終の信託

2012年11月09日 | 健康・病気

昨日、周防監督の「終の信託」という映画を観た。
この2週間ほどこの映画を話題にしているラジオ・テレビ番組を聴たり観たりした。
先週の金曜日だったか「すっぴん!」(NHKラジオ)の「すっぴんインタビュー」に周防監督が出ていた。
そんなのを聴いてしまったらこの映画を観ないわけにいかない。
それで“近いうち”に「終の信託」を観ようと考えていた。
わたしの場合、“近いうち”というのは“あの人”とは違って1・2週間ほどの意味です。

女房の家から埼玉県新座市にある「角川シネプレックス新座」まで車で10分もあれば行ける。
わたしは、9時40分開始のを観るために家を9時15分に出た。
団地の自治会の駐車場を借りてわたしは車を停めている。
そこまで歩いて5・6分、車を出して鍵をかけたりして3・4分。
ちょっと時間的にギリギリになってしまった。
この映画館にはスクリーンが9つある。
全席指定です。
これが嫌いなんです。
わたしが行くときは平日の1回目の上映です。
なので客はいつも5・6人、どこでも坐れるのに指定席だからその5・6人がかたまって坐らなければならない。
こんなのおかしいよね。
従業員もそのへんを配慮してくれればいいのだが、みな20代、
会社で教えられたマニュアルどうりにしかやらない。
あの全席指定席はやめてもらいたい。
前回わたしはこの映画館で「テルマエ・ロマエ」と「わが母の記」を観た。
どちらもつまらない映画だったので九想話に書かなかった。
60歳になり1000円で映画が観られると、浮かれて1日に2本も観てしまった。
どちらもわたしとすればどうしょうもない映画だった。

さて話を「終の信託」に戻そう。
天音中央病院に折井綾乃(草刈民代)という呼吸器内科のエリート医師がいる。
長い間、不倫関係にあった同僚医師の高井(浅野忠信)に捨てられ、
当直のときに睡眠薬を飲んで自殺未遂騒動を起こしてしまう。
高井と夜間に病院の空きベットで愛し合う折井綾乃の身体が艶めかしかった。
(監督と女優だから、仕事だから、関係ないのだろうけど、
 妻をよその男が抱くのを観る監督の心はどんなだろうと、低次元なことを思ってしまったわたしです)
長い間、重度の喘息を患い入退院を繰り返していた江木秦三(役所広司)が、
失意のどん底に落ちていた綾乃にプッチーニのオペラのCDを貸す。
「私のお父さん」という劇中歌を聴いて綾乃は何度も涙を流す。
(わたしもこの曲が、大好きになりました)
後日、江木と話すと、あのオペラは喜劇だという。
オペラとは逆に、本人が深刻になっていることもまわりから見ると喜劇に見えることもある。
そんなに深刻になるな、とさりげなくいう。
それで綾乃はなぐさめられる。
失恋で傷ついた心が救われる。
その江木が退院したあと、彼の家の近所の川に行く綾乃。
江木と綾乃が会う。
江木は妻に対して心を開いてこなかった。
自分の死期が迫っていることを自覚した江木は綾乃に懇願する。
「信頼できるのはあなただけだ。チューブだらけで死にたくない。
 最期のときは早く楽にしてほしい」と。
(この台詞は、わたしの記憶で書きました。このようなことをいっていた、と思う)
2か月後、江木は心肺停止状態に陥り、救急車で天音中央病院に担ぎ込まれる。

このあとまで書いていいのかな。
書かないほうがいいですよね。
これからこの映画を観る人がいるはずですもんね。

でも、今夜は書いてしまう。
これから「終の信託」を観ようと考えている人は、ここから先は読まないで下さい。

3年後、検察官・塚原(大沢たかお)は綾乃を殺人罪で厳しく追及する。
このシーンがたまらなく辛かった。
塚原という検察官が唾棄したくなるほど最低な人間に見えた。
あまりにひどい検察官で大沢たかおという俳優の演技に感動すら覚えた。
じっさいこういうふうな目にあった人は多いんだろうな。
東電女性社員殺人事件で捕まったゴビンダさんも辛かったでしょうね。
自分の行為が認められないということは惨めです。
まいります。
わたしなんか生きていることをやめたくなります。

やっぱり最後までは書かないでおこう。
素晴らしい映画でした。
ぜひ、あなたもご覧になって下さい。

Maria Callas - O mio babbino caro - Gianni Schicci - Giacomo Puccini

コメント
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