このテーブル、奥の畳小上がりと手前の椅子、両方から使えます。
って、よくあるんですが、畳小上がりの下側を収納などに使う場合が多い。
場合によっては、畳のコーナーは掘りごたつ風に椅子のように使えるケースもありますね。
こういうインテリアって、いろいろな家族構成や
そのときの気分で、食事のシチュエーションに変化を持たせられます。
たとえば手前側では、ふつうの食事を取って、
酒が入ってくると、奥の畳でごろっと横になったりしながら
のんびりと楽しむ、ってような使い方。
まぁ、ただ単にテーブルとする方が、コスト面では有利でしょうね。
こういうスタイルにすると、内装での造作工事部分が増える。
でもまぁ、材料代などはそうは大きく変化しませんから、
大工手間の分だけといってもいいかもしれませんね。
そういう意味では、驚くほどのコストアップにはならないかも知れない。
しかし、関東などでは、こういうの、大変かも知れませんね。
先日の取材の時に、東京で設計事務所をやっているひとから
話を聞きましたが、関東ではなにせ、大工技術の劣化が著しいのだとか。
断熱気密といった住宅性能のレベルのことなどは、夢のまた夢のことで、
まともな木工事の技術段階がきちんと出来ていないようなレベルだそうですね。
それなのに、マンション内装工事などの仕事は山ほどあるので
施工の職人さんの引き合いは強い。
需要と供給のバランスが、いびつなかたちになっているので、
現場のレベルはどんどん品質が落ちていっているのだとか。
聞いただけの話なので、もちろん断定は出来ませんが、
そういう施工の技術レベルということでは、
首都圏と各地方では、明確に差が出来てしまっているというのが実感とのこと。
って、首都圏がレベルが上で、地方が劣っているというのじゃない、
その反対なんだ、というところがある意味、すごいことですよね。
地方で、設計の仕事をすると、とにかく廉価な予算でも
仕上がりが望む以上のものに出来る、という思いを持てるそうです。
一方で、首都圏で建築の広告情報の仕事をしている人に聞いたら、
ほかのなんでもの常識で考えて、
首都圏の住宅は「高いし、きっと品質もいいのだろう」と素朴に思っている
そういう受け手の意識というのもあるように感じます。
なにしろ、情報の送り手・媒介者がそう思っているのですから、
そういった情報が、ユーザーに届けられているのが実態なのかも知れません。
確かに土地のコストは高いので、最終的な住宅価格では
高いものになっていますが、それと品質とは、
極端に言えば、なんの関係もない、というのが現実なんです。
品質や価値観とは違うことの比重が、価格決定の最大要因である、
といういびつなマーケットというのが、首都圏の住マーケットのようです。
さてさて、どうなんでしょうか、ね。