昨日に続き四天王寺をご紹介します。
四天王寺の伽藍配置は大陸の影響を色濃く受けた「四天王寺式伽藍配置」といわれるもので、南から北へ向かって中門、五重塔、金堂、講堂を一直線に並べ、それを回廊が囲む形式となっており、日本では最も古い建築様式のひとつだそうです。
全敷地面積33,000坪、甲子園球場の3倍の広さをもつ四天王寺の境内には、聖徳太子を祀っている「太子殿」や、近畿三十六不動尊第一番の霊場の「亀井不動堂」、日本庭園の「極楽浄土の庭」など、たくさんの見どころがあります。
「中門(仁王門)」
中門は中心伽藍の南端、南大門の北に位置し、脇の間に伽藍の守護神である金剛力士 (仁王像)をまつっていることから一般に「仁王門 」とも呼ばれています。
東側(右側)が那羅延(ならえん)金剛力士、西側(左側)が密迹(みっしゃ)金剛力士で、大仏師・松久朋琳(まつひさほうりん)・宗琳(そうりん)両師の作です。
・この中門から五重塔、金堂、講堂まで一直線に伽藍配置がされており、回廊はこれを囲む形式となっています。
「中心伽藍回廊」
四天王寺の廻廊は仁王門の左右から出て講堂の左右に取り付き、閉じています。
柱は法隆寺廻廊の柱と同じくエンタシス様式(中央部でややふくらんでいる胴張り)となっています。
「北鐘堂」
北鐘堂の正式名は「黄鐘楼(おうしきろう)」といいます。
往時はこの鐘の調べにあわせて、近くの石舞台で天王寺雅楽が舞われたと伝えられており、雅楽などの基本の調を黄鐘調ということから、この鐘堂を黄鐘楼と言うそうです。
また、この鐘の音は祇園精舎の鐘の音と同じ響きを持ち、回向する時にこの鐘をつくと、その音があの世まで響き、極楽に居る先祖の心が和むと云い伝えられています。
・「北鐘堂」です。
「見真堂」
境内にある見真堂(けんしんどう)は浄土真宗の祖である親鸞聖人を顕彰して建立されたお堂です。
露座の親鸞聖人(見真大師(けんしんだいし)の御像は堂横に安置されているそうです。
「弘法大師修行像」
八世紀末、弘法大師空海は「四天王寺」に借住し、西門から夕日を眺めて瞑想する「日想観」を行いました。
「日想観」とは、西に沈む太陽を見て、その丸い形を心に留める修行法で、阿弥陀如来の極楽浄土を想念(そうねん)する観法(かんぽう)だそうです。