この家、札幌の古くからの高級住宅街・宮ノ森にあります。
札幌にしては、街割り区画整理が計画的とはいえない地域で、
今は建て込んだ印象の街並み。
まぁ、相続を重ねて土地が狭くなってきたのが実情ですね。
本州地域の住宅街の様相と似通った感じ。
ただ、札幌は歴史も浅く、土地への執着・しがらみも
他と比べると希薄なので、こうなると他に土地を求める人も多い。
でもこの家は、親の敷地の一角に建てたんですね。
ですから、近隣との距離がとりにくい。
そこで、2階に主な居住スペースを持ってくるプランを採用。
こうすると、隣家の庭や植栽など、借景出来るメリットもあります。
しかし、それでもなお視線とか、気を遣うケースも多いもの。
で、写真は食堂・台所に面して取られた2階のテラス。
決め手は正面の格子のウッドフェンスです。
取材に伺ったときは、まだつたのある植栽はしていませんでしたが、
この格子に、緑をめぐらせれば、
街並みとの調和を、かなりうまく計ることが出来ます。
テラスの広さは8畳以上あって、外の居間という感じでたいへんここちよい。
手前食堂には、クッキングストーブも置いてあるので
内と外が一体化した、開放的でステキなホームパーティ空間になります。
こんなテラスが可能になったのは
もうひとつ、床までの大型木製サッシもポイント。
北欧の技術を学びながら成熟してきた北方日本の木製サッシの高性能が
こういうライフデザインを、
あたたかさの条件を犠牲にすることなく、実現できているわけです。