アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

インカの時代も因果応報…!

2020年10月02日 | Weblog
 ペルーの新型コロナウイルス感染者数が80万人を突破し、死亡率が中南米最悪になっている。死亡した医師も120人を突破している。
 ペルーは、徹底的なPCR検査やロックダウンをいち早く実施したのですがね。どうして、こうなったのか?
 貧困層が多いからですよね。PCRで陽性の人は自主隔離する必要があるのですが、在宅で「自主隔離」できる部屋がなかった…。一人が感染すると家族全員が感染してしまう。(ペルーの貧困層は全体の28%。地域によっては住民の50%近くが貧困者という場合もあるという)

 コロナとは関係ないのですが、「ペルー」と聞くと、印象深いものがいくつかありまして…。宇宙人、十二角石、五色人、サルカニ合戦…
 ペルーのリマにある、「天野博物館」で、サルがカニのおにぎりを持って逃げている様子が描かれている絵皿を見ました。撮影禁止でガイド付きなので、写真を撮ることができませんでしたがね。
 「まさか!それはない。あり得ない」と、思いながらもガイドさんに質問。ガイドの、日本人と思われる長身の女性はこともなげに、「サルカニ合戦です。インカ帝国のお話です」と。
 サルカニ合戦は、日本の昔話で因果応報をテーマにしたものと思い込んでおりましたので、それはそれはびっくりしました。実際、今でも、ウィキペディア(Wikipedia)には、「さるかに合戦(さるかにがっせん)は、日本の民話の一つ」と。
 その「サルカニ合戦の様子を描いた絵皿」が、インカ帝国時代のものを主に収蔵した天野さんの博物館にある。「サルカニ合戦」のルーツは、ガイドの女性が言うようにインカ帝国だったのだろうか?それとも、日本人とインカ人の源流が同じだったのだろうか?
 帰国後すぐさま手を尽くして調べてはみたのですが、インカ帝国とサルカニ合戦を結ぶものは…見つけられませんでした。
 しかし、サルカニ合戦は、「日本だけの昔話ではない」ということは分かりました。日本国内でも地域によってお話の登場人物ぅ…人物は出てきませんね。「登場する生物やら、物やら」に結構違いがある。
  サルカニ合戦、前半は…カニはサルにおにぎりを強奪され、代わりに柿の種をもらった。カニは、「早く芽を出せ柿の種。出さぬとはさみでちょんぎるぞ」と、脅しながら柿を育てた。柿は猛スピードで成長し、見事な実をつけました。ところが、その柿の実もサルに食べられ、さらに固いカキをぶつけられ、死んでしまいます。これって、「白雪姫」と同じ展開。あっさり、死んでしまう(殺してしまう)。
 後半は、死んだカニの子どもたちが活躍。子ガニたちは、「仇討ち」を企てます。「クリ(栗)、ハチ(蜂)、ウス(臼)」が助っ人になります。サルの留守中に、家に忍び込みサルの帰りを待った。そして仇討ち成立。めでたしめでたし。白雪姫も後半めでたしめでたし…。
 地方によって、助っ人が様々です。「針」「キネ(杵)」「牛のくそ」「蛇」「包丁」「荒布」…つまり、基本になる話が伝わって、登場するものはそれぞれの地方に合ったものが使われるようになった…。

 サルカニ合戦に類似した話は、中国、モンゴル、韓国にもあることが解りました。フィリピンでは、カニがカメに代わった、「サルカメ合戦」があります。
 あと、興味深いのは、アイヌの文化にも、サルカニ合戦に類似した話があります。江戸から蝦夷地のアイヌに伝わったのか?それは、考えにくい。和人がアイヌに教えた?それも、あり得ない。となると、偶然、類似した話が作られたぁ?そんなことはぁ…ないない。さて、アイヌに伝わるサルカニ合戦は、どこから伝えられた…?大陸から?南米から?
 ナスカへ来ていた宇宙人が、日本、中国、モンゴル、韓国、フィリピン、アイヌ…へ伝えた。天野さんのところのサルカニ合戦の絵皿も宇宙人が焼成したもの…こう考えると収まるような。
 なぬ?「宇宙のどこかに、サルやらカニやら牛のくそやらが存在する星があるとは思えないけど…それにしても何のために白雪姫を出したんだ」って?
 サルカニ合戦のルーツを探るに当たって、書き始めたときはグリム童話を持ち出そうとしたのです。その伏線で白雪姫を出しました。でも、長くなっちゃうので、ペルーに来ていたと思われる「宇宙人」をもちだして完結させましたわ。アハハ。…カニがいる星ですかぁ?「カニ座」です!