今日は「京都の旅」シリーズを一時休ませていただき、「ピクトグラム」を取り上げます。
ピクトグラム(英語ではピクトグラフ:pictograph)と言う言葉を聞いたことがありますか?
和英辞典では、
1.象形文字とか絵文字。
2.絵で示した統計図表と書いてあります。
この言葉をご存知ない方も絵文字を見れば「な~んだ、これのことか」とすぐに分かると思います。
このピクトグラムが日本で採用されたのは1964年の東京オリンピックからと言われています。
戦後初の国際的な大イベントで言語の壁を越えて案内する手法として、各種競技や施設など、約60種のピクトが作成されたそうです。
・右側の絵文字が50年前の東京オリンピック時のピクトグラムです。(ネットより)
このピクトグラムは日本の家紋から発想して誕生したそうですが、今では国際的にも大きく評価されているということです。
例えば、トイレを表すのに男女のシルエットを使ったピクトグラムがありますが、できたのは東京オリンピックが最初でした。
しかし、当初は意味が理解されず、一般に広まったのは1970年の大阪万博だったそうです。
また、よく見かけるものに非常口のピクトグラムがあります。
緑色の扉に駆け込んでいる人をデザイン化したシンボルでおなじみですが、これは公募で寄せられたものを元に、太田幸夫氏が手直しをして作られたのだそうです。
この非常口のデザインが生まれたきっかけは、70年代後半日本で行われた非常口標識のデザインコンテストだそうです。
それまでは「非常口」や「出口」という文字が書かれているだけでしたが、目立つように「でかでか」と表示すると平常時に目障りであることや、文字の読めない子供や外国人には意味が伝わらないという問題があったことからのようです。
その後、国際規格(ISO)に制定する際には各国からデザイン案が寄せられたそうですが、暗闇や煙の中での視認性や心理的な効果も実験して意見を添えた日本案が採用され、今では世界的に使われるようになったということです。
日本人のデザインが世界で使用されていることは嬉しいですね。