少し前のこと、『踊るさんま御殿』に出演した、故林家三平の娘で春風亭小朝の妻、泰葉は、結婚して18年間、夫より先にお風呂に入ったことは一度もないのだと言っていた。
例えば、小朝が午前3時過ぎに帰宅すると、彼女は5時ごろにお風呂に入るらしい。
先日、ふとこの話を思い出し、「噺家の娘とはいえ、すごいことだよねぇ」と、夫に話した。
「まぁでも、それは極端な例だよな」と、彼はあまり関心を示さない。
「でもさ、甲斐甲斐しい奥さんだよね。だんなさんより先にお風呂に入らないにしても、世の中の奥さんはみんなそうしてるんだろうね。あたしにはとてもできないけどさ」と、私はなおも話を続けた。
すると彼が、
「ばっかだなぁ、それができちゃったらおまえがおまえじゃなくなるだろ」と言った。
「そっかぁ…」
私は言葉が続かなくなってしまった。
私たち夫婦も結婚18年になる。
料理以外の家事はまったくダメで、甲斐甲斐しく夫に尽くすこともしない私を、夫がこんなふうに受け止めてくれているとは、このときまで知らなかった。
知り合ったころからそう思っていたのか、この18年の間に培われた諦観なのかわからない。
それでも、私の欠落している部分さえも、「らしさ」として受け入れてくれたことがうれしい。
例えば、小朝が午前3時過ぎに帰宅すると、彼女は5時ごろにお風呂に入るらしい。
先日、ふとこの話を思い出し、「噺家の娘とはいえ、すごいことだよねぇ」と、夫に話した。
「まぁでも、それは極端な例だよな」と、彼はあまり関心を示さない。
「でもさ、甲斐甲斐しい奥さんだよね。だんなさんより先にお風呂に入らないにしても、世の中の奥さんはみんなそうしてるんだろうね。あたしにはとてもできないけどさ」と、私はなおも話を続けた。
すると彼が、
「ばっかだなぁ、それができちゃったらおまえがおまえじゃなくなるだろ」と言った。
「そっかぁ…」
私は言葉が続かなくなってしまった。
私たち夫婦も結婚18年になる。
料理以外の家事はまったくダメで、甲斐甲斐しく夫に尽くすこともしない私を、夫がこんなふうに受け止めてくれているとは、このときまで知らなかった。
知り合ったころからそう思っていたのか、この18年の間に培われた諦観なのかわからない。
それでも、私の欠落している部分さえも、「らしさ」として受け入れてくれたことがうれしい。