三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

首都圏でのゼロエネルギー住宅

2012年07月05日 06時35分13秒 | Weblog




先日の東京出張の折、
っていうか、民主党を離党しちゃった中村哲治さんの講演会の日に
たまたま「記者発表会」と銘打って行われていたのが
表題のようなテーマの住宅発表会。
北海道では、こういった住宅は実質的にたくさん建設されているので
わざわざ、「記者発表会」みたいなことは想像できないのですが、
東京では、なにをするにも大がかりなことになってしまう。
東京駅八重洲口近くの会場を借りて、
建設地である「河口湖畔」までバス見学会も用意されている。
まぁ残念ながらわたしはその後に予定が入っていたので参加できませんでしたが、
他人事ながら、予算はたくさん掛かるだろうなぁと心配していました(笑)。
東京、首都圏での仕事って、こういう目に見えない経費がすごくかかる。
実質よりも、バーチャルな部分での費用が巨額になる。
で、その結果、等身大よりも「少しずつ」大袈裟になってくる構造がある。
建設したのはアサカワホームという会社なのだそうですが、
前東大教授で、現在は建築研究所理事長の坂本雄三先生が監修した住宅です。
会社名は知らないのですが、
どちらかというと、坂本先生の話が聞けると言うことで参加した次第。
首都圏地域でも、エネルギー問題の高まりから
省エネ・断熱へのユーザー需要が高まってきている、とされていました。
会場に行ってみると、知り合いのアキレス社のHさんもお見かけ。
いろいろ人も紹介してもらえました。

で、発表会なのですが、
断熱は外張り断熱を採用。空気中の湿度もコントロールする
デシカント空調・換気を採用したり、窓では通常の樹脂サッシにプラスして
内窓も付けたりしています。
この空調や内窓は、熱計算的にはオフィシャルには表現できない部分もあって
建築本体の熱性能的なスペックでは、熱損失係数(Q値)は1.41とされている。
「え、ゼロエネがこんな程度でいいわけ?」であります。
一方パンフレットでは、熱損失係数(Q値)は0.91と書かれている。
素朴に、たいへん疑問とされる表現がされているのに、
何人かの「住宅メディア」の記者さんの質問はそれについて誰も触れない。
「ふつうの住宅の熱損失係数(Q値)はどれくらいなのですか?」
みたいなトンチンカンな質問が飛び交っている。
坂本雄三先生も、「そうですね~・・・」というような状況。
仕方なく、わたしのほうで素朴な質問として申し上げた次第。
ただ、この建物では熱損失係数(Q値)は、「実測」されており、
この実測は坂本雄三先生が手法を開発されて実践されているのですね。
ここで表記された熱損失係数(Q値)は、この「実測数値」であることは
わたしは理解していたのですが、
しかし、オフィシャルに書ける熱損失係数(Q値)は1.41であるのに、
そこまで、実測で0.5も乖離させるには、
窓まわりと空調換気システムが与っていることが明らか。
そんなにも違いが出るものなのか、質問した次第です。
坂本雄三先生から、お答えがあったのですが、
ちょっとかなり専門的な、熱損失係数計算方法の根幹にも関わるお答え。
にわかには判断も出来ず、時間もないことから、
追って、疑問は解決したいと思いました。
発表会後、坂本先生とも言葉を交わさせていただいたので、
じっくり質問の追加もさせていただきたかったのですが、
先約もあって、残念な思いを致しました。
たぶん、空調換気のシステムがポイントなのだと思いますが、
メーカーのダイキンさんも企業秘密の固まりのようなシステムのようで
担当者の方の対応もきわめて慎重でした。
これらについては、もう少し周辺を取材したいと思います。



しかしこういう発表会では
サプライズのような仕掛けも必要のようで
最後の発言者には、芸能人の清水國明さんが登場しておりました。
このモデルハウスはかれが河口湖畔で展開している遊園施設に近接していて
その縁で提携しているのだとか。
会社のCMにも出ているのだそうです。
まぁ、コミュニケーションにはお金を掛けています(笑)。
やはり「わかりやすさ」はきわめて重要ということですね。


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