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心奪われる鉄道記事を3つ見つけたので、ご紹介。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160218-00010002-norimono-bus_all
出典↓↓↓
タモリ氏も乗車 鶴見線の何が鉄道ファンの心をつかむのか
2015.02.21
http://trafficnews.jp/post/38096/
テレビ番組『タモリ倶楽部』が、神奈川県横浜市と川崎市を走る鶴見線に団体列車を走らせました。鶴見線は一般的には地味な路線ですが、この路線に団体列車を走らせたことについて、鉄道ファンの番組出演者たちは絶賛。なぜ鶴見線は、そんなにも鉄道ファンの心をつかんでいるのでしょうか。そこには鉄道ファン以外でも興味をひかれそうな、いくつかの理由があります。
変わった駅が多い鶴見線
関東地方などで2015年2月20日(金)深夜に放映されたテレビ朝日系『タモリ倶楽部』は、神奈川県横浜市と川崎市を走るJR東日本の鶴見線、南武線が舞台でした。団体列車を利用して鶴見線の国道駅(横浜市鶴見区)から浜川崎駅(川崎区)を経由し、南武線の中原電車区(川崎市中原区)へ向かうという内容で、同日放送分は鶴見線区間にスポットが当てられています(南武線区間は次週放映)。
鶴見線に団体列車を走らせることについて、出演した鉄道ファンとして知られるロックバンド「くるり」の岸田繁さんは「番組初のJR貸切企画で鶴見線と南武線を選ぶというところはさすが」、モデルの市川紗椰さんは「通っている場所が渋くて玄人好みだけど、鉄道好きにとってはアトラクションみたいな感じ」と番組内でコメントしていました。
京浜東北線と接続する鶴見駅から海側へ走る鶴見線の車窓は、主に住宅地や臨海部の工業地帯で、沿線に一般的な観光地もなければ、列車は3両編成。多くの人に利用されているわけでもありません。ですが岸田さんや市川さんの発言に見えるように、鉄道ファンから高い注目を集めています。鶴見線の何がそれほど、鉄道ファンの心をつかんでいるのでしょうか。
鶴見線海芝浦駅は大都市ながら風光明媚で、駅から出られなくても訪問者が少なくない(2010年2月、恵 知仁撮影)。
理由のひとつとしてまず、「駅が個性的」という点が挙げられます。海芝浦駅(鶴見区)は終着駅ですが、出入口が東芝の工場と直結。そのため鶴見線の電車で終着駅の海芝浦に着いても、同社関係者でないと駅から出られないという変わった駅です。またホームが京浜運河に面しており、海と臨海工業地帯、鶴見つばさ橋などが一望できることから、大都市の工業地帯にありながら「景色のいい駅」として知られています。
鶴見線と南武線が接続する浜川崎駅は、同じJRなのに鶴見線と南武線で改札口が別という珍しい構造です。乗り換えのためにはいったん、改札を出る必要があります。これは元々、鶴見線と南武線が別の会社によって敷設されたことが理由です。
また番組で出演者が団体列車に乗車した国道駅は、1930(昭和5)年に開業した当時の面影を残し、ガード下にレトロな雰囲気が漂っているほか、戦争中に受けた機銃掃射の痕も残っています。
旅気分を味わうなら横浜・川崎の路線がおすすめ
紀行作家の故宮脇俊三氏が「都会のローカル線」と表現するなど、鶴見線が非日常性の高い「ローカル線」であることも鉄道ファンから人気の高い理由です。
鶴見線は横浜市と川崎市という政令指定都市内だけを走ります。しかし沿線には工業地帯が多いため、通勤時間帯こそ混雑するものの、それ以外の時間は列車も駅周辺も閑散としていることがよくあります。また風景も工場ばかりで生活感、日常感が乏しいものです。
工業地帯を行く鶴見線の列車(2010年2月、恵 知仁撮影)。
そうした「大都市なのに人がいない」「生活感や日常感の乏しい風景」が非日常性を醸し出すため、東京のすぐ近くながら旅行気分を味わえる「ローカル線」として人気があります。故宮脇氏も著書で、東京の人が手軽に旅行気分を味わうなら鶴見線がおすすめ、といった記述をしました。
またローカル線の駅ではホームから改札口へ向かうにあたり、線路を踏切で渡ることがよくありますが、一般的に大都市の駅では利用者や列車本数が多く踏切では危険なため、跨線橋や地下通路が使われます。しかし鶴見線の駅には踏切があり、その点でもローカル線的です。
沿線が工業地帯であることから、工場への引き込み線や貨車の留置などに使う線路が車窓にしばしば見られることも、工場へ迷い込んだようで面白いかもしれません。またそれら線路は貨物列車の衰退で現在は使われなくなり、草むしていることも多く、それもまた廃線や廃墟を楽しむという視点から味わうこともできます。
鉄道ファンの興味対象は多岐にわたるため一概には言えない部分もありますが、こうした鶴見線の「都会のローカル線」と呼ばれる非日常性、そして個性的な駅に途中下車しながら旅を楽しめることが鉄道ファンの心をつかんでいることは、想像に難くないでしょう。
【了】
Writer: 恵 知仁
鉄道ライター、イラストレーター。「鉄道」や「旅」に関する執筆活動や絵本の制作を行っているほか、鉄道車両のデザインにも携わる。子供の頃からの旅鉄&撮り鉄で、日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済み。完乗駅はJRが稚内で、私鉄が間藤。メインは「鉄道」だが、基本的に「乗りもの」好き。