アマゾンわんわん日記 2018

復活しました!
のんびりやっていきます。
また よろしくお願いします。

今日の一冊「約束の大地」

2019年10月18日 | 読書

久々の読書ネタ。

以前から書こうと思っていて、なかなか書けなかったこの一冊。

 「約束の大地」角田房子 著 1977年

かなり前に出版された本ですが、内容は登場人物の名前こそ変えてありますが、主人公以外はほとんど実在の人物が生々と描かれています。

 

主人公の青年は日本で様々な挫折を経験し、故郷を追われるようにアマゾンに移民としてやってきます。

アマゾンに腰を落ち着けてからは 持ち前の研究心もあり、コツコツと「ジュート栽培」の研究に打ち込み 成果を上げます。

しかし 私生活では恵まれず、日本から伴った子供たち3人は 長男長女がそれぞれ出奔、次男は世話をする人があって勉学を続けるが、苦労してブラジルで子供たちを育ててきた両親を顧みようとしなくなってしまう。

大方のアマゾン移民の人たちがそうであったように、日本から遠く離れた土地で人間関係に悩み、子育てに悩み、慣れない農作業に悩み、様々な工夫と努力を重ねつつも 淡々と生きていった人たちの姿が等身大の姿で描かれています。

恐らく現在の日本人の人たちがこれを読んでも決して「等身大」とは思えないかもしれませんが、色々な方の話を聞くと、実際にはこの小説よりも もっともっと厳しい生活がそこにはあったのです。

     *     *     *     *     *

今年はアマゾン移民90周年ということで アマゾン各地で祝賀の式典が催されました。

アマゾンへの入植はパラ州トメアス入植地が最初でしたが、はじめは移民の人たちはマラリアなどの風土病に加え栽培するべき作物にも恵まれず、ずいぶん苦しい思いをしたと聞きます。

アマゾン移民が注目されるのは やはりアマゾン川流域の「ジュート栽培」とトメアス入植地の「胡椒栽培」でしょう。

特に偶然から「新種」を発見して 飛躍的に発展した「ジュート栽培」は現在のアマゾンにおける日系人社会の基礎を作ったといっても良いのではないかと思います。

     *     *     *     *     *

主人公の青年は、機会があって訪れたパリンチンスで かつてのアマゾニア産業研究所の朽ち果てた街並みの中で、昔 そこにたくさんの倉庫が並び 搬入されたジュートが山のように積み重ねられている光景を思い浮かべます。

そこに確かにあったはずのものが 朽ち果てていく姿を、自分の姿と重ねます。

彼は 病死した妻を 名前を刻まぬ小さな墓石の下に葬り、やがては自分もそこに葬られ アマゾンの土となっていくことを淡々と語ります。

彼のように淡々と生きて、そして静かにアマゾンの土となって行った人たちが たくさんいるのでしょう。

そんな「ごく普通に生きた移民の一人」である主人公が、表舞台で活躍した人たちを支えていったという物語の作りが、かなり昔の小説でありながら 何度読んでも飽きないものにしているのだと思います。

 

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今日の絵本「Asas de um Sonho 夢の翼」

2019年04月25日 | 読書

先日 会社の文化研修でいただいたという絵本を 娘からもらいました。

すごく素敵な絵本だと言うこと。

まずは表紙の空の色に目を惹かれました。

朝日の差し込む青の色が明るいのに深みがあって、なんともいえない色です。

本の中は 一言も言葉が書かれていない、前ページ イラストだけ。

でも、その絵がどんな言葉よりも雄弁に語っているんです。

物語の主人公は 一人の少年。

少年は、学校の社会科見学で 小型の飛行場を訪れます。

その夜、少年は夢の中で「飛行機の父」と呼ばれる「サントス・ドゥモン」に会います。

少年はドゥモンの飛行船でパリへ。

パリはドゥモンが 家庭の事情でブラジルを去った後に 暮らした土地。

その後二人はドゥモンが完成させたエンテ型の動力機「14-bis」号で夜の空を遊びます。

そして夜明け。

ドゥモンは14-bisで帰っていきました。

夢から覚めた少年は、「自分でも何かを作ってみよう!」と思いつきます。

倉庫からいろいろ引っ張り出し、あっちをひっつけ こっちをひっつけ…

できた!

少年の夢の飛行機が空に飛び立つ日はいつでしょう。

 

絵本の作者André Ceolin氏は 今ブラジルで一番話題のイラストレーター。

FBはこちら。

様々な絵本を出版していますが、細かい筆致で丁寧に描かれたイラストは、どんな言葉を連ねた絵本より 美しい言葉を紡ぎだしているように思えます。

 

実際のサントス・ドゥモンは 第一次世界大戦の時に戦争に飛行機が使われたことに失望し、フランスからブラジルに戻ったのち 自殺してしまいます。

しかし、最後に少年が自分で作った飛行機に乗って(実際には空を飛べないものだとしても)、広い空を仰いでいる姿は ドゥモンの志が少年に受け継がれている、そんな姿なのだと思います。

一言も言葉が書かれていないにもかかわらず、それだからこそ 読む人の心の言葉を引き出す絵本なのではないかと思います。

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今日の一冊「アルジャーノンに花束を」

2019年04月14日 | 読書

久しぶりの読書ネタ。

 

先日サンパウロに行ったときに 娘の本棚にこの本を発見!

「Flores para ALGERNON」

あら?あなた、こんな本読んでたの?

日本語訳はこの本。

「アルジャーノンに花束を」

         ダニエル・キイス著   小尾芙佐訳

ペケママは小学6年生の時に初めて読んだのよね。

でも、全く面白くなかった。

理解ができなかった。

その後、大学生の時にもう一度読んだ。

読んだ後、何とも切ない気持ちになって 涙が出てきました。

少しは私も大人になっていたからかしら?

マナウスに帰ってから娘に電話しました。

「あんた アルジャーノン読んだんだ。ポルトガル語訳が出てるなんて知らなかったよ。

 どうだった?」

「初めて読んだのは お母さんの持っている日本語の本だよ。11歳ぐらいの時だったよ。」

「へー。理解ができた?」

「うん、初めて読んで泣いたの覚えてるよ。」

ほー、すごいね。

むむっ 母より 理解力が優れているか?

 

私や娘が涙した、その話とは…

知恵遅れの青年が 知能を高めるための 脳の手術を受けました。

その後、賢くなった青年はそれまで自分を取り巻いていた 理不尽な状況を理解するようになり、感情と知能のバランスがうまくとれなくなります。

以前に感じたことのなかった孤独感に悩まされるようになった青年。

そんなある日、青年は自分と同じ手術を施されたネズミにおかしな様子があることに気が付きます。

調べていくうちに、手術によって高められた知能はやがてピークを迎え、そしてその後は以前より能力が落ちていくということを知ります。

すべてを理解した青年は、知能の衰えを感じ始めると、自ら身辺を整理し 障碍者収容施設へと向かうのです。

まだ 文章を書く能力が残っているうちに 青年は最後の手紙を書きます。

その最後に「ついしん」として こう記します。

どうかついでがあったら、うらにわのアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやってくださ

 い」

 

脳の手術により急激な知能の発達に対して、感情の成熟が追い付いていかずに周囲と摩擦を起こしていた青年が、最後に急激に退行していく知能を振り絞るようにして 死んでしまったネズミを想う気持ちが何とも切なくなります。

多分、近い将来自分の身にも起こるだろうということを 予測しているようです。

初版訳が1959年発行と 今となってはずいぶん前に書かれているにもかかわらず、今読んでも全く時代を感じさせないのが不思議です。

かえって、今だったら本当に青年が受けたような手術が実際にできそうで、切実感がある分 怖いような気がします。

クローン技術の発達、遺伝子操作、人間は何でもできる、と考えがちな昨今、もう一度多くの人に読んでもらいたい物語かもしれません。

 

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「閉鎖病棟」帚木蓬生

2019年01月17日 | 読書
久しぶりの読書ネタ。
最近は 本当に落ち着いて読書をするような時間が取れません。
毎日、すこーしずつ 1ページ1ページページを繰っていくのがやっと。
正直なところ、時間がないことよりも、目の状態が少しずつ悪くなってきているのか、少しの時間集中して活字を読んでいると、すぐに眠くなってきちゃうの。
活字を追うことに 全エネルギーを使っちゃうのかしらね。
話はそれるけど、PC画面を見ていても同じこと。
仕事なんかで少し長い時間見続けてると、いつの間にかこっくりしちゃう。

まあ、そんな感じの読書しかできない今日この頃、それでも毎日少しずつ読んで 読後がほのぼのする本に久しぶりに出会いました。

帚木蓬生 作「閉鎖病棟」



映画にもなっていたんですってね。
私はそういうことには疎いので、全く知らなかったわ。

作者の帚木蓬生(本名 森山 成彬)は、テレビ局勤務の後、医学部を経て精神科医になったという経歴を持つ方。
様々な文学賞を受賞。
この作品でも山本周五郎賞を受賞しています。

小説の舞台は 九州のある精神病院。
様々な理由でこの病院に入った人たちが、おたがいを気遣い、助け合いながら 淡々と生きていくという物語です。
病院に入るまでは確かに大変な事件を起こしたり、大変な困難に遭遇して自分を見失ったりしてきた人たちですが、この病院に入り落ち着いた生活を送るうちに、自分なりの生き方を見つけ出していきます。
そうした生活を送る中で、自分のことだけでなく 人を思いやり、自分と人とのかかわりについて考えていくようになっていきます。
終盤には悲しい別れや大変な事件も起こります。
しかし、登場人物たちは、それらのこともすべて自分たちの未来につながるハードルととらえ、前向きに生きていこうとします。

また、彼らを取り巻く「病人以外の人たち」も、そうした病気を持つ人とどのようにかかわっていったらいいのか、戸惑いながらも特別ひどい偏見を持つのでなく接していく姿で描かれています。
普通なら、ひどい偏見を持津ような様子が描かれるのではないかと思うのですが、そうではなく あくまで人々の「戸惑い」に焦点を当て、病気の人たちとそれを取り巻く人々の心の揺れや葛藤がごく普通の言葉でつづられています。

小説を形作る言葉の一つ一つ、文脈の一節一説が暖かく、読んでいるとほのぼのとした気持ちになってきます。
小説の形は一応サスペンスに分類されるそうですが、読み終わった後に上質の絵本を読んだような気持になる、そんな小説でした。
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読了!!

2016年03月08日 | 読書
やっと、やっと読み終わりました。

「海賊と呼ばれた男」
百田尚樹 作



高校時代の友人お勧めの下巻、日昇丸の項は一気に読んでしまいました。
詳しいことは、これから読まれる方もあることと思いますので、秘密!!

久々に読み応えのあるお話!!

でも、でも、読後に違和感あり。
だって、みんな みんな「良い人」なんですもの。
基本的に、主人公側に立っている人に、悪い人全くなし。
みんな勤勉、勇敢、実直。

いや~、これだけの事やってる企業なんだからさ、ほら、なにかあるでしょ!

って突っ込みたくなるほど。

読み終わって巻末の「参考文献」を見て納得。
参考文献、ほとんどが、主人公の起業した会社から出版されたものばかりじゃない。
これじゃあ、悪く書いてあるはずないわね。

初読みの時はドキドキ、わくわくしながら読んじゃったけど、読み返してみたら「何じゃこの礼賛小説は??」という読後感を持ったのよ。
あながち、間違いでもなかったわね。

もう少し、時代との関わりを客観的に描写されていたら良かったのかな?
まあ、勝手な一読者の意見ですが…

すでにラジオドラマ化されていて、今後は映画も作られる(もう作られた?)とか??
確かに、映像化されたらかなりの迫力になるでしょうね。

というわけで、読んでみて損はない小説だと思いました。
本に対する感想は、百人百様ですから。

最近、ドキドキ わくわくが足りない方に、どうぞ!!



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今日の絵本「彼の手は語り継ぐ」

2016年01月18日 | 読書
アメリカ南北戦争の頃のお話です。



パトリシア・ポラッコ 作
千葉茂樹       訳

おじいちゃんが孫に語り、それがまたその子に語り、そうして語り継がれてきた実話だそうです。

アメリカ 南北戦争のさなか、二人の少年たちが戦争に行きました。

文字の読めない白人の少年 シェルダン。
文字の読める黒人の少年  ピンクス。

シェルダンは部隊から逃げ出す途中、味方に撃たれて負傷し、草原に倒れています。
そこに通りかかった、原隊からはぐれたピンクス。

ピンクスはシェルダンを助け、自分の母親の家まで連れていきます。



シェルダンはピンクスと母親モー・モー・ベイの看病で健康を取り戻していきます。



シェルダンはリンカーンと握手をしたことがあると、誇らしげにピンクスに語りました。
ピンクスとモー・モー・ベイはシェルダンの手を取り、にっこり笑って「リンカーンの手を握っていることぐらい、すごいことだね」と言いました。

そんな中、敵がやってきて、二人を地下室に隠したモー・モー・ベイは撃たれて死んでしまいます。



二人は家を出て、原隊に戻ろうと歩いているところを敵に捕らえられてしまいます。

引き離される直前、ピンクスは「シェルダン、リンカーンと握手をしたその手で、もう一度だけおれの手を握ってくれ!」と叫びます。



二人は引き離され、シェルダンは収容所に収容され、そのまま戦争の終結を迎え、解放されます。
しかし、ピンクスは二人が引き離されて間もなく、縛り首になって死んでしまいました。

シェルダンはやがて故郷に帰り、結婚し、子供が生まれます。
その子にピンクスの話をし、そして子供の手を取り「この手はねエイブラハム・リンカーンと握手したことのある手なんだよ。」と言いました。
彼の子供はまたその子供に。

そうして語り継いできた話を作者は一冊の絵本にまとめたのでした。

本の最後はこう締めくくられています。

「この本はピンクス・エイリーの記憶をとどめるために書かれました。(中略)
 本を閉じる前に、どうか「ピンクス・エイリー」と声に出して言ってみてください。そして、この名前を決して忘れないと誓ってほしいのです。」



    *     *     *     *     *

この本を読んで思い出したのが阿刀田高さんの「サンジェルマン伯爵考」。
不老不死と言われるサンジェルマン伯爵に会う話。

物語の中で、サンジェルマン伯爵という男性は「人は生まれて死んで、肉体は次々に新たなものになるが、その精神は子から孫へと受け継がれる。精神を受け継ぐものがある限り、人は「不老不死」である」と。

本を探したのですが、見つからなかった。
細かい部分は違っているかもしれないけど、大筋はこんな話。

    *     *     *     *     *

パトリシア・ポラッコさんが絵本にしたことでピンクス・エイリーは永遠に生きることになった。
シェルダンとピンクスの友情は永遠のものになった。

南北戦争終了時に解放された黒人奴隷。
人種差別が永遠になくなるのは?
戦争やテロに代表される暴力がなくなるのは?

人は精神が受け継がれて、永遠に生きることができるけど、その人が作り出す社会の仕組みが永遠の平和という言葉でつながれるのは難しいです。
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やっと読めた!!「のぼうの城」

2016年01月05日 | 読書
お休みになったら読もうと思っていた本。
短いお休みだし、年末年始で忙しいだろうし…

テーブルの上に控えめに3冊ほど並べてみました。

「海賊と呼ばれた男 上下」「のぼうの城」。

今更??
って思ってる人も多い??
ちょっと書いてる私も恥ずかしいけど…

とりあえず、時間的に昔からの候補「のぼうの城」から手に取りました。



たしかあなたは、夏の休暇前から「読みたい本リスト」に並んでいた本。
ずいぶんお待たせしました。
成田長親さまもお年を召しました??

毎日、2,3ページずつ、夢中にならない程度にセーブして読まないと。
夢中になってしまうと、他のことができなくなっちゃうのよ。
一度は「これから出かけるよ~」っていうときに、ちょっと時間があったのでうっかり手に取ったらあっという間に時間が過ぎて、夫と娘が車の中でいらいらしながら待っていたことがあったわ。

こういう時代物は読みなれないので、人の名前を記憶しておくのも結構苦労しました。
年取ったわね~、私も。

あれ?これって三成側??長親側??
そのたびに、前に戻って確かめたり、う~んと考え込んだり。

読み終えた時には、達成感とともに、「終わっちゃった~」とさみしさも…
登場人物がみんな個性が強くて、びっくり。
本当かい??的なことも多かったけど、史実に基づいているとはいえ、それは、まあ、あなた、小説ですからね。

さあ、木曜日からまたお仕事が始まります。
って、毎日少しずつお片付けに行っているのですが…
机の上の紙の山はさらにうず高くなっていくのみ…
がっかり。
本格的に始動するのは木曜日から。
それまでに何とか??…ならないだろうなあ…

日本の友人もお勧めの「海賊と呼ばれた男」を手に取ることができるのは、春のお休みかしら??
カーナバルお休みは短いしな~。

いやいや、時間は作り出すもの!!
活字に触れて、頭、働かせます!!
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今日の一冊 「プラムクリークの土手で」

2015年11月30日 | 読書
クリスマスツリーを飾っていたら、何となく思い出したこの一冊。



「プラムクリークの土手で」

ローラ・インガルス・ワイルダー 作
ガース・ウイリアムズ 絵
恩地 三保子 訳


「大きな森の小さな家」の3冊目。

ローラとお姉さんのメアリー、お父さんとお母さんのインガルス一家は、アメリカの「大きな森」に住んでいました。
お父さんは広い土地での農業を夢見て、一家で開拓地へ移り住みます。
しかし、「インディアン保護法」により、じきにその地を去らなくてはならなくなりました。

一家は開拓地を出て、生まれ故郷の州の隣の州に移り住みます。
ここでは、初め「プラムクリーク」という川の土手の中の家に居を構えますが、そのうちに土地を手に入れ、家を作り移り住みます。
農業も順調に行きかけた時、異常気象にあったり、イナゴの大群に作物をすべて食べつくされたりと言った災害に襲われ、とうとうお父さんは出稼ぎに出なくてはならなくなりました。

ずっと家族で頑張って働いてきたインガルス一家。
お父さんのいない初めての冬を、ローラはお母さんを助けて働きます。

クリスマスの直前にようやくお父さんが帰ってきました。

クリスマスの夜、子供たちを連れて、お父さんとお母さんは町の教会に出かけていきます。
そこで、ローラは不思議な「木」を目にしました。

    *     *     *     *     *



夏に葉をつけるあたりに、うすいグリーンの紙が、たばねたり、細くリボンのように垂れさがったりしています。そしてその間には、ピンクの蚊よけ網で作った小さな袋が、びっしりぶらさがっていました。

        中   略

木の下には、いろいろなものが立てかけてありました。まあたらしいぴかぴかの洗濯板、木のたらい、バターつくりに使う撹乳器…

        後   略

    *     *     *     *     *

ローラが見たのは、教会の会員の人たちが作ったツリーでした。
この後、ローラはたくさんのプレゼントをもらい、夢のような夜を過ごすのです。

    *     *     *     *     *

ローラたちインガルス一家は、この後、様々な困難な目にあいます。
それでも、この夜のツリーの様子は、ずっとローラの心の中の希望の光となって輝き続けたのだろうなと思います。

私の心中に残るクリスマスツリーの一つ。
想いのこもったクリスマスツリーです。

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今日の絵本「正しいひまわりの育て方」

2015年09月24日 | 読書
科学絵本ではありませんよ。
れっきとした「読み物 絵本」。



津田直美 作・絵

物語は、極めて恣意的とでも言いましょうか…

あるところに美しい「島」がありました。
本当に美しい島で、ここにはお日様が住んでいるぐらいでした。

ある時、島に一羽の「黒い鳥」が飛んできて「種」を落としました。

「種」からは「大きなキノコ」が生えました。
やがて、キノコが枯れた後、あとには大きな「穴」が開きました。

「お日様」はたいそう悲しんで
「もう2度と 種 を 落としてはいけないよ」

といいましたが、黒い鳥は再び飛んできて また「種」を落としました。
種からは再び「キノコ」が生え、そのあとには再び大きな「穴」が開きました。

お日様はたいそう悲しみ、永い眠りについてしまいました。



    *     *     *     *     *

まだ、肝心の「ひまわり」は現れず。
でも、誰でもわかるよね。

「種」は原子爆弾。
「キノコ」は「原爆のきのこ雲」。

現実の「美しい島 日本」は、その後、すぐに目覚め、「暗い時代」に光が差してきたのですが、絵本の中の「美しい島」は、すっかり暗く、寒い島になってしまいました。

    *     *     *     *     *

お日様は「永い眠り」に着く前に、動物たちに一粒の「ヒマワリの種」を残していかれました。
そして、こうおっしゃいました。

「これは、普通に育てたら、普通のひまわりが咲くでしょう。
 でも、「正しく育てる」ことができたら、
 きっと私ぐらい 大きく暖かな花になるでしょう。」

動物たちは、「ひまわりの種」を土に埋め、一生懸命に世話をしました。
でも、咲いたのは、「普通のひまわりの花」でした。
どんなに世話をしても、それ以上大きくなりませんでした。

動物たちは、一人 また一人と肩を落として帰っていきました。

最後に「おんどり」が一人残りました。



おんどりは生まれたばかりの、自分のひよこのことを考えました。

「ひよこ にも、お日様を見せてあげたい」と。

すると、「ひまわり」はぐぐぐっと大きくなりました。

おんどりは、リウマチに苦しむ母親のことを考えました。

すると、「ひまわり」はさらに ぐぐぐっと 大きくなりました。



おんどりは驚きましたが、なんだか「正しいひまわりの育て方」が分かってきたような気がしました。

そこで、いろいろな人の、いろいろなことを考えました。
そのたびに「ひまわり」はどんどん大きくなり、やがて自分の重みに耐えかねたように花が下を向き、輝き始めました。



「ひまわり」は新しいお日様となり、おんどりは誇らしげに声高く鳴きました。

    *     *     *     *     *

この絵本は、お友達からのプレゼントとしていただいたものです。

日本で大学を卒業してから、仕事をしていた4年間、あるカウンセリング協会の主催する講座に通っていました。
週2回、夕方の6時から夜の9時まで開催される講座。
コーディネイトしていたのは、ある医科大学の心理学の先生で、かなり専門的なカウンセリング実習などもある講座でした。
受講していたのは、医療の仕事に携わっている人、教育関係の人、家庭の主婦、会社の人事関係の方など、実にさまざま。
仕事が終わった後通うのはなかなか大変でしたが、私にとっては それだけの価値がある講座でした。

この絵本を下さったのは、よく同じグループで実習をしていた私より少し年上の看護師の仕事をしていた女性。
ブラジルに来る直前の講座のある日、授業の前にグループの人たちが簡単な送別のお茶会を開いてくださって、そこでいただきました。
ほかの方たちからもいろいろいただいたのですが、なぜか今でもはっきりと覚えているのは、この絵本をいただいたその場面。

この絵本がいつでも、私に「彼女のことを思っていて」と語りかけているのかもしれません。

4年間、いえ、正味3年半ほどでしたが、職場を離れて様々な人たちと学び合い、話し合い、時には考えを戦わせた貴重な時間でした。
この絵本を見るたびに、あの講座で学んだ日のことを思い出します。







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TVぺけぺけ 今日の料理「ホタテどうする?」

2015年09月10日 | 読書
ちゃっ ちゃら ちゃらちゃら ちゃっ ちゃっ ちゃ~(今日の料理のテーマで!)



夫のお友達から、「ベレンのお土産」と言って、でっかいイカと…



きれいなホタテ…



そして、山ほどのエビをいただきました。

もちろんみんな冷凍ですけどね。

エビやイカはいいんですよ。
普段から食べていますからね。
フライにしてもおいしいし、焼いても良いし。

問題は「ホタテ」!!

大きいし、新鮮でぷりぷりしているから、あまり手を入れたくないし…
さすがに刺身で食べる気にはならないけどね…

初日は軽く焼いて、わさび醤油でいただきました。
さて、2回目も同じではね~。

ということで、お料理界の生き字引、えみにゃ姉さんにSOS!!

「えみにゃ姉さん、ホタテのあっさりおいしい食べ方を教えて~!!」

さすが、料理のことなら鼻が利く!!
すぐにお返事を下さいました。

で、いくつか調理方法を教えていただいた、その中で一番夫の好きそうな「リモンのあっさり焼き」。
本当はケーパーも利かせるとよいとのことでしたが、あいにく切らしていましたので、オリーブオイルで焼いて、味付けはリモン、塩コショウ、酒。
もちろんフレンチシェフからは「白ワインかけて、出た汁を煮詰めてソースを作るとおいしいで~」とサジェスチョンをいただいたのですが、これもまた、ペケママ家白ワインを常備してないもので、料理酒で代用しました。
それでも、おいしかったですよ!!

えみにゃ姉さん、ありがとう。
今度、マグロと交換しましょ!!

というわけで、この日のお夕飯。



焼きすぎないように注意して。
わさび醤油より、おいしかった!!



ごまみそだれ、みそ味が強くなりすぎて失敗。
大根おろしを添えたんだから、あっさりポン酢にすればよかった。



味付けは、塩コショウ、オリーブオイル、リモン、マヨネー少々。



箸休めに。

すご~く暑い日だったので、ホタテ以外は夫が帰ってくるまでに作り置きして、冷蔵庫で冷やしておきました。
なので、後片付けも簡単だった!!

ごちそうさまでした1
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