2月が終わります。
今年も6分の1が過ぎる。
今日、女房が帰った。
今度は日曜日に来るという。
彼女が軽井沢に来ている間私は仕事です。
今回は、トンボの湯に行っただけでどこにも行っていない。
それにしても2月の最後にとんでもない知らせがあった。
今朝、8時半頃に鳴った電話をとった。
「こんどの展示会に作品を展示しませんのですみません」といわれた。
「どういうことですか。何か事情があるのでしょうか」
「実は、…昨日主人が亡くなりました」
「えっ、昨日の夕方はお元気でしたよね」
「……、はい。…心筋…梗塞…でした」
私はそれからどういうふうに話したかよく憶えていない。
「ご主人様のご冥福をお祈りします」
というふうに電話を切ることだけで精一杯だった。
昨日の4時半、私はボイラーを止めるために機械室に歩いていった。
その途中にある104号室を利用していた
「アトリエ**」というグループの人たちが部屋を片付けていた。
昨日の午後の利用団体は、
体育館のN中学ソフトテニス部と「アトリエ**」だけだった。
私がボイラーを止める操作をして事務所に戻るときに、主催者のN先生に会った。
「お疲れ様でした」と挨拶をすると、
「ハイ、どうも」といつものようにはにかんだ笑顔で応えてくれた。
それが最後となった。
「アトリエ**」は毎週日曜日の午後、私の施設の部屋で油絵を描いていた。
東京芸術大学を出てアメリカに渡り、
ニューヨークで絵を描いていたN先生が長野に戻り、
絵を勉強したい若い人に絵を教えていた。
ご夫婦仲が良くて、いつも先生と奥様は一緒でした。
あらためて心筋梗塞という病気は怖いと思った。
私の従兄弟も昨年秋に亡くなっている。
土曜日だったか、女房と死んだときのことを話した。
「私が死んだら、内緒でふるさと公園の遊歩道あたりに骨の粉をまいて」
「おれにいっても無駄だ。おれはえみさんより先に死ぬんだから。
息子たちにいっておいたほうがいいよ」
「UとKは、『そんなのめんどくさい』っていうんだろうな」
「そうだね。あきらめたほうがいいよ」
あ…、私はゼッタイ、女房より先に死ぬんだ。
ゼッタイ、死んでやる。
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2月の九想話
2/1 母の七回忌
2/2 法事
2/3 高速道路事故
2/4 おでん ありがたい頬をホクホクおでんかな
2/5 穂の香乃湯 春立つや星降る露天風呂にいる
2/6 イムジン河 春浅し懐かしい歌降ってくる
2/7 祝!入籍記念日 お祝いかキツツキの音高らかに
2/8 幼なじみ
2/9 ふんどしかつぎ 負けねえぞおら負けねえぞ負けてやる
2/10 お遊戯会
2/10 昨日も今日も温泉三昧 春の雪一人眺める露天風呂
2/11 雪が降る
2/11 降り続ける雪
2/12 消えたモモヒキ
2/14 石岡瑛子
2/14 母の命日 降る雪のおぼろげなるか母の生
2/15 腰痛
2/16 愛の賛歌 春の句を詠みたいけれど春はなし
2/17 デジカメ破損 1 壊しては切なさを知る春の恋
2/18 デジカメ破損 2
2/19 シントコ 思い出に溺れきってる春の夜
2/20 ネット革命 ブリーフは美人穿くめい春の月
2/21 未婚化
2/22 かぎもとや
2/23 池袋の夜
2/24 シントコで呑む
2/25 春一番 春一番切ないほどに春一番
2/26 希望の轍
2/27 妻の夕食
2/27 桐生悠々
2/28 ある画家の死 春浅し長野の空へ画家が逝く