らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

根回し

2015-02-09 | 家庭果樹

物事がスムーズに運ぶように、事前に内々で打ち合わせをしておく事を「根回し」と言います。
どなたも職場や地域の会合、或いは家庭生活において経験されたことがあると思います。
この「根回し」の語源ですが、実は造園業と関係があるのをご存知でしょうか?

「根回し」は、元々、植木職人が使っている言葉なのです。
植木屋さんは移植に先立ち、事前に根を切り詰めて、新しい根を出させる処置をします。
この処置が根回しと呼ばれるものです。

その方法は、まず、幹から少し離れた所を80センチ程の深さまでドーナツ状に掘り進めます。
細い根は断ち切り、太い根は皮の一部を削り取ります。これは新しい根を出させるための手法です。
根の処理が終わると土が崩れないように荒縄を巻きつけ再び埋め戻します。
これが「根回し」で、3ヵ月後には新しい根が出て、1年後には移植が可能になります。

・これが根回しです(ネットより)


しかし、なぜこの技術を「回す」というのでしょうか?
ある専門家は、「新しい根をめぐらすという意味と、移植しやすい形に性質を変える(=転)」といった2つの意味からきているのではないか、と説明していました。

この植木職人の「根回し」が「事前工作」の意味で、一般的に広く使われるようになったのは、日本が経済成長を遂げた昭和40年以降のことで、最近では日本式ビジネスの手法として、一部の英語の辞書にも紹介されるほどになっているそうです。

根回しと言えば、我が家のリンゴ(王林)の木が弱っていたので、先日スコップで掘り上げてみたところ、一昨年与えた肥料に根が当たっていたようであり、相当痛んでいました。
肥料と土を馴染ませて植え替えをしたのですが、根が全く伸びていなかったので、「根回し」をすることなく植え替えが完了しました。
現役をリタイアした後は根回しをしなければならないような会合には全く縁がなくなりましたが、畑からも「根回し」の縁を切られたような思いをした一日でした。