざけっ」と、売り歩いたらしいです。

なぜ、夏に甘酒を飲んだのか?甘酒の成分が、夏バテに効いたから。甘酒は、ビタミン類、必須アミノ酸、大量のブドウ糖を含む、「発酵食品の優等生」なのだそうで。「飲む点滴」とおっしゃる学者さんもおられます。

「甘酒」は、どぶろくになる前なので、アルコール分は含まれていません。砂糖は入れないのになぜ甘いか?でんぷん質を糖化させたブドウ糖を20%以上含むので甘いのです。

 で、甘酒は「ジャパニーズ・ヨーグルト」と呼ばれています。「甘酒を作るのに牛乳は入れないだろう。ヨーグルトとは違うだろう」
 って?牛乳は入れません。食物繊維とオリゴ糖が腸内環境を整えるので、便秘や肌荒れなどを予防・改善、体内の有害物質の排出に役立つのだそうで…だから、ジャパニーズ・ヨーグルト。

 なぜ、甘酒に異様な興味を抱いているか…私の原風景に、「どぶろく作り」があるからです。終戦後に生まれまして、子どものころは「おやつ」などなかった。どこの家でも、冬になると「どぶろく」を造っていました。我が家でも。
 で、おやつ代わりに、ドブロクの盗み飲み。おいしかったですよーっ。酔っ払わなかったのかって?どぶろくになる前、つまり、「甘酒状態」のときに飲むので酔いません。できあがる前にせっせと子どもの私が飲むので、できあがったどぶろくの「嵩(かさ)」は減っている。しかし、「瓶(かめ)」なので、減っていることに気づかれません。瓶の特長を利用するあたり、賢い子どもでした。アハハ。

 自宅でどぶろくを造りたいけど、法律で禁止されているので…。だけど、法律で禁止されているものの造り方を、本やインターネットで紹介している。どうなっているんでしょうかねえ。
 ネット通販では、どぶろくが売られています。許可が下りれば醸造も販売も出来るようになっているんですね。
 お正月には、自家醸造ではありませんが、どぶろくを飲みながら、ニューイヤー駅伝、箱根駅伝を観る予定です。


農業の担い手を輩出しなければ

2024年12月29日 | Weblog
    一浪中の娘さんを持つ母親と話をしました。娘さんの兄は大阪大学在学中、一浪中の娘さんは、京都大学志望だという。頭のいい子を持つ親なんだなーと思いました。
 それはそれでいいのですが、娘さんは、京都大学の農学部志望だという。
 京大農学部…学生募集のコピーが面白かった時代も。
「あなたは、今日は、何を食べましたか。明日は、何を食べますか」
 これは素晴らしいですよ!認知症のテストのような…。農学部が認知症のテストをするはずないですね。ハイ。

「どんなものを食べているか言ってみたまえ。きみがどんな人間か当ててみよう」
 これは、フランスの美食家、ブリア・サヴァランの言葉。だけど、「美食家」という職業ってあるのかねえ?どうやって生活費を捻出するのかなあ?大変気になります。
 しかし、BUT、言葉の意味が、実によく分かります。愚か者は、愚か者なりの食事をしている。賢者は賢者の食事をしている。食事で、どんな人かは分かります。

 ある大学の「栄養学」の教授が講演の中で、「粗食のすすめ」の幕内秀夫さんを「おちょくる」ようなことを言いました。
 幕内さんが、粗食を勧めながら幕内さんご自身は(庶民にとっては)贅沢な食事をしているとか…でっち上げられた流言なのに、講演で言っちゃうあたり、ウケたかったのかな?どんなことを言ったか

「米とか麦とかを、粗食と言っている人がいますが、これらって粗食なんですか?」
 と、いかにも正義のミカタ(御方、味方、見方)のような…。あのとき、私が蛮勇を奮って抗議しなければ、講演会の参加者は幕内さんを、とんでもない人と思い込んだことでしょう。
 幕内さんの偉いところは、「米を食べなさい」とは言いますが、私のような、糖尿病予備軍(HbA1c76%…正規軍かな?まだ、インスリンのお世話にはなっていません)には、
「米は控えなさい」
 と、言ってくれるところです。
「何が何でも、私の言うことが正しい。私は偉いんだ!」 ではないのです。

 閑話休題。菅副総理(元総理)は、見かけは大酒飲みですが、実際は酒を飲めない。甘い物には目がない。あの苦み走った顔で、にこり笑って大福餅を食べている…ホントホント。甘党と言えば、甘利 明さん(元経済再生相)。それって、「甘」を掛けた、ダジャレだろうって?実は、これも本当の話です。私は、一年に数回ホラを吹きますが、嘘はつきません。
 では、裏金問題の塩谷立議員は「しょっぱいもの」が好きなのかって?だからぁ!ダジャレじゃないってば!
 …どうして、政治家を出すのかって?つい、菅副総理のごっつい手と、「農業」が結びついてしまって…。菅副総理、握手するとき全力で握ってくるのです。握力勝負してどーすんの?

 でぇ、また閑話休題。「銀の匙(中 勘助)」。
 …農業高校に入学した主人公が酪農で成長する姿を通じて、農業の魅力を伝えています。

 農業の担い手…育てなければ日本の農業は消える…。しかし、産業構造の変化で農業を志望する人は…。農業高校の卒業生で、農業に従事する率…「0%」の高校もある?それはないとは思いますがぁ…。

 高校がダメなら、大学でしょう。農業分野への関心、就農意欲を少しでも引き出したい…。これからの農業に対応した人材を育てたい…。

 京都大学でなくてもいいんです。「農業に興味がある人」は、合格させましょうよ。まして、一浪までして、農学部に入りたい。「金の卵」ではなく、「金の延べ棒」だと思いますがね。京大さん、来春、よろしくお願いいたします。と、言ってもあと3回寝たらお正月かあ。


大谷翔平さん談、「ワシは二刀流じゃ!」…ん?

2024年12月28日 | Weblog
 自分のことで恐縮ですが、我が家の子どもたちが小学生の頃までの私の一人称は…
「パパは、今朝78cmの鮭を釣ったよ」 
 一人称は「パパ」でした。

 子どもたちが、中高生ぐらいの時は…
「お父さんは今朝、港でクロガシラを釣ったよ」 
 一人称が「お父さん」に変わりました。

 そして、成人してからは…
「ワシは、山菜の王様はキトビロ(行者ニンニク)だと思うよ」
 一人称がワシ。ワシの期間は長かったです。
 現在は、「私」になっています。

 私の中年期の一人称、「ワシ」は、どこから来たのか?沢木耕太郎さんの影響ですね。
 沢木耕太郎さんが、自分のことを話すき、
「ワシは、キトビロよりタランボの芽が好きでござる」
 このようには、言うわけないですよね。

 沢木さんが「ワシ」について書いてあるのは…
 エッセー集「バーボンストリート」。その中に、「奇妙なワシ」という題のエッセーが入っています。

 バーボンの原料は穀物。ただし、トウモロコシを51%以上含まなければならない。アルコール度数は、62.5度(以下)なのだそうで。我が家に10年前に買ったジャックダニエル(バーボンウイスキー)がありますが、アルコール度数が高くて、なかなか減りません。

 閑話休題。「奇妙なワシ」では、スポーツ記者の手により、スポーツ選手の一人称が「オレ(ボク、ワタシ)」から「ワシ」に変わる過程が書かれています。

 名前が挙げられているスポーツ選手は、江夏豊、山本浩二、星野仙一、元横綱の輪島、初代の貴ノ花、元ボクサーの輪島。
「団塊世代、昭和22年~24年生まれ)」の方にとっては、懐かしい名前。この3年間の合計出生数は約806万人!

 どの顔も、「ワシは、キトビロと、ビールは10リットルたのむワ」「ワシは、タランボの芽の天ぷらと、日本酒2升ね」と、言いそう。
 しかし、実際は、彼らは自分のこと(一人称)を「ワシ」とは言わないのかも知れません。

 スポーツ記者が記事にするとき
「ボクは、ヒラメとバーボン2本」
 と、注文したとしても
 「ワシは、ヒラメと・・・」に変えてしまうというのです。

 スポーツ新聞に「清原が、ワシの打席で…と言った」と書かれたことがありました。元野球選手の清原和博さん、「自分のことを、ワシなどと言ったことはない」と、怒っていました。
 元野球選手の清原和博さんは、「ワシ」が似合いますけどね。

 沢木耕太郎は、(一人称で)「ワシ」というと…
「いかにも一匹狼の選手らしい。横綱らしい。その『らしさ』を装う道具が『ワシ』だ」
 と、書いています。沢木さんが書きたかったのは、ここですね。

 江夏が、「ここは、ボクが27球で抑えます」ではおかしい。「ここは、ワシが27球で抑える」
 これでこそ、江夏です。
「ワシ」は、「らしさ」を装う道具だったんだぁ!納得納得。

 となると、私が(家族内会話限定で)一人称を、「ワシ」と言ったのは、何か「らしさ」を装っていたのか?
 本当のところは、沢木さんの「威」をお借りして、時代劇のマネをしていただけなんですけどね。…武士らしさ…。


♪サバダバ サバダバ

2024年12月27日 | Weblog
 屋久島へ行ったことがある人なら、「首折れサバ(くびおれさば)」を御存知のはず。屋久島では、サバのことを、「首折れサバ」と呼びます。
「首が折れたまま泳いでいるサバか」って?あ、あのね、首が折れたまま泳ぐサバがどこにいますかっ!

 漁獲後、血抜き(鮮度を保つため)するために、すぐに首を折ることから、この通称名が付けられたのでしょう。確かに、「旨い!」と、思いました。

 首折れサバの印象が強いものですから、「逆サバ」という言葉を聞いたとき、「逆立ちして泳ぐサバかな?」と…それはなかったですね。
「逆サバ」みなさんご存じ、「過少申告…」。
「サバを読む」は、過大申告。その逆に、過小に申告するから、「逆にサバを読む→逆サバ」。
 例えば、身長185cmの女性が、大きすぎるのが嫌で、少しでも低く申告したくて、「179cmで~す」と、言う。これが、「逆サバ」。こういう言葉が出来て、広辞苑に載ったりもする。 a

「サバを読む」という表現の「サバ」は、もちろん魚の鯖(サバ)のことです。この表現は、昔、鯖は鮮度が落ちやすい魚で、早く数えないといけなかった。その際に数をごまかすことがあったことに由来していると思われます。

 よく考えると、私も、逆サバで成功した経験を持っています。
 高校時代の高体連柔道大会。対戦相手の近くへ行き、怯えた様子を印象づけるのです。
「強いんだぞー」と、印象づけるのは、「サバを読む」でしょう。「弱いんだぞー」は、明らかに逆サバ。私は、ひ弱に見えました。相手が、「これはいけるぞ!1勝いただき」と、思えば大成功。いきなり大技を仕掛けてきます。そこを、後の先(ごのせん)で、(必殺「移り腰」で)畳へ叩きつける!非常に気分がいいです。この作戦でかなり勝たせていただきました。それならペテン師だろうって?自分でも、そう思います。
(注:後の先は、いわゆるカウンター攻撃。相手の攻撃が始まる直前にそれを読み、攻撃を仕掛ける。攻撃の直前には、「スキ」ができるのです)

 社会人になってからの試合でも、何度か、大ものを食いましたよ。誰も知らないと思って、サバを読んでいるんじゃないかって?いえいえ、本当の話。
 常に自分を小さく見せる。人生において、このことが大切なのです。

 大相撲の新弟子検査…頭にシリコンを入れて身長を高くしたとか、水をガブガブ飲んで体重を増やしたとか…サバ読みコンクールの印象が強かったのですが、今はその必要が無くなりました。
「義務教育を修了している中学卒業以上の男子。身長167cm以上、体重67kg以上とする」
 これなら、私でも合格する。横綱を目指します。えっ?年齢制限があるだろうって?
「23歳未満の男子」と、書かれています。逆サバで、「団塊世代の22歳でーす」と申告してみます…!逆サバの使い方が違うかな?だけど、相撲の決まり手に、「サバ折り」ってのがありますが…。
「サバ折り」という相撲の決まり手の「サバ」は、魚のサバ(鯖)に由来しています。この技の名前は、技をかけられた力士の姿が、首を折られたサバのように見えることから。

「サバの女王」の「サバ」も鯖に由来するのかって?
 あ、あのね、「サバの女王」は、旧約聖書に登場する「シバの女王」のこと。日本では、フランス語の発音に合わせて「サバの女王」とも呼ばれているわけで…。「鯖の女王」じゃありませんからっ!

「11P.M.」の「サバダバ サバダバ」というスキャットと「鯖」の関連ですかぁ?きりがないので、質問コーナー終了っ。


雪男はこの冬どうしているかなあ?

2024年12月26日 | Weblog
 また冬がやって来ました。冬→雪→雪男。
 子どもの頃は、「雪男」のニュースが多かったです。日本からも「雪男研究グループ」の学術探検隊がエベレスト山麓に派遣された事があるんですよ。日本では、1959年に東京大学医学部で小川鼎三教授を代表とする「日本雪男研究グループ」が結成されました。毎日新聞社をスポンサーとして、6名の学術探検隊がエベレスト山麓に派遣されました。夢がありましたねえ、あの頃は。

 最近、雪男のニュースをさっぱり耳にしません。
 なぬ?ジェンダーフリーだぞ!雪女はどうなってるんだって?日本の雪女さんは、妖精でしてぇ・・・今は日本におられないかと。山形県小国地方の雪女さんは、首尾よく月へ帰られたかと。
 閑話休題。雪男の目撃談のほとんどが、「雪男は大男」。
 不思議だったのは、雪の中で暮らす雪男は、放熱を抑えるために身体の表面積が小さい方がいいのではないか?なぜ大きくなったのか?ベルクマンの法則を知って納得はしましたけどね。で、出ましたぁ!得意技、ベルクマンの法則!

 これまで、雪男とされたものの大半が、「熊」でした…。
 ヒマラヤではなく、ポーランドで雪男目撃が続いたことがありました。動画がYouTubeに相次いで投稿されました。ぼやけた画像ですが、とても熊には見えませんでした。私の本心は、「フェイク動画」ですけどね。だいたいやね、どれもこれも画像がぼけているのはおかしいと思うんですわ。ともあれ、雪男は謎のままがいいです。

 雪男は、ヒマラヤ山脈(イエティ)、ロッキー山脈(ビッグフット)にかぎらず、降雪地帯に分布(?)しています。共通点は、「山奥に住む」「全身毛むくじゃら」「直立二足歩行」。体色については、白、茶色、灰色など。

 ベルクマンの法則は、
「恒温動物においては、同じ種でも寒冷な地域に生息するものほど体重が大きく、近縁な種間では大型の種ほど寒冷な地域に生息する」
 と、いうもの。熊の例がよく出されます。南から順に、マレーグマ→ツキノワグマ→ヒグマ→ホッキョクグマ…このように並べると、確かに、寒冷な地域に生息するものほど大きくなっている。(「同じ種」という意味から考えると、マレーグマとホッキョクグマが同じ種なのか?これはやっかいな問題。しかし、「近縁な種」となるとぉ…近縁でしょうかねえ?)

 人間の場合同じ種だから、山岳寒冷地に住む雪男は、平地に住む人より巨大になることになる。
 沖縄県の人と、北海道の人では…。北海道の人はアイヌの人を除くと、もともとが本州からの移住なわけですからベルグマンの法則に該当しない。気になるのは、アイヌの人は小柄なんです…。寒冷地に住んでいるのですがね?

 ベトナムの人は明らかに日本人より小柄です。地中海地方の人は、スカンジナビアの人より小柄です。こう書くとベルグマンの法則が分かり易い!

 では、温暖地のアナコンダは巨大なのに、寒冷地のマムシは30cmほどしかない…「同じ種」ではないからベルグマンの法則とは関係ないですね。しかし、近縁ではないのかなあ?これって、「逆ベルグマン」…実際、「逆ベルグマンの法則」なるものもあります。ニシキヘビ、アナコンダ、オオトカゲなどが該当するようです。

「雪男は小柄のほうがいいのではないか」という、私の疑問に、ベルグマンの法則は答えています。
「放熱量は体長の2乗に、熱生産量は体長の3乗に比例する。これは、体長が大きくなるにつれて体重当たりの体表面積は小さくなることを意味する」
 だから、雪男は体長を大きくして放熱を抑えたぁ。


ワインを飲むと蘇る風景

2024年12月25日 | Weblog
 …ワインを飲むと、その香りを糸口にして過去のさまざまな記憶が鮮明に蘇ってくる…
 プルーストが「失われた時を求めて」で、「紅茶に浸したマドレーヌ」から、このような内容のことを書いているのですがね。プルーストはそんなことは言っていないって?
 ハイハイ、冒頭の文は、私が勝手に「紅茶に浸したマドレーヌ」をワインに置き換えました。エヘッ。

 私にだって、ワインを飲むたびに蘇ってくる風景や会話があります。
1 パリのレストラン、店の前に出したテーブルと椅子。客もまばらで、気分良く「ワイン」を注文。ところが、給仕(男)は、「Je ne sais pas ce que tu dis」と。「何を言っているか分からない」ということらしい。給仕は、「ワイン」ぐらい知っていたと思われますが、フランス語を使わない貧相な東洋人の若者(45年前の私なんですがね)に対し、「ここはパリだぜ、フランス語で言えよなぁ」で押し通すつもりらしかった。
 ワインが、「du vin(ゥジュバン)」ぐらい知っていましたが、こっちも意地になって、「ワイン、ワイン、ワインだよ!あ、あれだよ!」と、他の客のテーブル上のワインと思われる物を指さした。給仕は、「しょうがないなあ」という表情。
 で、供されたものは、ワインとは似ても似つかぬものでした。

2 ブリュッセルから列車でパリへ向かうとき、車内で飲もうと、ワインを買い込みました。列車は、何のアナウンスもなく静かに走り出しました。車内放送なるものが無い。
 さて、ワインの栓を抜こうとして気づいた。オープナーを買うのを忘れたぁ…。
 名案が浮かびました。食堂車へ持って行って給仕さんに抜いてもらおう!
 ワインを持って食堂車へ。従業員に大歓迎を受けました。「自分たちへのおごり」と勘違いし、客がいない時間帯だったこともあり、栓を抜いてみんなで飲み始めた。「これは、いいワインだよ」と、口々に褒めてくれた…。「youも飲め」とすすめてくれたときには、瓶の底に少しのワインが残っているだけ。外国旅行で、ワインオープナーは、必携品だね。

3 日本のホテルのレストランで、初めてホストテイスティングをすることになったことがありました。今思えば、どってことなかったのですが、元来の見栄っ張り。気になったのは、ソムリエの目。「田舎者であることがバレたらどうしよう(はじめからバレているのにね)」「ワインについて、知ったかぶりをして本当は何も知らないことがバレたらはずかしい(見抜かれてるって!)」…そんな不安と緊張の中、グラスにワインが注がれました。

「ままよっ!」いかにも慣れているかのように、ホストテイスティング!落ち着いた口調で、
「問題ございません。おいしいです」
 ここまで、見栄を張る必要があるのか?所詮は、「田舎者」ってことですね。

 偉人たちが、ワインを称える言葉を残しています。
 ビクトル・ユーゴー⇒神は水を作ったが、人はワインを作った。
 ココ・シャネル⇒私は二つの時にしかシャンパンを飲まない。恋をしている時と、していない時。あらら、常に飲んでるってこと?シャネルさんおもしろいワ。
 バーナード・ショー⇒グラスに半分ワインが残っているのを見て、「もう半分しか残っていない」と嘆くのが悲観主義者。「まだ半分も残っているじゃないか」と喜ぶのが楽観主義者である。

 これらの言葉や諺は、みな含蓄にあふれていますがぁ、三流ですねぇ。なぜなら、「ワイン」を、「日本酒」「焼酎」「ビール」…に入れ替えが可能。ワインだけを称えていることにはなりません。ワインに係わる、素晴らしい言葉(諺)とは、次のようなものです。

★フランスの箴言:食事と一緒に水を飲むのは、アメリカ人と蛙だけである。
 これ、笑えるでしょう!ワインという言葉を出さずにワインを称えている。

★ハマトン:長期にわたるワインの飲用は、脳の細胞に独特の栄養を与え、その活動を老齢に至るまで衰えさせない。
 ハマトンさんは、19世紀の英国の作家。アンティークマンの脳が衰え知らずなのは、ワインのおかげらしい。なぬ?衰えてるから、もっと飲めって?あ、ありがとうございま~す。
 なお、北海道にはハマトンベツ(浜頓別町 人口3,300人)があります。特産品は、ホタテと毛蟹。

★フランクリン:ワインの中には知恵がある。ビールの中には自由がある。水の中にはバクテリアがいる。
 ベンジャミン・フランクリンも、おもしろいワ。水を飲まずに、ワインかビールにしなさいってことらしい。

★アメリカの格言:アルコールは人類の最大の敵だ。しかし、主イエス・キリストは全ての敵を愛せとおっしゃっている。
 さすがアメリカ!ワインとせずに、「アルコール」としている。日本酒、焼酎、どぶろくのことも考えてくれているんだね。


母の席に座って下さい

2024年12月24日 | Weblog
「心に響く小さな5つの物語(藤尾秀昭著 致知出版社)」の文章…。読まれた方も多いかと思います。真面目人間の権化であるカミサン推奨の文章ですので、以下に掲載しました。アハハ、今日は手抜きだね。これから病院なので。

 先生が5年生の担任になった時、一人服装が不潔で、だらしなく、どうしても好きになれない少年がいた。
 中間記録に先生は、少年の悪いところばかりを記入するようになっていた。

 ある時、少年が1年生だった時の記録が目にとまった。
「朗らかで、友達が好きで、人にも親切。勉強も良くでき、将来が楽しみ」
 と、あった。間違いだ。他の子の記録に違いない。先生はそう思った。

 2年生になると、
「母親が病気で世話をしなければならず、時々遅刻する」
と書かれていた。

 3年生では、
「母親の病気が悪くなり、疲れていて、教室で居眠りする」
 後半の記録には、
「母親が死亡。希望を失い、悲しんでいる」
とあった。

 4年生になると
「父は生きる意欲を失い、アルコール依存症となり、子どもに暴力を振るう」

 先生の胸に激しい痛みが走った。
 ダメと決め付けていた子が、突然悲しみを生き抜いている生身の人間として、自分の前に立ち現れてきたのだ。

 放課後、先生は少年に声をかけた。
「先生は夕方まで教室で仕事をするから、あなたも勉強していかない?分からないところは教えてあげるから」

 少年は初めて笑顔をみせた。それから毎日、少年は教室の自分の机で予習復習を熱心に続けた。授業で、少年が初めて手を上げたとき、先生に大きな喜びが沸き起こった。少年は自信を持ち始めていた。

 クリスマスの午後だった。少年が小さな包みを先生の胸に押しつけてきた。
後であけてみると、香水の瓶だった。亡くなったお母さんが使っていたものに違いない。
先生はその一滴をつけ、夕暮れに少年の家を訪ねた。雑然とした部屋で独り本を読んでいた少年は、気がつくと飛んできて、先生の胸に顔を埋めて叫んだ。
「ああ、お母さんの匂い!今日は素敵なクリスマスだ」

 6年生では少年の担任ではなくなった。卒業の時、先生に少年から一枚のカードが届いた。
「先生は僕のお母さんのようです。そして今まで出会った中で、一番素晴らしい先生でした」

 それから6年経って、またカードが届いた。
「明日は高校の卒業式です。僕は5年生で先生に担当してもらって、とても幸せでした。おかげで奨学金をもらって、医学部に進学することができます」

 10年を経て、またカードが来た。
 そこには先生に出会えたことへの感謝と、父親に叩かれた体験があるから、患者の痛みが分かる医者になれると記され、こう締めくくられていた。

「僕はよく5年生の時の先生を思い出します。あのまま駄目になってしまう僕を救って下さった先生を神様のように感じます。医者になった僕にとって、最高の先生は5年生の時に担任して下さった先生です」

 そして1年。届いたカードは、結婚式の招待状だった。
「母の席に座って下さい」
 と、書き添えられていた。


旭川で娘を買い、札幌で売る…

2024年12月23日 | Weblog
 送別会に出させて頂いたときのことですが…送別される女性介助員の挨拶に驚かされました。どんな挨拶だったか…

「イエズス会出身のローマ法王が誕生しました。私は喜びでいっぱいです…」
 そうだったのか!この介助員さんは、イエズス会だったんだぁ!恥ずかしい話、「イエスズ会」だとばかり思っておりました…!そうゆう話じゃないか!
 退任の挨拶がそれだけだったのかって?格調高く、「ローマ法王」で始まった挨拶でしたが、後半はオカルト…

「去年の4月、この職場の駐車場に車を停めました。帰りにフロントガラスのワイパーに紙が挟まっていました。その紙に、『ここに駐車しないでください』と、書かれてありました。私は、ああ、今年限りで辞めてくれという意味だなと感じました。ですから、辞めます」
 なんなんでしょうか?これも、イエスズじゃなかった、イエズス会の陰謀か?

 イエズス会と聞いてすぐに頭に浮かぶのは、もちろん、新渡戸稲造さん。「武士道」には、大変お世話になりました。私の思想と、ピッタリ一致。恩師って感じです。NHKの大河ドラマ「八重の桜」の人気から、新渡戸さんの「武士道」が、読まれたのだそうでぇ…なぜかって?会津藩校日新館「什の掟」の、「ならぬことはならぬものです」が武士道を謳っているからです。

 武士道の全てがいいですが、特に選べといわれると…第5章の仁(benevolence)、惻隠の情(the feeling of distress)でしょうか。

 愛、寛容、他者への愛情、同情、哀れみは、常に至高の徳である。仁は、優しい母のような徳。孟子は「惻隠の情は仁のルーツである」と。
 か弱き者、敗れたる者、虐げられた者への仁の愛情は、とくにサムライに似つかわしいものと称揚されたわけで…素晴らしい!

 稲造自身、「仁」を実践しておりまして…人助けの逸話が多い。
 札幌から旭川に農業を教えに行った帰りの馬車に、初老の男と若い娘が乗り合わせた。男は旭川で娘を買い、札幌に売りに行くところだった。稲造は男が娘を買った以上の金で娘を買い取った。すぐに旭川へ返すわけにはいかなかった。なぜなら、娘が戻るとその家はまた食うものにも困る暮らしが待っており、再び娘を売らなければならなくなるから。
 稲造は、娘を自宅へ連れ帰り、妻とともに育てた。武士ですよ!そして、中学にも通わせた。仕事が出来るようになった娘を旭川に帰した。

 私だって、人助けの経験は…あるにはある。倒れている高齢の女性を助けたし…しかも二人も!雪山に突っ込んで動けなくなっていた乗用車を助けたこともありました。ドライバーは、高齢の女性でした。どーも、高齢の女性ばかりを助けるなあ?!娘さんを助けたことは…ないなあ。

 北海道在住でしたが、「札幌へ娘を売りに行く途中の男」には遭遇出来ませんでした。ですから、娘を買値以上で買い戻すという人助けは、できていません。なかなか乗り合い馬車をみつけられないもので…。


性別より人物

2024年12月22日 | Weblog
「女性の地位向上」に関わる記事を読みました。
 女性の地位向上というのは、「女は働け、もっと働けということ」「子どもを産めとか、働けとか、どこまで女をいじめれば気が済むんだ…」。

 …吹き出す(笑撃)と共に、衝撃を受けました。
 女性は、「地位向上」という言葉になんら異存がない人が多いのではないかと思っていましたので。
「女性の地位向上は、女いじめだ」ってんですから!そういう方には、「女性の地位を下げよう!」と、言えば喜んでいただけるのですかねえ?

 地位向上は、「もっと働け」。つまり、サボってるってこと?
 一昔前、主婦を揶揄するフレーズ…
「家でごろ寝しながら、テレビを観て、せんべいを食べて時々プー」
 今、そんな主婦、どこにもいないと思いますがね。

 カミサンがプール仲間に誘われて、「昼食会」へ…。正午にファミレス集合で、15時半に帰宅。
「3時間半も粘ったの!」と驚く私に、
「私は、真っ先に帰ってきましたよ」
 と、いうことは、4時間もファミレスで話し込む人がいるってことか!?これは凄い。
「平日のファミレスはオバチャンのたまり場」という記事も読みました。カミサンが3時間半粘ったばかりなので、大いに頷きました。

 結局、「女性の地位向上」ってのは、なんなんでしょうか?女性の国会議員や管理職の数を増やすのが地位向上なのかなあ?…違いますよね。
 そもそも、「女性の地位向上」という言葉自体が、「女は低いもの」という視点から来ている。
 えっ?男尊女卑だったんだから当然だって?
 すでに、「男女同権」でしょ!男だ女だといわずに、暮らしましょうよ。たまたま、国会議員が全員男でも、全員女だったとしてもいいじゃないですか。性別より人物。ジェンダーニュートラル!

「3時間半も何を話していたの?」
「うーん、『ねたみ』『そねみ』のオンパレードで3時間半!」
 ねたみは、「妬み」。そねみは、「嫉み」…ど、どっちも、「女偏」だぁ~っ!

 男が付く漢字は男、娚、甥、舅、嫐、虜、嬲など17字しかない。しかも私が読める字は、甥、舅、捕虜の虜ぐらいしかない。
    女偏の漢字は、およそ650字。

 これは、元禄、平安の「女尊男卑」の時代に、漢字の基盤が作られた(構成された 確立された)からです。
 鎌倉時代の北条政子、室町時代の日野富子など中世の女性は政治的にも強い権力者でしたし。