千葉県佐倉にある「歴史民俗博物館」であります。
ことし、2度目の訪問を果たせた次第なのですが、
まぁまぁ、太古から戦後までのこの列島社会で生起した事柄や、生活ぶりなどを
さまざまに記録して保存する機能ということで、
あらゆる種々雑多な情報に満ちあふれています。
じっくりと思考を巡らしながら見て回ったら、
とても開館時間内では無理。
開館時間を前提にすると、たぶん、1週間くらいの滞在が必要、
いや、それでも無理でしょうね。
また、体力的にもそんなに続くわけがない。
そうですよね、何万年か、歴史時代が始まってからでも2000年以上の
日本列島上で人間が活動してきた歴史時間を追体験なんて、
そんなの、無謀というものですね(笑)。
写真は、そんな博物館の最後の方の、ごく現代に近い
戦前の社会風俗を展示しているコーナー。
それも、いわゆる「風俗」に属するような営業店舗の復元。
お堅い、役所仕事の博物館なハズなんですが
「民俗」と謳う以上、たとえば東北地方の土俗的な稲わら人形なんかも展示するわけで、
かなり猥雑な部分も、含まれてくるのは自然。
ここでは、「美人局・うるとら」という「カフェ」なんですね。
うたい文句が「喫茶の気軽さと、カフェの濃艶とを兼ねた、情熱工場」。
「うるとら娘のハリキリサービス」なんていう猥雑さ(笑)。
などというような想像力は、しかし、わたしのような年代以上の人間だけのようで、
もっと若い年代の子ども連れのお母さんたちなどはあっけらかんと、
「なんだろね、これ。いやぁ、古くさ!」とかいって笑っておりました。
まぁ、確かに、時代を経てこういう光景を見ると、
その時代の中での雰囲気や空気感のようなものが揮発する部分があるのでしょうね。
しかし、逆に言えば、
たとえば広い意味での風俗というものが
貴族や王侯階級にも広く受容されてきたのが日本文化の特徴とも言えます。
その時代が生み出す、活力や熱気というようなものが
こういう風俗の世界には表現されるものなのだと思います。
きっと、どの時代にも、こういうような部分というのは存在し続けたのでしょう。
そういうのはおおらかな王朝文学の世界にも、
活気に満ちた戦乱の時代にも、かならずサイドストーリーとして存在しますね。
まことに根深いというかなんというか(笑)。
それにしても、こういう展示まであると、
歴史というものの奥行きの深さに、目がくらくらとしてきます。
わたしも「カフェ」という場所で一休みしてみたくなりました(笑)。
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