昨日、北海道内の住宅リフォーム企業のみなさんが取り組んでいる
「学生の匠」リフォームコンクールの今年の工事が完成し、
それを記念した表彰式が行われました。
そう数は多くなく、しかも中小企業の集まりである特定マーケットの
企業連合による任意団体が仕掛ける年間イベントとしては
ちょっと考えられない規模の大きさと運営実態のイベントです。
毎年、審査委員長をお願いしている建築家・圓山彬雄さんの言葉では
こんなイベントをこんな小さな団体が行っていることは
奇跡に近い、ということ。まさにその通りだなと感じています。
なかなか、運営資金も潤沢には集められないし、
中小企業の足下も、けっしてそれぞれ、安泰とは言えないなか、
ボランティア的に続けていくのには、困難を伴うものです。
ことしのコンクールの受賞作品は、
築40年以上という、木造住宅。
これまで何回か、使用途の変更が繰り返されてきた建物。
その残滓を引きずっていて、間取りが細かく、広くアトリエ的にしたい、
という施主さんの希望には似合わない建物でした。
リフォームの前後の写真を並べてみましたが、
まさに、ここまで変化させるのには、大変な努力が必要。
ここまでくると、確かに残す意味、ということをもう一度、再検証すべき
そういう建物再生だったといえると思います。
しかし、その意味で建築の保存再生について、
その工事プロセス自体で、多くの現状での問題点などが明確になった
ともいえる建物でした。
きのうは、集まったみなさんに工事を担当した工務店の方と、
工事の進行に沿った解説を行ったのですが、
つくずく、前記のような思いを強く抱いた次第です。
このブログでは、これから工事プロセスに沿って
明日以降、いくつかのポイントをまとめていこうと思います。