2017年のブログです
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さとうち藍さん著、関戸勇さん写真の『アイヌ式エコロジー生活-治造エカシに学ぶ、自然の知恵』(2008・小学館)を読みました。
この本も旭川の本屋さんで偶然見つけて読みました。
2008年の本ですが、いい本です。
文章だけでなく、写真もすばらしいです。
北海道浦河町出身のアイヌ民族で今は千葉県に住む浦川治造さんにアイヌの生活や思想などを学ぶという本ですが、それが現代日本への痛烈な批判になっています。
といっても、浦川さんには、別に今の日本を批判しようという意図はないのですが、自然を敬うアイヌの人たちの生活を学ぶと、自然を破壊して平然としている現代日本を批判する形になってしまいます。
これは、和人による蝦夷地支配に始まり、以後の明治政府のアイヌ同和政策、そして、その後の北海道開発によって、悲劇的とでもいうような、自然破壊につながってきます。
じーじもどさんこであり、開拓民の子孫ですので、他人事とは言えません。
子どもの頃はともかく、責任あるおとなになった以上、明治政府やその後の日本政府の横暴や自然破壊について、冷静に振り返る必要がありそうです。
しかし、それにしても、アイヌの人たちの、自然と共存する姿勢はすごいです。
本書で、さまざまなアイヌの人たちの知恵が紹介されますが、学ぶところが多いです。
全くの偶然でしたが、いい本と北海道で出会えました。
なお、蛇足ですが、この本を読み終えてからわかったのですが、さとうちさんと関戸さんが組んだ『武市の夢の庭』(2007・小学館)という本も、数年前に偶然読んだことがあります。
こちらも北海道滝上町の自然庭園を紹介したいい本ですので、おすすめです。 (2017.8 記)