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HoME8巻の感想

2007-02-02 01:05:37 | Tolkien・HoME
最後の章(The Black Gate Opens)を書こうと思ったのですが,あまり情報がないので(汗)ここでHoME8巻は終りにしたいと思います。

HoME8巻は,大きく分けてTTTの後半部分とROTKの前半に当ります。

まずTTT後半の下書きについて。FOTRに比べたら,既に話の筋書きもあらかた決まっているので,そんなにめちゃくちゃ驚くような事はありませんでした。しかし,時代はもろに第2次大戦。ヨーロッパ全土を覆った戦争の影ばかりでなく,D-day(ノルマンディ上陸)というような,一気に情勢を変える歴史的な事件も何気に時代のバックグラウンドとして登場します。トールキンさん自身の戦争体験(第1次大戦)が指輪物語に影響を与えたという話は有名でしたが,さらにこの話を執筆中の時代背景が,この話に大きな影を落としたんだなあと,リアルに感じる事ができました。

ファラミアというキャラクタを生み出したのが,ずばり,時代の影響だったという所が面白いですね~。息子さんがその戦争に参加するかもしれないという不安が,フロドとサムをモルドールへ送り出すシーンに反映され,あの名台詞
"When you return to the lands of the living, and we re-tell our tales, sitting by a wall in the sun, laughing at old grief, you shall tell me then. "
は,息子さんを案じるお父さんの気持ちだったというのが,私にとっては,前半で1番の衝撃でした。

ファラミアは,大将でありながら,どこか戦争から1歩引いた所に身を置いていたように感じていたのですが,何故そうなのか,これですご~くわかったような気がします。

原作のTTTからROTKにかけての構成,TTTの最後にフロドとサムをキリス・ウンゴルで止めておいて,ROTKに移ってガンダルフ達の活躍を見せる,というのはとても不思議に感じましたが,実はトールキンさんが物語を作った順番通りだったというのも,新発見ですね。

ROTK前半は,久しぶりに,仰天変更(笑)がいろいろありましたね。
7巻から何となくわかってはいたのですが,まずエオウィンは,堂々とセオデンに同行してミナス・ティリスに向かい,当たり前のようにオープンに戦うのですね。そして彼女がナズグルの王を倒す事は最初から決まっていた計画ですが,可哀相に(汗),死んでしまうんですね。アラゴルンとの,これも当たり前のようだったロマンスの線は次第に薄れて参ります。でもそれにつれて,彼女は助かる事になっていくのですよね。

アラゴルンは,アイゼンガルド陥落後,最初はお話上もずっとローハンと一緒に行動していますが,少しずつ,少しずつ,別行動を取るようになり,やがて山を越えて南へ突き抜けてしまうんですね。アラゴルンの行動やエオウィンの役割の変化に伴い,最初は彼らに付き添いのように行動していたエオメルが,自然にローハンのリーダーとしての役割が大きくなって参りますね。

執政家親子の運命も,最初は正式版とちょっと違いましたね。デネソール侯は,下書きの最初から亡くなる事は決まっていたとは思いますが,最初の計画ではアラゴルンと一応顔を合わせる事になっていたのですね。初期の案では,ファラミアがモルドール攻撃までずっと元気なのも面白いですね~。

レゴラスとギムリの語る死者の道の顛末も,いろいろ変化があって面白かったです。どちらがどの位語るというのもいろいろ変わったようですが,実はエレヒにパランティアがあったというのが,結構衝撃的な違いでした。また,下書き当時はエルロンドの2人の息子達の役割ももう少し大きく,何故アルウェン(当時まだフィンドゥイラス)があの旗を作ったのか,わかってきました。

最後のびっくりは,メリーとピピン,2人とも最後に黒門に行けない所でした。メリーを楽にする為にピピンも残るというものでしたね。

という事で,来週から9巻を読み始めようと思います。
ふ~~む,HoMEもそろそろ,終りに近付いてきていますね。何か一抹の寂しさが。。。


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