TPP参加問題というのが進行している。
また、一方でギリシャの問題から欧州全体の金融システムが揺れている。
どうも資本主義の現代的な問題の表面化が進行している。
クリントン政権以来、
アメリカは、財政的な危機に当たって、
主に、金融を商品化する方向で打開策を行ってきた。
モノや消費の新しい展開というのが数少なくなるなか、
AppleやMicrosoftといった新興IT関連企業を成長させるのに、
主に、金融の操作で資本集中を生み出してきた。
いま、読み進めているAppleのスティーブジョブスさんなんていうのは、
そういうアメリカの政策の結果、生み出された稀有の産業勃興だったのだろう。
しかしその後、拡大された金融は、
自己増殖というか、自己破綻というか、
それ自身のメカニズムから、暴走を始めるようになってきていると思う。
現代を覆っている出口なしは、
どうもそのあたりの問題点の露出ではないのだろうか。
実体経済は確かに存在し、それ自体は拡大しているとは思うけれど、
金融のレバレッジの力が過剰に市場に影響を与えて、
世界中が、いわば思惑で右往左往せざるを得なくなっている。
禁断の麻薬を使った結果、一時的に改善したように見えたけれど、
実は、もっと深刻な病理がすすんだのではないか。
アメリカで、それもウォール街で現代社会へのデモが起きているのは
そのことを、多くの人々が認識し始めていることを表している。
いま、世界の危機の本質的なありかは、そのあたりに存在すると
そのような直感は、正しいと思う。
しかし、この危機を人類は乗り越えられるのか、
という点では、本当にわからない。
日本も地方を切り捨てながら、必死にその世界システムに追随してきたけれど、
どうもその先に、未来があるのかどうか疑わしい。
忙しさや気ぜわしさばかりは倍増以上なのに、さっぱり、状況は改善されない。
こういう社会状況を見るに付け、危機の深さに思いを致さざるを得ませんね。
<写真は、仙台市内の風景。円と三角と四角形体の建築群集合>