「おちょきん」と聞いた時、何を連想されますか?
多くの方が「貯金」に丁寧語の「お」が付いた言葉と思われるのではないでしょうか?
ところが、この「おちょきん」と言う言葉、実は福井県の「正座」という意味の方言なのだそうです。
新聞の記事によれば、次のように紹介されていました。
『土産物店で見かけた福井弁Tシャツには、「おちょきんしねまっ!」とある。「きちんと座りなさい」、つまり「正座」の意味だ。
子供に向かって行儀を正す時に使うことが多い。
・福井弁Tシャツ、おちょきんしねまっ!」です。(ネットより)

由来は、整っている様を表す古語の「ちんと」。江戸時代後期から使用例が見られるが、当時の文献には江戸の「きちんと」に対応する大阪の方言だとの記述もある。
つまり、「ちんとすわる」に丁寧の「お」が付き、一語になったと言うことだ。
大阪では「おっちん」と言うところが多いが、「ちんとおすわりしなはれ」のように古い用法も残している。
正座については、隣の富山では同じ由来だが「ちんちんかく」と表現する。
ところで福井特産のサツマイモ「越前金時」を使った焼き菓子には、語呂合わせで「おちょ金時」と名付けられたものがある。「みんなで坐ってお菓子を食べる」との意味が込められているようだ。但し、かしこまって食べなければならないと言うわけではない』
と結んでいました。
そこで各地の「正座」についての表現を調べてみました。
・関西では、「ちんとする(しっかり座る→正座)」
・富山では、「ちんちんかく」と表現する。
・岡山では子供に対しては「べべちゃんこ」
・大阪では、正座のことを「オッチンする」
・大阪・岸和田市では、「おまんに」。 子供に対して「おまんにし~や~。」と言って正座させるようです。
「正座」一つとっても色々な表現があるものですね。