写真は、登別市内の回転寿司の床面です。
技術的な問題としては、そう大きな問題もなく
こういった造作は出来るものと思いますが、
このようなアイデアを、建て主との関係で作り出せる、というのが
よくやったな、と思える部分だと思いました。
店舗という、居住性というよりも
非日常的体験性のほうに大きなウェートがある建築ですから、
外観の訴求力とともに、内部では「もう一回見たい」
と思わせる話題性というものが求められる。
そんな設計意図と言うことになりますが、
自分でも、現場的に作っていく人間の場合、
やはり、作り上げる細部にこだわっていくものだろうと思います。
そして、細部にいろいろな物語性を作っていけば行くほど、
完成度が高まっていくものであり、
そこに宿る「神」のメッセージ力が向上していくのかも知れない。
川を作る、という端的な目的意識で、
その河原の雰囲気を造作し、水とその周辺を
丹念にイメージを膨らませていく作業は、
新しいモノを作り出そうとする、気合いのようなものを感じる。
地域のなかでものを作っていく立場の人間としては、
「今ここにないもの」という表現目的が見えてくるだろうし、
さらに進んでいけば、どこにもないもの、
自分自身のイメージの中でも、見たこともないもの、
っていうような場所に立ち至っていくものだろうと思う。
細かい部分まで、結構な作り込みの様子が見えてほほえましい。
「よく見てみる」ということを見る人間との間で成立させるまで作る、
っていうようなことなのでしょうね。
そうすると、見る人間と作る人間との1体1の関係性になって、
そこでどんな思いを持ってもらえるか、
というようなレベルまで行き着くことが出来る。
川を作る、と決めたら、
その目的に向かって、いまできることを全部やってみるのでしょう。
そこにウソもなく、正直に立ち向かう、ということ。
作っていく、ということのいろいろな意味合いを
感じることが出来たと思いました。