「ゆわさる別室 」の別室

日々BGMな音楽付き見聞録(現在たれぱんだとキイロイトリ暴走中)~sulphurous monkeys~

20160618

2016-06-18 | 矮小布団圧縮袋

〇佐賀で仕事が終わった帰り、夕方あまりにもお腹が空き、どっかでごはんにしようと思い、ふと思いついて久しぶりにCiemaのカフェに寄る。(近くを通っているキイロイトリ)
 何度か来てますが軽食をいただきつつ「名画喫茶」みたいに利用できるのである。ちょうどやってたのが

   
 本日のBGM:「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件(原題:Mr.Holmes)」(2015、英・米)
 音楽:Carter Burwell
 たぶん最後の未解決事件をどう解決するかの映画、っていうよりも、最後の事件につながる人生の記憶とその意味の問題についてどう解決するかっていう映画なんだろうなと思った。
 ホームズがもし老人だったらと仮託して、「1947年の93歳の事件」のミステリーがどのように解かれるのか、という話は、中高年になってきてる自分などにとっては、別の意味で極めて今日的な(高齢化社会や独居老人の)切実なサスペンスも伴う問題として見えてくる。ホームズ冒険活劇ものを期待して行った客は、「おみおくりの作法」でも描かれていたおひとりさま的な問題にぶちあたってショックを受けるかもしれない。
 BBC filmsと出てくる段階で映像の美しさ、室内楽的にクラシカルな音楽の美しさについては、まずその通り。「日本」が中国みたいに見えるのは英米映画であいかわらずというか「イギリス人の記憶の中」の表現だからしかたがないのか(元々原作のホームズの東洋観もたいがいだったし)真田さんも出てたけどね。
 個人的に言うと、老人ホームズのサー・イアン・マッケランを、“美声”医師ロジャー・アラム(「新米刑事モース」のサーズデイ警部さっ)が診察してるじゃないですかっ!その渋いシーンの絵面だけで、心の中で(きゃー♪)と黄色い声を挙げてどきどきしている自分(爆)。映画館の「ホームズ映画」の中のマダム役がフランシス・バーバーさん(モースとかポアロのドラマにも出てる、かつ小原乃梨子さんがよく吹き替えをする、声も感じが似てる人)だったのもわろた。とか、家政婦親子もそうだが英国ドラマおなじみの出演陣も出てくるし。
 ハチャメチャな「100歳の華麗なる冒険」よりずっと、この「後悔してる」ホームズは随分ヒューマニスティックなところにいたもんだ。じわじわくる。賢いおじいちゃんと聡明な少年、っていいよね。

   
 と、なんとなくそんな風に名画座で芸術文化的な〆となった6月18日。もしかするとこの「別室」も、2002年のblog前のサイトから通算15年目くらいに突入するのかもしれない。と気づく。
 当初から随分趣を変えて、全く思いつくまま行き着くまま勝手自在な趣味の日記になりつつありますが、なにとぞご寛恕を乞いたく存じます。(20160618) 
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