らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

すべからく

2015-02-16 | 雑学
文化庁が言葉の本来の意味を解説している番組に「ことば食堂」があります。
今日はその中から、11月6日に公開された第14話「すべからく」をご紹介します。

「すべからく」は、広辞苑には、(為すベカリのク語法。漢文訓読から生じた語。多くの場合、下の「べし」と呼応する)なすべきこととして。当然。と説明しています。
文化庁が平成22年度の「国語に関する世論調査」で、「学生はすべからく勉学に励むべきだ。」という例文を挙げて、「すべからく」の意味を尋ねたところ、次のような結果でした。(イが本来の意味)

(ア)「全て、皆」と言う意味・・・・・・・・・・・・38.5%
(イ)「当然、是非とも」と言う意味・・・・・・41.2%
(ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.2%
 分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11.9%



調査結果は、全体では本来の使い方である(イ)の「当然、是非とも」という意味と回答した人の割合が4割強だったのに対し、本来の使い方ではない(ア)の「全て,皆」という意味と回答した人の割合が4割弱と、僅かに本来の意味を選んだ人の割合の方が上回ったそうです。

これを年代別で見ると、60歳以上では本来の意味ではない(ア)を選んだ人の割合の方が高くなっていますが,他の年代では、本来の使い方である(イ)が高くなっているということです。

では「すべからく」が何故「全て」という意味での用法で広がっているのかと言うと、「すべからく」の「すべ」という音が「全て」の「すべ」と結び付くこと。
また、口語文や発話では,典型的な「すべからく~べし(べき)」の語形にならないことが多く、元の用法が意識されなくなっていること。
などが考えられるということです。

更に、「すべからく」の本来の用法には意味の上で「全て、皆」につながりやすいところがあるとも指摘されています。
例えば、世論調査で挙げた例文の「学生はすべからく勉学に励むべきだ。」の場合、「学生は当然のこととして勉学に励むべきだ。」という文意からすれば、「全ての学生は勉学に励むべきだ。」という意味にも受け取れることから、意味的につながってしまうことも考えられる、と解説しています。

「すべからく」の本来の意味は「当然、是非とも」と言う意味です。
再認識したいですね。