さて、学生の匠に戻らせていただきます。
基礎がしっかり出来上がったあと、こんどは構造の補強工事にかかりました。
この家は、当初から賃貸を目的に造られたような建物なので、
構造材などが細めで、頑丈さの点で、やや心配がありました。
解体してみるとその通りだったようで、
大きく空間を取りたいリビングなどでは、鉄骨の梁を新たに2本入れるなど
しています。写真上の右側が既存解体の時の写真で、
過去にも鉄骨を補強で入れたりしていたことがわかりました。
写真上の左側が今回の補強で、色違いになっているのが、鉄骨。
合計3本、鉄骨が入れられているのがわかります。
基礎が出来上がってから、外壁が撤去されたのもわかります。
基礎工事が出来上がるまでは、養生のような仮設的なかたちで
既存壁を利用していたわけですね。
本格的に構造補強するために、壁も撤去して、外壁側の柱なども
大部分、入れ替えられています。
その後、写真右下のように、その外壁側に構造用合板を張っています。
気密性と、構造的な安定性、さらに耐震性の向上などを狙ったもの。
こうして出来上がった現代住宅と同等の構造仕様にたいして、
写真左下のように、防風シートの施工など、
防寒性能の向上も引き続き図られていきます。
こうして見てくると、やはり新築を初めから行った方が、
コスト的にも有利だったとも言えるかも知れません。
しかし、このようなリフォームのしっかりした手順とか、プロセスを
確認しながら進めるということは、
業界にとっても、やはり必要な部分なのではないででしょうか。
既存の住宅を長寿命化させる方法を、つねに進化させていくことも
リフォームの技術開発に直結することだと思います。
その意味で、なるべく多くのみなさんにも、
関心を持っていただきたいものだと思います。
このリフォームについては、リプラン北海道版次号でも
記事として掲載予定ですので、ぜひごらんください。