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文学や史跡で登場するマチを旅しながら、折々、紹介することを心がけています。

書き方・まとめ方・味わい方の妙技を示す 藤田敬治著『「自分史」を書く喜び』

2015年05月04日 02時15分22秒 | 書評
書き方・まとめ方・味わい方の妙技を示す 藤田敬治著『「自分史」を書く喜び―書き方・まとめ方・味わい方-』 .
 暫く前に購入していたが、いわゆる<積ん読>状態にあった.連休後半.やおら取り出して.



 女性雑誌の編集長をながく務めたお方が、机上に積み重なってくる<体験手記>を読みながら、<自分史概念>がまとまってきた経過を、示す.

 「脳の活性化」、「記憶の記録」、「あいまいさの確認」.
 <自分史>効果の<有意意味性>を丁寧に説明し、豊富な<自分史講座>を主宰した経験を糧に、その描き方を提示する.

 自分史のポイント.それは身近に遭遇した事件と時代に対する<気持ち><受容>の提示の側面があるのだと、おもう.
 他方で図書館関係者なら<採話>、民俗学領域では<聞き取り?の営為があるも、そこで提示されている「記憶を記録することは歴史遺産>の側面は、ここでは触れられる点がなかった.

 本書はサブタイトルに示す「書き方・まとめ方・味わい方」の妙技を示す、か.
<自分史>は、書く人の<自己記録>つくり.<採話><聞き取り>は、<当事者に対する他者の記録つくり>.その差異が、<寸毫の差異>としてあるかも.(出窓社 2006年).
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