さて、11時になり「そろそろお昼の予約が...」と友人がみんなに声をかけました。
そう、この日のために素敵なお店を予約しておいてくれたのです。
友人の話によると以前は市内にあったおにぎりのお店が、郊外におしゃれなお店をオープンさせたのだそうです。
友人の車はリンゴ畑の中を抜けて、山に向かって走ります。
道路沿いには、真赤な実がたわわに成ったリンゴ畑が続きます。
ついつい、ひとつもいで、がぶりといきたくなっちゃうぐらい。
柿の実も枝になり放題。
この辺り、熊が出ないのかしらね~と友人たちと話します。
ペケママたちが学生だった頃には、実習で大学周辺の山に入る時でも、クマよけの鈴と熊撃退スプレーは必需品だったものなのに。
まあ、すでに40年経っていますからね。
そんなこんなしているうちにお店に到着。
山のすそ野に建つ、お茶屋さんという風情のおしゃれなお店です。
11時半だというのにすでに満席で、待っているお客さんが何人かいらっしゃいました。
私たちは友人が予約しておいてくれたおかげで、そのままお部屋に通されました。
4人にしては広すぎるぐらいのお部屋。
待っているお客様に申し訳ないね...なんて思いつつ、お部屋を堪能。
懐かしい箪笥、いろいろ置き物
昔あった 父親の実家の部屋の一角を思い出したわ~
掛け軸 最後の「柚子」の文字だけ判明
そう、このお店の名前は「柚子」。
こちら側は山の木々がそのまま生かされて
壺庭の方は、小鳥が飛んできて鳴いていました
どちらのお庭も、木の葉がハラハラと舞う風情が、見事でした。
このお庭やお部屋を見られただけでも、このお店に来たかいがあったかも。
予約をしなくては入れない場所なので、友人の配慮に大感謝です。
さて、肝心のお料理は...
卯の花、ずんだ、玉こんにゃく、卵焼き
卯の花は味が柔らかくて、様々な野菜も入っていて感心しました。
自分で炊くと、ぱさぱさになってしまうんですよね。
友人は「一回炊くと大量になってしまうので、最近はもう作っていない。」と。
子育てが終わって、子供たちがもう家を出てしまった、独り立ちしてしまった家庭ばかりで、この言葉は本当にしみじみ感じ「炒り」ました。
「ずんだ」は青豆をつぶして甘く味付けした東北の料理。
もっと甘くしてお餅にからめたりもするのよね。
ペケママは甘酢味にして、里芋にからめたりしたなあ...
卵焼きは、何層にも丁寧に焼き重ねられていました。
玉蒟蒻は歯ごたえも味の染み方も絶品。
野菜の煮物 田楽
野菜の煮物は、どれも味が染みていて美味しかったのですが、特に大根は蕩けるようでした。
田楽は味噌が「柚子味噌」で、やさしい甘さ。
どれもおいしかったのですが、特に真ん中の串刺しのが「里芋」で、野菜の味と味噌の味が程よいバランスで、里芋の歯触り感も良くて絶品でした。
焼きおにぎりとおみそ汁
柚子味噌を塗って焼かれたおにぎりは、やや味濃いめ。
最後まで柚子味噌を堪能できました。
おみそ汁は実家のおみそ汁を彷彿とさせるような、具だくさん。
全部残さずに頂いたら、お腹がはちきれそうになりました。
それでも、何時間後にはもうお腹が空いていた。
これぞ日本のご飯!!
焼きおにぎりは、私が小さかった頃、「お腹が空いた~」と言うと、祖母が作ってくれたものでした。
祖母の作ってくれたのも、お味噌を塗った「味噌焼きおにぎり」。
相撲を見るのを中断して、祖母の作ってくれたおにぎり、夢中で食べたものでした。
そしてマナウスで暮らしていたころ、週末ゴルフから帰って来て、犬たちの世話を終えて夕方から呑み始まった夫に「焼きおにぎりとおみそ汁」という夕ご飯を出すと、「いいねえ、こういう夕ご飯。」と喜んでくれたものでした。
いろいろな事を思い出しながら、おにぎりまで頂きました。
うーん、欲を言えばおにぎりにちょこっとお焦げが欲しかったかな。
とても素敵なお店でした。
予約をしてくれた友人に大感謝です。