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文学や史跡で登場するマチを旅しながら、折々、紹介することを心がけています。

波紋 STAP細胞

2014年03月15日 03時36分56秒 | 時代
  「喝采から断罪」.そうした見出しで、「博士(30)」とされる女性に再度、衆目があつまっている.

 ノーベル賞受賞学者が、「徹底的に教育し直す」とも、会見で述べた.
 人文科学の世界では、想定しがたいほどのなかなか困難な業績が、うら若き年代の人によって達成された.
 いっときは「おみごと」の、称賛が押し寄せた.
 いま、その成果にいくつもの疑問が寄せられている.他者の業績を「複製して、貼り付けた」とする、「コピー&ペースト部分がある」とする論もみうける.

 組織内の、とりわけ周囲の研究者は、これまでどのような関わりをもってきたのであろうか.
 「他人の話に耳をかさない」.そうした、思いはなかったのであろうか.特に直近の上司のなかに.

 老研究者は嘆く.これは社会科学の領域での談話として、聞いたことがある、が.
 「最近の学部卒業生の卒業論文を読んでいると、研究史をまったく視野にいれていないんだねー」.
 「指導する教員が、研究史を等閑視しているからね」.
 「新発見、新事実と騒ぎ立てるが、他人が聞いたら『すでにわかって居ること』を『本人たちが知って居ない』ということが、たくさんあるんだよ」.

 自己否定の経験がない.挫折をしらない.議論をしない.自説に固執、ゆずらない.

 芥川賞作家であったか、直木賞作家であったかが、対談した.「昔は『論壇』とうほど、作品をめぐる論争が制作過程であった」、「このごろは議論をしないで、すぐに市場に出てしまう」.

 このたびのケース.そもそも学位論文に瑕疵があるらしい.そうなると、学位も剥奪されるのでは?.そうすると、虚偽の業績で採用したことに誤り、がとはならないか.

 「聞くはいっときの恥、聞かぬは一生の恥」.現実味を帯びてくるような、気がする.
コメント (1)
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