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文学や史跡で登場するマチを旅しながら、折々、紹介することを心がけています。

宮崎義一著『複合不況―ポスト・バブルの処方箋を求めてー』

2014年03月23日 09時15分01秒 | 書評
1987年.
 この前後に金融自由化、不動産投資、株価高騰、ドル買い円売りがすすむ.
 経済循環のなかで、「バブル」がいわれる時期である.

 日米複合不況
 米国発、日本波及.経済知識が乏しいと、なかなか難解.金融の取引用語に理解がないと、文章の推移になかなか吐いてはゆけない.
 が、レーガノミクスや中曽根首相が「ロン・ヤス」と意気投合していた背景と、それがなにをもたらしたかは、よくわかる.

 為替差損.
 金融政策とマネーサプライが問題となる.「円売りドル買い」の日銀政策が、「ドル買い円売り」に転じたーと、する.
 国語的には似たような用字ながら、語順のちがいが円高移行を抑止しようとする国際金融のなかでの、円の<立ち位置>を背後に示しているらしいので、事は難解.

 著名な学者による、よく読まれた著作.
 誰が読み、誰が急いで読んだ.手にした著作は第2刷目.
 実態経済の場に身を置く者には、必見であったはず.

 国際経済のウネリのなかで、人為的操作の限界と危うさを読み取りつつ、アメリカとの関係のありようを考えさせてくれた.
 しかし、それは著書の真意にちかづくもので、あるのか.また、遠のくのか.読者の一員としては判断しがたかった、が. (中公新書 1992年)
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