Slaughterhouse-Five 価格:¥ 636(税込) 発売日:1991-11-03 |
読書サボったわけではないのですが、更新をサボっていたので、うんと長い(爆)です。
ローズウォーター曰く、Kilgore Troutはアメリカから出た事はないのだろうとの事。何故なら彼の描く地球人は全てアメリカ人だから。しかしどこに住んでいるのかは不明。出版社も本ごとに違う。ローズウォーターは何度かTroutに手紙を出版社気付で出しているが、いつも既に出版社が潰れていて、返ってくるのだそうです。
彼は話題を変え、バレンシアの指輪を褒めます。ビリーが戦争で得た物とわかると、それは戦争の良い面だね、と、言います。誰もが、何かを得るのだそう。
ちなみに、Kilgore Troutはビリーと同じ町、イリウムに住んでます。じきに会う事になるのだそうな。
バレンシアはビリーにSilver Patternは、Royal DanishとRambler Roseとどちらが良いか尋ねます。ビリーはRoyal Danishを選択。Colonial Moonlightも良いそうで。。。
ビリーはTralfamadoreの動物園にいました。Sears Roebuckの倉庫から拝借した家具を使って、裸で生活する事を強要されてしまいました。何をするにも見学者から丸見え状態。でも、ビリーはこの生活はそんなに悪くないと思ってました。何でも地球まで、446,120,000,000,000,000マイルあるので、帰ろうにも帰れないという事で……。
Tralfamadoreには5つの種類の性があるそうです。ビリーは、これは4次元的にはOKと考えます。しかしTralfamadore星人には、地球には少なくても7つ確認できたとか。(笑) それはちょっと不思議がるビリーに彼らの説明は、ホモセクシュアルなしには赤ちゃんはできない、レズビアンなしでも赤ちゃんはできるだろう、65才以上の女性なしには赤ちゃんはできない、65才以上の男性なしで赤ちゃんはできるだろう、生まれて1時間以内の他の赤ちゃんなしの赤ちゃんはいるはずがない、……等々
ビリーは地球ではいかに残酷な事が行われているかを挙げ、何故Tralfamadoreはこんなに平和なのか、彼らに問いかけます。見学者達はビリーの問いかけを理解してない様子でしたが、ガイドは「我々は宇宙の終わりを知っている。我々のテストパイロットが新しい燃料の実験中に、ボタンを押して全てが吹っ飛んでしまうのだ。」
するとビリー、それがわかっているのなら、パイロットがボタンを押さないよう止める手段はないのですか?と尋ねます。すると、「彼は既に押してしまった、そしていつでも押すのだ。我々はいつでもそうさせる、またそうさせるであろう。瞬間というのはそういうものだ。」
「では…」ビリー「地球で戦争を止めるというのは馬鹿げた事なのですか」
「もちろんだ」
「でも、ここは平和ではありませんか。」
「今日はそうだ。しかしお前が経験したのと同じ位恐ろしい戦いもある。だからと言ってどうする事もできない。我々はそれを見ないようにしている。心地よい時間だけを見るようにしている。」
その夜ビリーはバレンシアとの結婚式へ。彼は病院を出て、大学を47人中3位の成績で卒業。すぐに息子ロバートが生まれ、高校ではトラブル三昧ですが、有名なグリーンベレーで活躍する事になります。(Tralfamatorian的には7人の親がいるそうな(笑))
そして今ビリーはお金持ち。正気なら誰も結婚しないような女の子と結婚し、ビュイック・ロードマスターを舅からもらい、立派なオフィスを構え、最低3000ドルの年収保証。ビリーの父は床屋だよ~。
新婚旅行で。ニューイングランドの海辺の宿で外を見ていた時、バレンシアはビリーにお礼。彼女と結婚してくれる人などいないと思っていたそうです。で、あなたの為にダイエットしてきれいになろうと思うの、と言うバレンシアに、いやそのままでいいよ、と、答えるビリー。ビリーはその先の事を知っていたので、それでOKという事がわかっていたのです。
ちょうどその時、偶然同時期にハネムーンを楽しんでいたLance RumfordとCynthia Landry夫妻がシェヘラザード(フィギュアスケートでよく使われる音楽だわ(笑))という名前のヨットでビリーとバレンシアの前を通り過ぎました。
ところでLance RumfordとCynthia Landryって誰をもじったのでしょう? ビリーとバレンシアが結婚したのは1950年頃? ロバート・ケネディが結婚したのが1950年。場所的にもケネディ家のある所に近いし、ひょっとするとそうなのかも(^^)
するとバレンシア、「あなたは戦争の事を考える事はある? あなたは秘密をたくさんもっているように見えるわ。」ビリーが、「そんな事はない」と嘘(時空を行き来できる事とか、Tralfamadoreの事とか)を言うと、「あなたが兵士だった事は誇りに思うわ。」するとビリーはちょっとびっくり。そりゃ良い墓碑になるわ、と、ビリーばかりでなく、Vonnegutさんも(笑)思います。
バレンシア、「いつかあなたがお父さんに話していたドイツの銃殺隊(エドガー・ダービーの事だ)の話、聞いてたの。」
彼はあなたが彼を埋める為にもっていたシャベルを見たの? 彼らは彼に的を貼ったの?というような質問を聞いているうちに、思わずトイレへ駆け込むビリー。そしてまた1944年にバック……。
ビリーはトイレを探して外へ。しかし有刺鉄線に阻まれ自由が利きません。ロシア人捕虜が、有刺鉄線に絡んだビリーを反対側からほどいてくれました、が、ビリーは例も言わず…。
ようやく無事用を済ませたビリー、するとどこかから悲しい悲鳴がします。声の源はトイレでした。実はウェルカムパーティで皆お腹を壊していたのでした。Vonnegutさん本人も「脳みそまで出し切った」(^.^;)と思う位壊れてしまったようです。
病室に戻った所で、再びハネムーンへ。2人で仲良く眠りについた所で、今度は何故か、父の葬式の為に電車で故郷へ急ぐドイツ戦配属前のビリー。なかなか眠れず、ようやく半分ダイニングカーに足を突っ込んでお休み。イリウムの駅でポーターに起こされます。寝ぼけ眼のビリーを冷やかすポーター。(何故冷やかされたのかは女子なので書けませんわ。(^^;) でも、ビリーは新婚初夜からそこへタイムスリップしたというのがヒントで~す)
3時頃、新しい患者が来ました。ポール・ラザロです。彼は寝ていたイギリス人からタバコを盗もうとして、寝ぼけていたイギリス人に腕を折られて運ばれてきたのでした。イギリス人はシンデレラ劇で青い妖精のゴッドマザー役(そんな登場人物いた?(^^;))をやっていて、赤毛眉なし(!)でした。ゴッドマザーは、「チキンほどの重さもねぇ。チキン相手にしてるってわかってたら、戦う必要もなかったぜ。」彼はアメリカ兵の甘チャン振りに呆れてます。弱い、臭い、鼻タレ小僧、盗人、…一緒に運んで来た大尉も同意。
すると今度はドイツ人少佐が来て、彼らは既にイギリス人と交流していると話します。アメリカ兵はすぐにドレスデンへ送られるとの事です。
イギリス人達がラザロを寝かしている間に、ドイツ人少佐は、Howard W. Cambell(Vonnegutさん創作人物Wiki )という人が書いたドイツで捕虜になったアメリカ人の下士官の行動についてのレポートを読み聞かせます。Cambellは、アメリカ人は貧しい事を極度に嫌う国民であるというような本を書いていたようです。そのCambellのレポートによると…
アメリカ人はお金を稼ぐのは簡単という事を認めず、自分を責めて責めて責めまくる。とにかく前例のないほどみっともなく貧しいのだ。彼らはお互いに愛し合わず、自分を愛さない。これは理解されれば、捕虜の不愉快な態度は消えるだろう。
Cambellはまた、アメリカの軍服についても一言。他国では例え位が下でも威厳のある軍服を着せてもらえるが、アメリカは下士官にはろくな軍服を与えないそうです。
そして、アメリカ人の捕虜達は、他のどの国の捕虜より自己を哀れみ、リーダーの言う事を全然聞かないのだそう。(^^;)
ビリーが眠りに就くと、1968年、娘のバーバラが父の書く変な手紙に不機嫌な所でした。いつまでも子供みたいな事をしていると、子供として扱うしかなくなるわよ。ここは寒いわね。え?気づいてない? それじゃ子供だわ。
バーバラは配管工を呼んで地下の暖房を調整してもらう事に。その間、ビリーは強制的に電気毛布で休まされる事に。
バーバラが出ていくと、ビリーはTralfamadoreに戻ってきました。地球から、Montana Wildhackという映画女優が連れて来られた所です。彼女は薬で眠らされ、裸でビリーの部屋に運ばれました。(^^;) するとTralfamdore星人は大興奮。(^o^;)
目を覚ましたMontanaちゃん、彼女はわずか20才、カリフォルニアの海岸でひなたぼっこしていた所を誘拐されて来ました。彼女はTralfamadore星人達の姿を見て、screamed and screamed .....(^^;)
Montanaちゃんの様子を見るにしのびないと思ったズーマスターは、地球時間の62時間に1時間だけ、本当の夜にしてくれるようになりました。
Montanaちゃんは、ビリーを信頼し、愛してくれました。(超ラッキー男だなあ)汗びっしょりで目が覚めると、娘と喧嘩した1968年、配管が終わって、暖房が入るようになった所でした。(笑)
翌日、ビリーは仕事に戻ります。もうビリーが戻る事はないと思っていた従業員達はびっくり。ビリーは母と一緒に来た新しい患者さん、12才の少年と少し話をします。聞けば、お父さんをベトナム戦争で亡くしたばかりとか。ビリーは、少年に、Tralfamadore星の話をして、お父さんはある瞬間の中にまだ生きていると説明します。
ところがそれを聞いてた少年のお母さん、ビリーは頭がおかしいと訴え、ビリーは家に戻され、娘は「一体どうしたら良いの?」