今日、歯の治療の日だった。
12時が予約の時間だった。
私の勤務は午後1時からです。
前回に予約の時間をいわれたときにはまいりました。
そのとき、
「午後1時には佐久の職場に行かなければならないのでお願いします」
と受付の女性にいっておいた。
そうしたら、今日治療を受けているときに歯医者が私にいってくれた。
「大丈夫ですよ。間に合うようにやります」
私が受付の女性にいったことが、しっかり医師にまで伝わっていたことがうれしかった。
私は無事、午後1時までに職場に行けました。
あの歯科医院は医師から受付の事務まで良い関係なんだろうな、と感じた。
午後2時過ぎだったろうか、いつも私が昼休みに野球をやっているTくんの家族が来てると誰かがいっていた。
私は事務所から出てみた。
来てくれたのはお姉さんと施設の責任者だった。
Tくんが今日でK公園の施設からK学園に行くので挨拶に来たということだった。
彼は、私が今の職場に来る以前から昼休みに来ていた。
だから私が今の職場で働くまでは、私を職場に誘ってくれた友人が昼休みにTくんの相手をしていた。
Tくんも来ていた。
本人は、明日からK公園の職場に来ないことを理解できているのかどうか?
ただ、いつもと違う雰囲気ということはわかっているようで、顔がさびしそうだった。
私は、Tくんの手を取り肩をたたき「元気でな…」といった。
彼は、私のいうことがわかったのかわからなかったのか、わからないだろうな。
私はにじむ涙をとめられなかった。
2007年に所沢の福祉施設の実質経営者とケンカをして私は辞めた。
なので、それまで毎日一緒に作業をしていた通所者に別れもいえなかった。
それを申し訳なく今日まで思っている。
Tくんとは反対だ。
彼が施設を去ることを知ったのは先週だった。
正直な気持ち、昼休みに彼の野球の相手をするのは面倒だった。
私の昼休みなんです。
ケーナを吹くか、昼寝でもしたかった。
でも、グローブとボールを私のところに持ってきて、私を見つめる目を見たらやらないわけにはいかない。
私はハッキリいってスポーツは苦手です。
小学生のとき、クラスメイトはみんな昼休みに野球をやっていた。
私は、教室にじっとしていた。
そんな暗い小学生でした。
スポーツが嫌いで中学生になったときに吹奏楽部に入った。
スポーツ以外で毎日部活動がしたかったのです。
そんな男が、好きでもない野球をTくん相手に5年半してきた。
今となっては、Tくんと野球をしたことは忘れられないこととなった。
しかし、ダウン症の彼は私のことなんて何も覚えていないでしょう。
昼休みに彼は私にグローブとボールを持ってきて思いつめた瞳で見つめるけど、
それ以外にK公園の中でTくんに出会うとまったく私のことを無視します。
あのみごとさには、呆れるより感動させられます。
Tくん、楽しかった5年半、ありがとう。
こんなふうにして9月が去っていきます。
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9月の九想話
9/1 朗読家GOKUさん
9/2 9月の中軽井沢
9/3 中軽井沢の歯科医院
9/4 自殺するひと
9/5 シニアトラブル
9/6 ブラック企業大賞
9/7 決勝戦が観られない
9/7 住むならどっち県!?
9/8 日本民謡フェスティバル2014
9/9 今年も、終わりそうです
9/9 スーパームーン
9/10 忘れていた九想話の誕生日
9/11 若年認知症
9/11 9月のヘブンリーブルー
9/12 日々
9/13 女房襲来
9/14 友川かずき「サーカス」
9/15 スカップ軽井沢
9/16 大きい穴
9/17 12ヶ月点検
9/18 大きい穴
9/19 夜へ急ぐ人/一青窈
9/19 夜へ急ぐ人
9/20 さむい
9/21 昼休みの友
9/22 コスモス街道
9/24 緑の3人
9/25 曼珠沙華の群生地
9/26 ふるさとは今もかわらず
9/27 荻原浩「月の上の観覧車」
9/28 あなたへ
9/29 御嶽山
9/30 9月が行っちまう