野良暮らし ねこ暮らし

田舎暮らしを夢見て、こつこつとお金を貯めています。

30km圏に潜入

2011-04-18 23:03:43 | 災害
道中30km圏内が近づくにつれ、戸外に人影が少なくなっているのは気のせいでしょうか?

およそ5ヶ月ぶりの村です。
村への峠には航空自衛隊の駐屯地があります。
ちょうどこの辺りが第一原発から30kmになります。
標高1,000m位にあるので放射線量が高いであろう事が予想されます。

ここの施設ではα線からγ線までの放射線測定を行っているとの事です。

その峠から200m程度東に下ったところから見ると、
はるか前方に第一原発とこの村とを隔てている山が確認できます。
その山の東側斜面、つまり原発側ではかなり高い線量が計測されています。

同じ村でも深刻の度合いは全く違います。
また、標高や地形によっても線量にかなりの違いが出てきます。
そこに同心円では片付かない今回の避難指定区域の問題があるのです。

村に降り立てば、何時も見ていたのどかで気持ちの良い4月の村そのままです。
ここに写っている農家も、いつもなら子供が庭で遊んでいるのです。

しかし今はその気配はありません。
戸締りがされ、人のいる様子はありません。

この集落のすぐ北側には、例の巨大風車が今では無用の長物となり、木偶のごとくただただ愚かな姿で突っ立ています。
この震災でバックアップの電源になるどころか、全く動かすことも出来なくなっているのです。
こんなものがクリーンエネルギーだとか将来有望だなどと賛美している業界関係者の欺瞞が、
ここでは白日の下にさらされ哀れな立ち姿で30km先の原発に尻を向けています。


この先わが「村」まで何軒もの家の傍を通過してきました。
数軒は主が戻ってきていますが、殆どが避難したままになっていました。

この朝、知人の持ち込んだ線量計は1.2μシーベルト/hを差していました。
風は西向き、原発とは反対方向です。
少しレベルが高いのが気になります。
たぶん、地面に降下した放射性物質、おそらく半減期から考えてセシウム137だと思われますが、
土埃となって空中を舞っている為ではないかと思われます。

変な気持ちですが、それまでは「遊び」に行っていた「村」ですが
今しばらくは「村」には「潜入」しに行くという日本語を使ったほうが適当かなと思います。

「村」の様子はまた明日にしましょう。